実は、昨日のお話には続きがあります。
スクロヴェーニ礼拝堂の女性と連絡先を交換し、
家に戻ると彼女からメールが届いてた。
「今夜8時から美術館の食事会があるんだけど、
よかったら一緒に行かない?」
美術館の食事会に私も行っていいのか?
というか夜8時からってことは、
終わるのは夜中の12時近く。
しかも今日は街中歩いて疲れている。
風邪も治りたてで、体調も少し不安。
10分ほど長考する。
私が出した答えは、こう
「イタリアに居て、
なにか誘われた時に『NO』と言うのは、あり得ない!!」
(危険な事は、もちろん『NO』とはっきり言うけどね。)
しかも、こんなに嬉しい再会だったんだもの!
すぐに返信
「ぜひ行きます!!
着物を着て行っても大丈夫?」
実は日本から郵送した着物が、
先日届いたばかりなので!!
機会があれば着たいと思ってたんだよね。
着物を着てから、
寮母さんに出かける先と誰と出かけるかを言いに行った。
別にいちいち言わなくてもいいんだけど、
夜遅いし、心配するといけないから、
一応毎回、報告してるんだぁ。
そしたら寮母さんが私の着物姿を見て、
すごく喜んでくれてさぁ。
寮母さん、オペラ好きだから
「マダム・バタフライ(蝶々夫人)みたいだわ~♪
実際に着物姿を見たのは初めてよっ!!」
いやぁ。
こんなに喜んでくれるなんて思わなかったから、
着物姿で言いに行って良かったよぉ。
会場に行くと、皆様フォーマルで参加されてましてね。
またもや着物で行って大正解!!
しかも、全員美術館で働いている人だから、
美意識も教養も高く、着物の事も知っててね。
凄く喜んでもらえたの。
この日は、食事とオペラを楽しむ食事会だったみたい。
・・・というか。
「なんで私の人生に、こんな事が起こっているんだ?」
チェッレに居た時とは、状況が全然違うんだけど、
同じことを思ったね!!
だってですよ!!
パドヴァで最も有名な場所の一つで、
『地球の歩き方』にも載っているような有名な礼拝堂。
そんな礼拝堂と美術館で働いている人たちと、
オペラを聞きながら優雅な夕食?
しかも着物を着て?
なにこれ?
昼間、街をブラブラしてた時には想像もつかなかった事だよ!!
またもや自分が置かれている状況が、理解できない。
夢?
これは夢なの?
「お客様、シャンパンは甘口と辛口、どちらがよろしいですか?」
品の良いウェイターさんが聞いてくる。
「甘口をお願いします。」
って答えたんだけど・・・。
いやいやいや!
「甘口をお願いします」じゃないから。
なに気取りだ、私!!
スクロヴェーニ礼拝堂の女性が、
それこそ全員に私を紹介してくれて、
美術館の館長にまで紹介してくれて。
みんな驚くほど着物を喜んでくれたんだよ。
「テレビでは見たことあるけど、実際に見たのは初めてよ!!
この刺繍は手でしたものなの?
本当に美しいわ!!ファンタスティックだわっ!!」
なんて言ってくれてねぇ。
日本に居た時は正直、
「着物なんて着れたって就職の役に立つわけでなし、
自己満足って言ったら自己満足になっちゃうし、
冬は寒いし、夏は暑いし。
着付けを教えられるレベルでもないから、
伝統を伝える役にもたたず。
準備と片付けが大変だし。めんどくさい!!」
と思っていたわけだよ。
でも、
着物には本当に唯一無二の美しさがあるし、
着方を教えられなくても、
一人一人が着物を着ることが
伝統を守り、伝えていくってことになるんだけどね!!
基本的には着物好きなので、フォローもさせてください。
で、何が言いたいかっていうと。
外国に来て、ただ着物を着ただけなのに、
こんなに皆に喜んでもらえて、
改めて外国の人から
日本の文化の素晴らしさを教えてもらった気がする。
さて、難しい話はさておき。
楽しく美味しいお食事タイムです。
カルチョーフォ(アーティーチョーク)のパイと、
季節の野菜のフリット。
チーズ風味のソースがコクがあって香りが深くて美味しかった。
北イタリアだけあって、リゾットも充実。
ラディッキオのリゾットだったんだけど、
ラディッキオが紫色だから、リゾットも紫色をしていた。
味が濃いんだけど、ラディッキオが入ってるからヘルシーな気がする。
ポテトフライ、旨い!!
お肉も柔らかくて、ナイフ使わなくても切れるくらいだったわぁ。
デザートは、特大プディング。
クリーミー!!
特大だけど、全部食べるぅ♪
〆は、もちろんカフェ。
オペラも堪能し、食事も食べ終わり、一通りお喋りもし、
これで解散かと思いきや!!
「これからダンスタイムで~す。」
というお知らせがあった。
え?ダンスタイム?
社交ダンスでもするのかと思って見ていたら、
いきなりディスコミュージックがガンガンに流れ始めた!!
実は参加してる皆さんは、
ほぼ全員が60代~70代の年齢の方。
なのに、ノリノリで踊ってる。
文化が違うぞ!!
しかもノリノリで踊り慣れてる。
「一緒に踊りましょう♪」
って言われてんだけど、
日本でだってクラブになんて行かないし、
踊ったことなんてないよ!
踊るのなんてスカパラのライブの時くらいだよ!!
「ごめんなさい。踊れないんです。」
って断ってたんだけど、あれよあれよと言う間に
ダンスホールに連れ出された。
う~ん。
仕方ない。
今は「郷に入れば郷に従え」の時だと思い、
見よう見まねで踊ってみた。
しかも着物姿で。
すんごい、疲れた(笑)
なんで皆、あんなに元気なんだ?
やっぱイタリア人凄いなぁ。
帰る時に美術館の館長と挨拶をすると
「着物で来てくれて、ありがとう。
今夜は楽しめた?あ、あと踊った?」
と聞かれたので、
「はい、少しだけ踊りました。」
と答えると。
本当に良い笑顔で
「踊ったのね!良かったわ!!」
と言ってくれた。
・・・踊るの大切なんだね。
いや、本当。
盆ダンスが限界ですよ、私。
翌日、寮母さんに食事会の話をして、
レストランの場所を言うと、
「あぁ。ここ知ってる。
ciusca(チュスカ)・・・(笑)
ここレストランだけど、一般のレストランじゃないのよ(笑)
会員制のところよ。
今回はスクロヴェーニで店を貸切にしたんだろうけど、
普通は、ここの会員じゃないと入れないのよ。」
マジか・・・!!
だから皆フォーマルだったんだ。
なんちゅう食事会に招待して頂いてたんだ。
近日中に、
サンタントニオ大聖堂にお礼を言いに行かなくては。
これは教訓だよね。
『お礼は大事!!』
3年前も、お礼を言う為に女性を探さなかったら、
今、パドヴァに住んでなかったと思うし。
今回もお礼を言いに行かなかったら、
こんな夢のような夕食会(しかも会員制のレストラン)に
お招きされることもなかっただろうし。
礼に始まり礼に終わるとは、よく言ったもんだよ。
これも日本の素晴らしい文化だよね。












