お姉さんの運転で隣町に行った時の事、
「今週末、私は仕事なんだけど、
うちの旦那さんが実家のジェノバに
CIUSCA(チュスカ)のこと連れて行くって言ってるから、
マンマの家じゃなくて、ジェノバの家で夕飯食べてね♪」
いつも通り、突然の決定事項報告(笑)。
そうなんだ?(笑)
でも、帰国前に義理のお兄さんのご両親にも挨拶に行きたいと
密かに思ってたから、すごく嬉しい。
週末、畑の手伝いや家事を手伝った後、
夕方になってからお兄さんの運転でジェノバに向かった。
ジェノバの家に着くと、毎回の事ながら
やんちゃ坊主が
「CIUSCA(チュスカ)、階段の後ろに隠れて!驚かせるから!!」
と私の手を引っ張り、玄関から見えない階段の裏に隠れた。
玄関が開いてジェノバのママの元気な声が聞こえた。
「ママ、久しぶり。いろいろお土産持ってきたよ。」
毎回の事ながら、
かくれんぼに付き合ってお芝居をする義理のお兄さん。
「まぁ~、ありがとう!あら?!あなた1人なの?」
すぐにでも階段の後ろから出て、
ママに挨拶したい私の気持ちが分かったのか
「CIUCSA(チュスカ)、まだだよ。まだ出てっちゃダメ。」
やんちゃ坊主が私の腕をつかんだ。
「そうなんだよ。今日は僕一人で来たんだ。
さぁ、家の中に入ろう。荷物置きたいからさ。」
お兄さんのお芝居はいつも完璧です(笑)。
「えぇ~!!1人なの?!なんでぇ?
私、あの日本人の子に会いたかったのにぃ!
まぁ~、残念!本当に残念!あの子に会いたかったのよぉ~!」
大声で残念がるママ。
・・・お兄さんのお芝居を完全に信じてる。
ドアが閉まって少してから、やっとやんちゃ坊主のOKが出たので
2人で家のチャイムを鳴らした。
「おばあちゃん、来たよ!!」
イタズラっぽい笑顔でサプライズを報告するやんちゃ坊主。
久しぶりの孫との再会にママも喜ぶだろう。
と、思いきや孫との挨拶をさっさと済ませて、
私の事をすごく歓迎してくれた。
「よく来たわねぇ!いま1人で来たって言ってたから
とっても残念に思ってたのよぉ~!
あなたに会いたかったから嬉しいわぁ!
さぁさぁ、中に入って!お父さんにも挨拶して頂戴ねぇ!
今夜は美味しいもの沢山作ったからねぇ♪」
部屋に入りパパとも挨拶をして、
この1年間のパドヴァでの生活やイタリアでの旅の報告をした。
底抜けに明るいママに、威厳があるけど優しいパパ。
やっぱり帰国前に会えてよかった。
ジェノバの家に連れてきてくれたお兄さんに本当に感謝だよ。
新鮮なホウレンソウたっぷりのチーズ入りオムレツ、
ジェノバ名物・ジェノベーゼがたっぷり乗ったトマトサラダ、
ママ特製ソース(ポルチーニ茸入り)の鶏肉煮込み。
ボロネーゼのスパゲティは美味しすぎて、
写真撮る前に全部食べちゃいました♪
チェッレのマンマの料理は、
郷土料理に近いガッツリした味付けでイタリアらしさが出てるのね。
チェッレのマンマの料理も凄く好きなんだけど、
ジェノバのママの料理は、
味付けが繊細でいくらでも食べられるんだよねぇ。
ジェノバという大都市に住んでるっていうのもあるだろうし、
もともとピエモンテ州出身だから、
リグーリア州の味付けとは少し違うんだろうね。
ジェノバのママの料理も、
本当に美味しいからおかわり沢山しちゃったよ♪
「美味しいリンゴが今朝手に入ったから、作ったの。
あなたがリンゴ好きだといいんだけど。」
ママが両手いっぱいに抱えて運んできたのは、
お手製のアップルケーキ!!
「わぁ!!ママ最高!!
なんて綺麗なケーキなの?!
ママ、私、本当にアップケーキが世界で一番好きなんだよ!
そのこと知ってたの?
おいしそう♪ありがとうママ!すごく嬉しい♪」
もう、大興奮だよね。
本当に私、アップルケーキには目がないんです♪
学校の休憩時間にバール行った時も、
いっつもアップルパイ食べてたし、
ケーキ屋さんに行ってもアップルタルト食べてたし、
パン屋さんでリンゴを丸のまま包んだパンがあったら
どんなに大きくても買ってしまうくらい、好きなんです。
「本当に?良かったぁ♪いっぱい食べてね♪」
チェッレのマンマはドカッとお皿に盛ってくれるのに対して、
ジェノバのママは女子に嬉しい食べきりサイズでお皿に盛ってくれます。
でもねぇ・・・。
あまりにも美味しかったから、2回おかわりしたよねぇ(笑)。
星付のどんなに美味しいリストランテよりも、
やっぱり一番美味しいのはマンマ達の料理!!
マンマの料理ってなんでこんなに美味しいんだろう。
郷土色も豊かだしバラエティに富んでるし、
なによりも愛情がたっぷり込もってるから、
こんなに美味しいんだろうね。
美味しくて楽しくて輝くような時間をジェノバの家族と過ごせて、
自分は本当に幸せ者だと思ったよ。
それでも時間には限りがあるもの。
やんちゃ坊主もお眠になり、チェッレの家に帰る時間となりました。
ジェノバのご両親は、かなりのご高齢(90歳越え)なので、
「とにかく健康に気を付けて過ごしてね。
いつもパパとママの健康を祈ってるからね。」
そう言いながら、2人の手をしっかりと握った。
これが一時の別れになるか永遠の別れになるかは分からないけど、
こんなに別れの挨拶をするのが辛い人達と出会えて、
本当に自分は幸せだと思った。
『リンゴ追分』で、つがる娘が辛い別れを泣いたように
私も心の中では涙を流したけど、
これが最後じゃないと思いたかったので、笑顔で別れたよ。
ちょっと切ないリンゴの思い出ができました。


