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さぼんちゃんってご存知ですか?

ちょっとね、さぼんちゃんって子について聞いて欲しいんですよ。


少し長くなりますけど時間大丈夫です?

え?忙しい?まあそう言わないで。

 


 

切っ掛け

いきなり話し変わりますけど、TEM○URA K○DZってご存知です?


ダンスユニットです。男子1名女子4名。当時はメンバー全員中学生で。そうなんです。キッズっていうくらいですから。

 

当時っていうのは4年前のことで。4年前にね、はじめて観たんですよ。TEM○URA K○DZを。地元のショッピングモールで。

 

当時はアイドルオタク初めて1年くらいで。アイドルを観はじめて早々にフリコピ派になりまして。


…フリコピってわかります?アイドルのダンスをね、真似るんです。そう。一緒に踊る。振りのコピー。


いや、もちろん客席で。あがりませんよ。ステージには。ええ。


え?いや、そりゃ、オッサンが踊りながらライブ観てるのが端から見て気持ち悪い事くらい指摘されるまでもなく承知の上ですよ。


ん~。なんていうか、まあとにかく楽しいんです。フリコピ。一体感的な。

 

まあ、そんなフリコピ派なので、普段からアイドルさんをダンス主体で観てて。ダンス見るの楽しいんですよ。


とは言いつつ、アイドル以外のプロのダンスを生でちゃんと観るのは、それが初めてで。TEM○URA K○DZ観るのも初めてなら。


一応YouTubeとかは見てて、ダンスが凄いとは知ってたんですけど。そう、メチャメチャ踊れるんです。その子達。まあ、でもその時はどんなもんかなくらいで観に行って。


それがねえ、そのときのインパクトと言ったらもう。映像で観るより全然凄いんですよ。中学生とは思えないダンスのクオリティと百面相みたいな表情筋。


表情がね。コロコロ変わるんです。百面相。しかも大きく。ダンスもメリハリが凄くて動きも大きくてスピードもあって。躍動感の体現者って感じですよ。一発でやられちゃって。


それから足しげくライブを観に行くようになって。


売れない…?

ただね、全然人気が出ないんですよ、コレが。


初ワンマンは450人キャパのライブハウスを一杯にして。で、3カ月後に東名阪ツアー。


ところが名古屋はチケット完売せず。その次の二回目の名古屋でのライブもさらに客入り減って。

 

観るたびにパフォーマンスレベルは上がる一方なのにですよ。何で売れないんだろう?と不思議に思ってたんです。当時。


でもね、気づいたんですよ。その二回目の名古屋でのライブのあとに。

 

ライブ後に、一緒に観てた知り合いのオタク達と飲みに行ったんですけどね。ライブ自体の話があんまり盛り上がらないんですよ。いや、ライブ中はみんな凄く楽しそうだったんですよ?


でも、なんです。


特に、肝心のダンスについては「凄い」くらいしか言わない。表情くらいですかね。その百面相みたいな。話題に上ったのは。自分も含めて。

 

何故かって言えば、アイドルさんのそれよりもテクニック的なものが高度すぎて、スピードが有りすぎて、誰も具体的な話に言及出来なかったんです。みんなあまりダンスに詳しくないので。自分も含めて。

 

愕然としましたよ。

 

メンバーのパーソナリティや曲やステージ自体は凄くキャッチーなのに、にもかかわらず世間一般の人では「凄い」とか「楽しい」としか表現できない類のパフォーマンスが存在するんだと。


エンタメ的要素ではなく、純粋なパフォーマンスの魅力を周りに伝えることが出来ないジレンマと言うものが存在するんだと。

 

ダンスって、歌と違って一般的に通用する褒め言葉がホントに少ないんですよ。極端な話し、「キレキレ」と「キレッキレ」だけみたいな。


平日は毎日4時間ですよ、レッスン時間が。


いや、それこそ彼ら練習時間とか特に意識してなくて、移動時間とかでも時間が空けば踊ってるって。ダンスがね、大好きなんですよ。彼ら。


でも当時はもう、ネットやSNSでの口コミが大きな影響を及ぼすようになってて。そんな中、ライブを観に行かないと魅力が伝わらないっていうのは。これはなかなか。

 

ウィッグと道化師的なフェイスペイントでステージに立つんですけどね、彼ら。なのでビジュアル的な入り口も狭くて。


そこへ持ってきて肝心のダンスの魅力が伝わらない、伝えられないとなると。


これは伝播しないなと。


…これがダンスパフォーマンスの良さを伝える術は何かないものかと。そんなことを考える様になった切っ掛けだったんですよね。

 

2014年の秋のことです。

 

