わかめちゃんですよ。そう皆さんご存知、力雅の看板娘のあのわかめちゃんです。
彼女がした「いい仕事」の話しをね、聞いて欲しいんですよ。少し長くなりますけど時間大丈夫です?え?忙しい?まあそう言わないで。
その「いい仕事」っていうのは風○塾現場での出来事なんです。皆さんも名前はご存知ですよね?風男○。もう10年やってますからねえ。そう、男装アイドルの。
彼女を○男塾現場に誘ったのはもう3年前の話で。わかめちゃん、初現場にして一発で推しが決まりまして。涼真くんっていう。雪村涼真くん。ショタ感のある、タメ口の自由奔放年下キャラで。そこいくの?っていう。通だな?って(笑 いや、まあ可愛いんですけどね。涼真くん。
それからというもの、わかめちゃん、足しげく現場に通うようになりまして。誘った自分も軽く引くくらいのハマり方で。接触のあるアイドルにハマるの初めてだったんですよね。レス→認知→私信と順調に、凄い勢いで坂を転げ落ちるように(笑 ええ、皆さんよくご存知のお定まりのヤツです。単独遠征もリリイベでCD積むのも貢ぎ物もきちんとこなして(笑
でも、あの現場にしては距離感を保った良いオタクっぷりで。割とハスに構えたオタクや、活動歴の長さからかもう現場が日常みたいな枯れたオタクも多い中、2Sとか握手で顔赤くして照れ笑いしちゃう感じで、向こうからすると多分チョr…やりやすさ満載で、なんというか推されオタク感、ありましたね。ええ。
そうこうしてるうちに風男○恒例の夏の全国ツアーが始まりましてね。
そのツアーの企画がですねえ、なかなかのアレなんですよ。抽選で観客一人をステージに上げるんです。で、ステージ中央の椅子に座らせて。それでメンバーが入れ替わり立ち代り、その人を見つめながら歌を歌うっていう。ラブメッセンジャーっていう歌を。
でもって、サビはその人の推しメンが歌ってくれるんですよ。さらにアドリブで甘いセリフまで、名前も呼んだ上で言ってくれるっていう。「○○○、愛してるよ」的な。相当えげつないヤツです。ええ。
チケットのもぎられた方が箱に入れられて、コーナー冒頭でメンバーがそこから一枚引いて整理番号読み上げるっていう抽選の仕方で、フロアにいる全員にチャンスがあって、わかめちゃんと「当たったらヤバい(笑」とか言ってて。
そういう要素もあって、わかめちゃん、そのツアーを満喫してたんです。ツアー通して半分くらいは行ってたと思います。
ところがですよ。
好事魔多しとはよく言ったもので。
そのツアー中に涼真くんの卒業が発表されてしまったんですよ。
推しが卒業するの初めてということもあって、しかも認知も貰って楽しさ真っ盛りの時期ということもあって、わかめちゃんの取り乱しようと言ったら、それはもう。
とはいえ、その翌日は涼真くんの地元であるところの大阪でのライブだったので、ひとまずそこへ向かうわけですが。
そうして迎えた当日、忘れもしない、大阪はBIGCATですよ。
番号悪くて結構後ろの方だったんですけど、知り合い二人とわかめちゃんと、四人でライブ見てたんです。
で、ライブも中盤、例のコーナーが始まりまして。ええ、オタクがステージに上げられる例のえげつないヤツです。
それまでツアー通して涼真くんのオタクが当たったことがなくて。ということはつまり、涼真くんがサビ歌うのも甘いセリフ言うのもこれまでなくて。
え?ああ、涼真くんって通好みなキャラなのでオタクの絶対数が…まあ、ね。そういうことです。はい。
なので地元の大阪で涼真くん推しが当たるといいな、なんてステージ上でもフロア側でもそんなことを話してたんですよ。
で、抽選始まって。チケットを引いたメンバーはまずプレイガイドの名前を言うんですよね。そのときは「ローソンチケット!…ミニストップ?」って。
その瞬間、ピーンと来ましたね。ええ、来たんです。
