サラリーマンで出世・昇進するためには、「社畜人生を極めるべし」という内容の叱咤激励本が時々あります。
もちろん、それは分からないではないんですが、その社畜人生を極めんとした時、会社が潰れてしまったら、その場合は一体どうするのか?という論点がすっぽりと抜け落ちているような気がしますね。
(以下引用)
○「社畜」になれないとダメな管理職に!(日刊SPA!)
http://nikkan-spa.jp/144497
「プライベートより仕事優先」「自分の意に反しても会社の命令には絶対服従」――そんな話を聞けば、誰もが心の中で「社畜か。気の毒に」と呟くだろう。
だが、彼らは本当に「気の毒」なのだろうか。大して会社に尽くそうとせず、かといって独立する気概もなく、中途半端に会社に居続けるあなたより、彼らのほうがずっと成功しており、幸せなのではないか?
◇OVER35に告ぐ!!「社畜アレルギー」を今すぐ克服せよ!
長時間労働。それに見合わぬ薄給。上司からの理不尽な命令――そんな会社で働くサラリーマンは、「ウチの会社はブラック」などと愚痴をこぼしがちで、仕事で成果が出ないのも「会社が悪いから」などと環境のせいにする。
「その性根があなたを不幸にするんです!」と断じるのは、著書『社畜のススメ』で、従来のサラリーマン論に一石を投じた藤本篤志氏。
「一日数時間の労働でも成果を出し、上司の命令に逆らってでも“正しい”判断を下して会社に利益をもたらす――そんなことができるのはごく一握りの天才だけ。
世の大半を占める“フツーのサラリーマン”にできるのは、凡人であることを自覚して謙虚になり、組織の一員として真剣に仕事に取り組むことだけです。
その行為を『社畜』と呼んでバカにするヤツには、そうさせておけばいい。それにしても、世の中には『社畜』という言葉の響きに惑わされている人が、あまりに多すぎます」
あなた自身がいかに「社畜アレルギー」に侵されているか、まずはテストで診断してみよう。チェックの数が多いほど重症だ。
「もっとも、一つでもチェックがつかない項目があるのなら、根っからの『アンチ社畜』ではない。ちょっと斜に構えて『会社に人生を賭けるなんてカッコ悪い』と思っているだけでしょう。
あるいは『社畜にはならないぞ!』と主張するのをサボリの口実にしているか。ですが、どちらにせよ、今のままでは未来はありません」
◇「社畜」をサボるとダメな中間管理職に!
能楽の大成者・世阿弥が説いた「守破離」の成長のプロセスを引いて、藤本氏は「サラリーマンのライフプラン」をこう説明する。
「『守』は師に決められた通りの動き、型を忠実に守る段階で、サラリーマンにとっては若手時代。そして『守』で身につけた基本に自分なりの応用を加える『破』は、中間管理職にあたります。
その先の『離』は、これまでの型にとらわれず、自由な境地に至る段階で、経営側の立場や独立ということになるでしょう」
新卒入社から定年までが約40年として、それぞれの段階に要する年数は12~13年。30代半ばのサラリーマンであれば、そろそろ「破」の段階に入る頃合いだ。
「ところが、『社畜』を敬遠してきた30代というのは、『守』をちゃんと卒業せずに、形だけ『破』になってしまった人が多い。
こういう人が、典型的なダメ中間管理職になるんですね。自分とは異なる意見で会社の決断が下りたら『オレは賛成しなかったんだよね』と、後でグチグチ言う。
しかも、『キミらもそう思うよな。社長の考えは古臭いよな』などと言って、部下や後輩を仲間に引き入れようとする。これでは部下が動くはずもありません。それで成功しなかったら『やっぱりな』なんて、悪いのは自分ということにはまったく気づかないんです」
つまり、部下や後輩を歯車として動かすには、自分も歯車である必要があるということだ。
「私は、サラリーマンには『クレバーな社畜』を目指すように提言しています。ダメな社畜は『オレは会社に利用されている』という被害妄想で腐っていく人。一方、クレバーな社畜というのは『社畜こそが成功への最短距離だ』と考えて、会社のために尽くせる人です。
結局は気持ちの問題なんですよ。ですから、今まで『社畜』をサボっていたとしても、これまでの10年余りが全部ムダだというわけではない。30代半ばの人なら、相応の知識や経験の蓄積はあるはずですし、頭を『クレバーな社畜』に切り替えれば、今からでも十分挽回できますよ!」
【藤本篤志氏】
USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任した後、’05年、グランド・デザインズを設立。著書『社畜のススメ』(新潮新書)が話題に