ジレンマ
その一年後、2015年の秋に、今日現在で最後になった、ライブハウスでのTEM○URAワンマンがあって。


埋まらなかったんですけどね。悔しくて悔しくて。


いや、埋まらなかったことにでも、売れてないことにでもなくて。


そりゃあね、スキルだけじゃ売れないのは常識で。歌が上手いだけじゃ、ダンスが上手いだけじゃ売れない。それはね、さすがに理解出来てるので。

 

そうじゃなくて、凄く良かったんです。そのライブ。


彼らのアイコンであるウィッグもフェイスペイントもやめて。


もっと上を目指すためにって初めて生歌にも挑戦して。


もちろんダンスもいつも以上に気持ちのこもった素晴らしい出来で。


本当に最高のライブだったんですよ。

 

でもね、何度も見てきた彼らのパフォーマンスの良さを語る術を未だ持てていない自分が居たんですよ。そこに。

 

一体何なんだと。


アイドルオタクをはじめて4年、Twitterとかでは訳知り顏で何やかんやと能書き垂れてたクセにと。


そんな自分の現状が悔しくて。

諦め
その後、彼らのライブの頻度は減ってしまったんですけど、他に応援してたアイドルさんには、パフォーマンスの良かったところを出来るだけ具体的に伝えるようにしてたんです。稚拙ながらに。

稚拙でも、そういうのって、やっぱり喜んで貰えるんですよね。楽しい!とかの一言だけの感想とかよりも。

 

そういう風に喜んでもらえると、こっちも嬉しくなるんです。なので色々工夫してみたり。試行錯誤で。


でも、そのアイドルさんが卒業してしまって。一昨年の2016年末に。
ちょうど同じ頃に転職と移住の話もあって。すっかりアイドル観に行くこともなくなって。


なので、そんな気持ちも段々と忘れてしまってたんですよ。


あ、でもTEM○URA K○DZはこの夏に見てるんですけどね。


移住先の某有名お祭りの常連なんです。鳴子持って踊る。


大勢の観衆の中、真夏の日差しを浴びながら汗だくで楽しそうに踊るんです。彼ら。


そんな様子は、以前と変わらず観てるだけで幸せで。


でも自分の中の熱はもう失われてて。


2日間の日程のうちの4分の1位見ただけで、もういいかなと帰ってしまって。やたらと暑かったのもあって。


もう完全にアイドルオタクとして終わってしまった感しかなくて。


もちろん当時のそれを思い起こすようなことも無くて。

 

転機
それが、その翌月ですよ。2017年9月。

百○坂、ってご存知ですかね。百○坂46。

乃○坂とか欅○っていうA○B系の、今大人気のアイドルがいまして。


あ、いや、百○坂は本物のアイドルじゃないんです。フリコピユニット。そう、そのフリコピ。好きなアイドルのダンスをステージで踊る。歌無しでダンスだけ。


え?さっきフリコピはステージじゃなくて客席でって言ったじゃないか?いや、例外的にね、そういうのもあるんです。


まあまあ、とりあえず聞いてくださいよ。
 

で、その百○坂をね、観に行ったんですよ。発表会。


前回の発表会がねえ、なかなか良かったんですよ。


さぼんちゃんっていう子がね、踊れる子なんですよ。躍動感がね。良いんです。

 

最初の良い印象を、なかなか越えられない、ってありますよね?ロッキーもダイハードも1以外認めないみたいな。続編もの、大体面白くないみたいな。
その日もね、そんな感じが少しあって。


いや全然悪くはないんですよ。すごく踊れてるし。


ただ自分の求めてるものとは少し違ったので、俯瞰的に興味深さという方向でさぼんちゃんのダンスを眺めてたんです。

 

衝撃

そんな感じで進んだ発表会だったんですけどね。


終わりに近づいた頃に急に雰囲気変わったんですよ。さぼんちゃんのダンスが。明らかに。誰の目から見ても、っていうレベルで。

 

それがねえ、まあ楽しそうに踊るんですよ。表情と言いダンスと言い。


曲は知らなかったんですけどね。でも、その様子を見てるだけでつられて身体が動いてしまうくらい、と言えば分かっていただけますかね。もう釘付けですよ。 

 

で、次の曲がガールズルールっていうんですけどね。ガールズルール。これも初めて聞く曲で。

 

それがもう大変なんですよ。


こんなの初めてってくらいに恐ろしく楽しいんです。


ダンスが。躍動感が。表情が。弾けてるんです。


本人の、ダンス楽しい!っていう感情がね、受け手にありありと伝わってくるんです。


楽しさが滲みでてるどころじゃなくて、溢れてるっていうか、いや、もうそんなレベルじゃなくて爆発してるんですよ。爆発。


わかります?そう、楽しさが。大爆発。

 

完全に戻ってきたのが自分でもわかるんですよ。あの頃の熱が。


振りさえ知ってたらフリコピで超楽しいやつですよ。

 

