▲船橋市児童相談所イメージ図(令和8年度開設予定)

 

皆さん、こんにちは。

千葉県議会議員(船橋市選出)の石川りょうです。

 

本日も12月1日に行った石川りょうの一般質問の内容についてのご報告。

児童相談所についてとなります。

 

令和8年度という年度は、本県の児童福祉分野における非常に重要な年度となります。なぜなら、県直轄の児童相談所が新たに2つ設置されることに加え、船橋市及び柏市の2市でも市児相が新たに設置される予定となっているからです。

 

印旛児相イメージ

▲令和8年度に千葉県で新設予定の印旛児相(印西市)

 

東葛飾児相イメージ

▲令和8年度に千葉県で新設予定の東葛飾児相(松戸市)

 

市児相開設を控える船橋・柏両市から、千葉県は様々な共同要望を受けています。その中でも特に人員派遣については、経験豊富なスーパーバイザーを児童福祉司で4名以上、児童心理司で3名以上、一時保護で1名以上の派遣を要望されています。スーパーバイザー、いわゆる教育・訓練・指導担当児童福祉司の配置標準は児童福祉司おおむね5人につき1人とされています。これまで児相運営のノウハウがない両市にとって経験豊富なスーパーバイザーの存在は児相新設にとってマストの要件だと考えます。他の自治体では経験豊富な児童福祉司を確保できずに児相開設を延期せざるをえなかった事例もあります。千葉県ではこのような事態は絶対に避けなければなりません。

 

しかし、上記の通り、千葉県自身も令和8年度に新たに2つの児相を設置することになっています。全国でも児相新設の動きが盛んであり、自治体間での人材の奪い合いが生じています。

 

また、国の動向を見ると、配置基準の改定が行われ、児童福祉司に関しては、令和4年度以降、それまでの人口4万人につき1人以上の配置だったところが人口3万人以上につき1人以上の配置となっていることに加え、平成28年10月以降は虐待相談対応件数等に基づく配置基準が設定されました。児童心理司に関しては、令和6年度より、それまで児童福祉司3人につき1人以上の配置とされていましたが、2人につき1人となります。さらに、一時保護施設の人員、つまり、児童指導員と保育士になりますが、これまで満3歳以上の幼児おおむね4人につき1人以上、少年おおむね5.5人につき1人以上とされていたものが、満3歳以上の児童おおむね3人につき1人以上となります。児相の対応強化のためとはいえ、自治体にとっては人材確保の難しさに拍車がかかっている状況です。

 

実際、本県では令和2年6月に千葉県子どもを虐待から守る基本計画を策定し、令和4年度までに児相職員の260名増員という目標を掲げていますが未達成という状況です。このように、本県の児相職員の確保だけでも大変な現状において、両市の要望を実現することが可能なのか大いに心配するところです。

 

【石川の質問①】

県は令和8年度に2つの児童相談所を新設予定ですが、人員の確保に向けた見通しはどうか。また、その実現に向けてどのように対応していくのか。

 

【県の答弁①】

●県では、児童虐待の増加に適切に対応するため、児童相談所の体制強化に努めており、令和5年4月時点の県の6児童相談所の職員数は、平成31年4月と比較をして225名増の650名となったところです。

●しかしながら、児童指導員等の専門職については、採用人数が予定数に満たないなど厳しい状況にあり、さらなる体制強化に向けて、積極的に採用活動に取り組む必要があると認識をしています。

●そのため、今年度は大学訪問や業務説明会を更に増加をして実施することに加えて、先月策定した人材育成基本方針や県で働く魅力を、専用サイトやパンフレット等を活用してPRすることなどにより、必要な職員の確保に努めてまいります。

 

➡この答弁を受けて開設された県児童福祉専門職員採用専用サイトはこちら

 

【石川の質問②】

令和8年度を目標に船橋市及び柏市が児相の開設準備を進めている中で、児童福祉司スーパーバイザーの派遣等、市から県に対し様々な要望を受けていると思うが、その要望を踏まえた対応は可能か。

 

【県の答弁②】

●船橋市と柏市からは、円滑な業務の引継ぎや人材育成における研修の実施などの要望を受けており、県から必要な情報や資料を提供するほか、児童福祉司資格認定研修や警察との合同研修の参加を受け入れるなど、引継ぎに向けた準備を進めています。

●また、開設時における児童福祉司スーパーバイザー等の職員派遣の要望については、県の児童相談所においても現在不足している状況にあり、両市の要望どおりの人数を派遣することは難しいと考えています。

●県としては、両市が円滑に児童相談所を開設できるよう、引き続き丁寧に協議を重ねながら、対応してまいります。

 

【石川の質問③】

県として両市に派遣可能な人数とその内訳の見込みについていつまでに確定する予定か。また、その結果をいつ両市に回答するつもりか。

 

【県の答弁③】

●児童福祉司スーパーバイザーにつきましては、県児童相談所全体で51名配置すべきところ、11名配置できていない状況です。

●そのため、現段階において確定的な人数等を示すことは困難ですが、できる限り早期に示せるよう、丁寧に協議を重ね、円滑に児童相談所が設置できるよう支援してまいります。

 

【石川からの要望】

県においてもスーパーバイザー等が不足している状況は理解しますが、やはりスーパーバイザーという職については経験年数等の要件があり、既に設置している県とこれから初めて設置する市では確保の困難度が異なります。両市が児相を設置することで県児相が所管する相当数の児童が移管され、県の負担軽減にもつながる点もご認識いただき、人員派遣については、なるべく両市の希望にこたえて頂くよう要望いたします。また、令和8年度の児相開設にあたって、両市にもその前年度からの引き継ぎ準備などが必要になることは理解してもらえると思いますので、令和6年度の早い時期には派遣可能な人数とその内訳の見込みについてお知らせいただきますようお願いします。

 

2023年12月11日 千葉県議会議員(船橋市選出) 石川りょう

石川りょう公式ホームページ