皆さん、こんにちは。

千葉県議会議員(船橋市選出)の石川りょうです。

 

昨日に引き続き、先週金曜日(3月8日)に開かれた千葉県議会総合企画企業常任委員会に出席したご報告をさせていただきます。今日は「千葉の地域資源を生かしたSAF導入促進事業」についてご報告いたします。

 

 

 

 

SAFをご存知でしょうか?

Sustainable Aviation Fuelの略で、日本語では「持続可能な航空燃料」を意味します。次世代の航空燃料とも呼ばれるSAFの注目すべき点は、化石燃料と比較して二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるということです。その原料となるのは、主に植物などのバイオマス由来原料や、飲食店や生活の中で排出される廃棄物・廃食油などです。化石燃料は、使用サイクルにおいて一方的に二酸化炭素を排出するだけのリサイクルできないものでした。しかし、SAFの主な原料となる植物は光合成を行うため、二酸化炭素を一方的に排出するだけではなく、リサイクルしながら燃料として使用できるのが持続可能といわれる理由です。

SAFについての詳しい説明はこちら

 

千葉県が実施する本事業は、成田国際空港へのSAFの導入により、脱炭素社会の実現や本県経済の活性化を図るため、県内におけるSAFのサプライチェーン構築に向けて、原料調達からSAFの製造・供給までに係る事業者の実証事業の取組を支援するものです。国は2030年時点の国内航空会社の燃料使用量のうちの10%をSAFに置き換えるという目標を掲げていますが、SAF自体はまだ商用化されていない段階の航空燃料であり、全国的にもその導入を促進する事業を行っている自治体は少なく、本事業はまさに成田国際空港を有する本県ならではの先進的事業です。

 

しかし、先進的事業であるからこその課題や難しさがあるであろうことから、私からは以下の質疑を行いました。

 

【石川の質問①】

令和5年度はSAF導入促進のための調査を行っていると聞いていますが、その結果や成果などはどうか?

 

【千葉県の答弁①】

〇 航空の脱炭素化という世界的な潮流から、持続可能な航空燃料SAFを安定的に供給していくことが、航空ネットワークの維持に不可欠と考えており、成田空港を抱える本県としても、SAFの安定供給に向け取り組んでいくこととした。

〇 取組に当たっては、本県にとってもメリットがあるよう、今年度は県内の地域資源を活用したSAFのサプライチェーン構築の可能性について調査を実施しており、構築に当たり必要な課題整理や、民間企業への意見聴取、SAFのサプライチェーンモデルの検討を行っている。

〇 この調査によって、関係法令上の課題整理や、県内事業者の参加意欲等が確認できたことから、県内におけるSAFサプライチェーン構築に向け、引き続き取り組んでいきたいと考えている。

 

【石川の質問②】

県内事業者の参加意欲が確認できたことは喜ばしいことだと思うが、SAFの原料調達から製造・供給までに係るサプライチェーン構築にあたっての課題整理も重要で難しいことだと認識している。この整理が本当にできているのか確認したい。サプライチェーンの構築にあたって必要な課題の中には、まずSAFの原料調達段階において、①必要量存在するか、②原料の収集が可能か、③他用途との競争に対処可能か、などがある。次に、製造段階の課題には、①SAFを製造する動機付けがあるか、②製造技術が確立されているか、③設備投資に対する回収が可能か、などがある。さらに、供給の段階でも、①SAFを利用する動機付けがあるか、②SAFの継続的な購入者がいるか、などの課題があるものと認識している。

 

今年度の調査の中で、それらの課題は整理・解決されているのか?また、来年度は2千万円の予算を確保し、サプライチェーン構築に向けての実証事業に対する補助を実施していくとのことだが、その実証事業について具体的にどのように行っていくのか?実証事業を執行できる見込みはあるのか?

 

【千葉県の答弁②】

〇 令和6年度は、今年度の調査結果も踏まえ、県内におけるSAFサプライチェーンの構築に向けた民間事業者間の連携した取組を促進していきたいと考えている。

〇 具体的には、SAFの原料となる、廃食用油等の収集から製造・供給に至るサプライチェーンの構築を行おうとする県内の事業者間の取組に対して助成していく。

〇 今年度の調査事業において、本県でのSAFサプライチェーンへの参加に高い関心を示す事業者がいることを確認しており、今後もあらゆる機会を捉えて、この補助事業を周知していく。

〇 なお、県外においても、国産SAFの商用化や普及・拡大に向け、民間事業者等による団体が設立されたほか、東京都などで、廃食用油をSAFの原材料とする実証事業が実施されているところ。

 

 

本当は、今年度行われている調査の詳細内容を知りたかったのですが、まだ調査実施中ということもあり、執行部は詳細な答弁を控えました。新年度になれば、その調査結果が公表されると思いますので、しかるべき時にご報告いたします。

 

SAFのサプライチェーン構築のための課題整理まではできており、来年度から始まる実証事業への参加に積極姿勢を示している民間事業者も見つかっているということですので、その経過と結果に注目が集まります。本事業は先進的であるがゆえに難しさもあると考えます。全国的に注目度も高い事業だと思いますので、来年度の実証事業がうまくいき、実際に県内におけるSAFのサプライチェーンが構築されていくことを切に願っています。

 

2024年3月12日 千葉県議会議員(船橋市選出) 石川りょう

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