金融緩和での副作用は① | Passのブログ (情報部屋)

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アメリカのFRB次期総裁に指名される女性となるだろうイエレンさんの「金融緩和のドル通貨による資金供給の継続」発言で、金融市場は再び活況を呈してきました。

日本においても、この先には引き続き日銀による金融緩和やリスク資産のさらなる買い上げを行うと見込まれているので、日経平均株価も今年の5月に最高値をつけた1万6千円をさらに上回る流れになる運びとなりました。これは想定内のことです。

しかし、各国の中央銀行による自国通貨の大量供給や大規模な金融緩和というのは、よく「麻薬」や「モルヒネ」にも例えられる「危ない橋を渡る」ような説明をどこかの評論家などで聞いたことがあると思います。ちなみに前の日銀総裁も今年辞める時にそのことに言及していたのはご存知の方も多いはずです。

そもそも中央銀行における国債などのリスク資産買い上げは、歴史上にも国家の失敗が既に認められており、本来は禁じ手であるのはずのアブノーマルな政策でした。

だから、過去にはわざわざ政府から中央銀行の独立性を担保して、政治の権力からは距離を持たせることにして、あらぬ失政の影響を及ぼさないように、組織を別立ての独立機関にしたはずでした。(これは、昔、中学校でも習ったはずです)

しかし、リーマンショック後の大恐慌のように、世界の景気があまりにも弱ってしまうと、様々な分野で資金がショートしたり、倒産や破綻が連鎖してしまうことから、その激しい痛みを回避するために、やむなく政府が介入して国家の延命措置を施しているわけです。

いわゆる医療学的には麻薬や覚せい剤か、それ以上の高い反動リスクもあるわけです。もちろん格差社会の増長にもつながりかねません。

病気の大変重い患者に、医師の側は躊躇していた危険な麻薬使用を、患者の家族から強く要請されて、医師を変えてまで実行するのと同じことが行われています。

それをきちんと平易な言葉で説明し、金融緩和の本質と副作用の発生リスクを、今回この際きっちりと押さえておきたいと思います。

まず、金融緩和を継続し続ける麻薬並の一つめの高いリスクは、市中の銀行から大量の資金が金融市場や不動産市場などに流れることにより、株価や不動産市場や商品市場などで想定を超えるバブルが発生しやすくなり、市場価格が大変に不安定な状態になることです。

その兆候は今年の5月に起きていて、株価からゴールドや原油市場で価格の乱高下を引き起こしたのは記憶に新しいです。これは今後もまた繰り返し発生するでしょう。

特に、株価や大都市部の不動産市場は大きく影響を受けやすく、日本国内でも局所的にはバブルが発生しており、都心部の億ションや一棟物件がバカ売れしているのはご存知のことでしょう。

たかがマンション一戸購入で高級物件だとはいえども1億円を超えるというのはバカげています。

株価高騰による利益の確定先として、都心部の不動産セクターにお金がシフトしているだけでなく、来年からの相続税率の課税負担増加なども、富裕層の税金逃れのために、稀少価値の高い国内・海外不動産に資金が流れやすくなっているのでしょう。

また、年収の比較的に高いサラリーマンにも、銀行の融資が出やすくなっており、年収800万円以上あるサラリーマンでは、今はこぞって都心部の不動産を買い進めようとしており、東京湾岸部や武蔵小杉などでは既にタワーマンションバブルが発生していますね。

今、あの地域でマンションを買うのはいかがかと思います。豊洲も武蔵小杉もみなとみらいも、元は工場街や造船所で、地盤もいたって軟弱なエリアです。

巨大な直下型地震で何が起こるかは、誰にも予測できません。前回の大震災で液状化が起きなかったからといって、次回も起きないとは全く言えません。私だったら地盤の安定した場所でしか絶対に買いませんが・・・。

2つめの高いリスクは、金融緩和によるバブル発生により、それが弾けた時の副作用として不良債権が積み上がりやすくなるということです。

市中の銀行のバランスシートが悪化するのはもちろんのこと、日銀までもが不良債権を大量に抱えてしまうと、日本国債や金利の上昇に大きな影響を与えてしまい、様々な市場の歪みが明らかになると、経済や財政の構造自体がおかしくなってしまうからです。

つまり、金融緩和を過剰に続け過ぎると、日銀や日本政府の持つ金融市場に及ぼす力が減衰して、迷走をし始める可能性が高くなるのです。

日銀や政府の失敗の責任を負うのは、政治家・官僚、そしてその政策を黙認してきた私たち日本国民です。

(次回に続きます)


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