戻ってきたジレンマ

それと同時に、あの時の伝えたい気持ちも戻ってきて。

 

で、さぼんちゃんの凄さを誰かに伝えたくなって。力雅行ったんです。力雅。


え?ああ、居酒屋です。名古屋にある。アイドルオタクが集まる居酒屋なんです。力雅。大将がアイドルオタクで。なので、そこならと思って。

 

でもあんまり乗ってきてくれないんです。話しに。みんな。大将も、オカッパの看板娘とその旦那とかも。


まあでも無理もないんですよ。だって、もともとダンスをうまく語れなかった上に、一年近くブランクあったらねえ、そりゃあ無理ですよ。


伝わらない。伝えられない。


そういう悔しい気持ちまで戻ってきて。


昔、片付けられなかった宿題が戻ってきちゃったんですよ。

 

宿題
でね、結局本人に伝えたんです。感想を。直接。SNSで。

ええ、もともと同じアイドルさん観に行ったりで知り合いだったので。


そしたら「感想が的確!」って返ってきて。


あーそうかと。本人に言うのが一番かもって。


お互いの興味がマッチするわけで。需要と供給的な。


いや、もちろん社交辞令だって分かってるんですよ。さすがにいい大人ですから。


でもまあそれよりもとにかく伝えたくて。その子のダンスの良いところ。


いや、実際良いところ沢山あるんですよ。


技術的には上を見ればキリがない世界ですけど。


その子もまだキャリア浅くて、これから伸び代たっぷりって感じではあるんですけど。


動きの端々にこれは!っていうところが。ええ、各所に。

 

で、そういうのを色々投げかけて。長文にもきちんきちんと返してくれて。


そもそも、アイドル見始めて6年、結構な数のアイドルオタクと話してきたんですけどね。


ダンスについて会話が噛み合うのって初めてで。希少なんです。そういう人。
 

ところがそれでもやっぱり伝わらないんです。


大体は伝わるんですけどね。大枠は。具体的な話になると。正確には。なかなか。

あそこの脚の動きにこういう印象を持ったとか、ここの首の動きにどういう良さを感じたのかとか。そういうところまで掘り下げようとすると。


そんなことがあって、プレゼン作ろうと。パワポで。


そう、パワポ。ネタ的なのにしようと思って。肝心なところだけ抑えて。まあ照れ隠しですよね。それまでのさぼんちゃんとのやり取りにヒントを得ながら。

 

で、出来上がってみたら、これが。


自分が求めていた「楽しいダンス」とは何かがうまく整理出来てて。


自分で書いておきながらビックリしてしまって。


ああ、こういうことだったんだと。


自分の思考が丸裸で恥ずかしさもあったんですけどね。


見せましたよ。本人に。何の罰ゲームかと思いつつ。

 

で、その流れで、次はその子が踊ってる動画に直接コメントのせてみたんです。


伝えたくて。良いところを。ココ!って。


吹き出しみたいなのをね、動画編集ツールで映像に重ねるんです。


これもそれまでのさぼんちゃんとのやり取りからヒントを得ながら。

 

で、出来上がってみたら、これが。


自分が何を、どこを見てるのか、何を良しとしているのか。一目瞭然なんです。ああ、こういうことだったんだと。


これも丸裸ですよ。


見せましたよ。本人に。もう耳まで真っ赤ですよ。


でも、どちらも出来上がってから気がついたんです。


例の宿題がようやく、一応であっても片付いたことに。


ダンスの良さを伝える術を、一応であっても形に出来たことに。


3年もの間、答えが出なかったのに。


それがたったの4ヶ月でですよ。ねえ。今までのは一体何だったんだって言う話しですよ。

 

おまけに9月に戻った熱のおかげで11月にね、TEM○URA K○DZ観に行ったんです。


でも直前でメンバー一人の休養発表もあって。正直、この件がなかったら気分次第ではパスしてた可能性も十分あって。


ところがねえ。これが楽しかったんですよ。


珍しく持ち時間長めで曲数観れて。メンバーも楽しそうで。


何よりもう一度、熱量を持って彼らを見られるようになった自分がそこに居て。


良かったなあって。しみじみ思ったんです。

 


 

どうです?さぼんちゃん、凄いでしょ。


火をつけるところから、それとともに戻ってきた宿題まで一緒に片付けてくれるという。


アフターケアも万全ですよ。


おはようからおやすみまで暮らしをみつめるさぼんちゃんですよ。


どうです?さぼんちゃん、見てみたくなったでしょ?


え?まだわからない?


そういうこともあろうかと思って、ノートPC持ってきてるんですよね。


例のプレゼン有りますよ。見ます?そう、パワポのヤツ。え、大丈夫?まあそんなこと言わ(以下略