そう、自分の手元にはミニストップのロッピーで発券した、ローチケなのに緑色の半券が。
わかめちゃんとは連番だったので当然わかめちゃんの手元にもそれがあるわけですよ。
あー、これは来たなと。
ミニストップのロッピー発券とか、おそらく数はそう無いだろうと。
そこまで来たらあとは「どうにか自分じゃない方の番号で!」って祈るばかりで。
え?そりゃそうでしょ。だって、何が悲しくていい歳したオッサンがステージ上で晒し者にならなきゃいけないんですか。しかも涼真くん推しでもないのに。誰一人として得しないヤツですよ。Win-WinならぬLose-Loseですよ。
番号ですか?ええ、無事わかめちゃんのが読み上げられましたね。本人気づいてない様子だったので慌てて肩叩いて。「当たってる!」って声掛けて。
なんですかね、ツアー開始当初から予感はあったんですよ。「ツアー中どこかでアレ当たりますよ。多分」って、わかめちゃんに言ってたんです。まさかこんなドンピシャなタイミングでとは思ってもみなかったですけど。
で、残った三人でハラハラしながらステージを見守ってたんですけどね。これがねえ。良かったんですよ。本当に。
この企画、主旨的に言えば、ステージに上がった女の子がキャーキャー言って、甘いセリフで照れて頬を染める、あわよくば感極まって泣き出しちゃうみたいな感じを狙ってたと思うんです。多分。
ただ、そうそう狙い通りにはいかないもので。例えば初現場の人とか割とリアクション薄くて。その有り難味を理解していないせいなのか、緊張していたせいなのか。それはまだマシな方で、照れが違う方向にいくんですかね、特にどうってことないみたいな感じを装う若い子とかもいて。乗っかれ乗っかれ!って思いながら見てたり、そんなことが割と多くて。
そんな中、わかめちゃんですよ。どうだったと思います?
まずはですね、緊張した様子と状況をまだ飲み込めていないふわふわした感じの足取りでステージに上がって。
そしたら涼真くん、すぐに気が付いて「あー、わかめちゃん!」って。涼真くんカラーの白の推しTと白のペンラだったので会場もすぐに涼真くん推しって分かって。メンバーも観客も、ああ良かったなって感じで。拍手も起きたりして。
で、メンバーに促されて恐縮した感じで椅子に座って。歌が始まって。各メンバーに見つめられながら歌ってもらうときも、わかめちゃん、挙動不審な感じに照れまくりで。顔真っ赤にして照れ笑いですよ。
そうこうしてるうちに、さあいよいよ、待ちに待った涼真くんのサビですよ。待望のラブメッセンジャーのサビですよ。例のヤツですよ。椅子の脇にヒザをついて歌うんです。涼真くんが。
歌いだしたところで、わかめちゃん、思わず顔を両手で覆ってうつむいてしまって。もうね、会場も貰い泣きですよ。
そこへもってきて涼真くんが言ったセリフが「わかめちゃん、泣かないで。大好きだよ」ですよ。涼真くん、普段は割とぶっきらぼうな口調なのに。この時は優しい声で語りかけるように。言うんです。
それを聞いて顔を両手で覆ったまま小さくうなづくわけですよ。わかめちゃん。
どうですか。
どうですか、この企画主旨に沿いまくったわかめちゃんのリアクション。一挙手一投足がもれなく100点満点ですよ。企画者の狙い通りですよ。思うツボですよ。してやったりですよ。いや卒業の件も乗っかって、狙い以上ですよ。お値段以上ニトリですよ。最高のお客さんですよ。自分が企画者ならチケット代貰うどころかギャランティ支払いたいくらいですよ。
ホント、そのくらい良い光景でしたね。
いやー、2年半前の出来事ですけど、割とはっきり憶えてますね。この時のこと。あの時は本当に、わかめちゃん良い仕事したなって。最高の仕事だったなって。今でも時々思い出すんですよ。ええ。
