『それもこれもユダのせい(tutta colpa di giuda)』
監督・脚本・製作 ダヴィデ・フェラーリオ
(davide ferrario)
前衛劇の演出家イレーナは、
司祭の要望で刑務所内の受刑者による
舞台を創り上げることになった。
芝居を作るにあたって、
彼女がキリスト教に対して持った疑問を
司祭に投げかける。
イレーナが矢継ぎ早にする質問は、
私が持っていたのと全く同じ疑問だったので、
前のめりになって見入ってしまった。
そして雨の中、イレーナの漠然とした思いが、
溢れ出すように鮮明なイメージとして弾けた。
『トリノ、24時からの恋人』とは
世界観が違うけど、映像の美しさは同じだね。
監督へのインタビューを読むと、
この映画を撮るにあたってのバックボーンが見えてくる。
なぜ刑務所なのか、なぜミュージカルなのか。
それよりなにより!
現役の受刑者・監視員が、
役者として出演しているって事が驚きだ。
日本じゃ考えられないよね。
受刑者達の素人っぽさが愛らしい。
(全員おっさんだけど)
フェラーリオ監督は、個人的に10年近く
刑務所で職業訓練のボランティアをしているらしい。
長年、刑務所内部を見てきた監督だからこそ、
撮れた作品だろう。
刑務所と宗教。
往々にして重たくなる題材をミュージカルで明るく彩る。
刑務所とキリスト教の関係性、
監督の宗教に対する考え方が
ダイレクトに伝ってくるシーンが多いのも魅力的に思う。
「受難」を題材にしたイレーナの舞台上演は、
よく見るとユダが居ないの!!
キリストを入れて12人ってところも芸が細かい。
気が付いた瞬間、
「監督っ、素敵っ!!
イレーナは、そういう演出にしたんだね!!
la liberta~ oggi conquistero~」
って感動しちゃった。
全体を通して、
フィクションとドキュメンタリーの間を
行き来するような演出も面白い。
エンディングシーンも、
フィクションの流れで終わるのかと思ったら、
突然ドキュメンタリーテイストになっていた。
面白い終わり方だと思う。
チェッコ(cecco signa)の歌もいいんだよね。
「la liberta(自由)」の映画版の歌詞も大好き!
ただ、チェッコのハーモニカが
若干しつこいシーンもありましたが。
実は、イタリア映画祭2010の上映表に
『それもこれもユダのせい(tutta colpa di giuda)』
を見つけた時、
「davvero?!
Dio!grazie mille!!
(マジで?!神様!超ありがとう!!)」
と、ウザイ感じで叫んでしまった。
だって半年以上前から、
この映画のDVDをイタリアから取り寄せようかどうか
悩んでたんだもん。
You Tubuでも映画の予告見てたから、
ずっとずっと観たかったの。
しかも、ルチャーナ・リッティツェットが出てる時点で、
もう面白いって思うじゃん。
念願叶って観れた映画です。面白かった。
あと、会場でDVDも買っちゃった♪