皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
令和4年度より、船橋市でもコミュニティスクール(学校運営協議会制度)が始まります。
まず、このコミュニティスクールとはなにか?と申しますと、学校運営協議会を設置した学校のことを指します。
学校運営協議会というのは、教育委員会により任命された学校運営協議委員が、一定の権限をもって、学校の運営とそのために必要な支援について協議する合議制の機関とされています。
 
その具体的な役割は以下の通りです。
(1)校長が作成する学校運営の基本方針を承認する。
(2)学校運営に関して、教育委員会または校長に意見を述べることができる。
(3)教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることができる。
 
かなり大きな役割を担っていることがわかります。
それでは、どのような人が委員になることができるのでしょうか?
現時点での船橋市教育委員会の想定では、
校長、PTA会長(保護者)、公民館長、児童ホーム園長、民生委員、主任児童委員、町会・自治会関係者、青少年補導員、幼稚園長、保育園長、社会教育士、その他地域住民などを想定しているということでした。
 
肩書は非常勤の特別職地方公務員。
報酬は1回の会議で5,000円。
協議委員の人数は各校8人以内。
ということです。
 
学校運営協議会設置の目的は、学校と地域が一緒になり、子どもの教育に取り組むことができる「地域と共にある学校づくり」への転換と、「社会に開かれた教育課程」の実現を図ることとされています。
 
国も平成29年3月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の6を改正し、学校運営協議会の設置について、教育委員会に対して努力義務を課すようになっています。
千葉県も各市町村の公立学校への導入を促進することとしています。
 
これらの国と県の動きを受けて、船橋市は令和4年度に、まず以下の4校をモデル校として、今後の導入に向けた検証を進めることにしたのです。
➡宮本中学校、宮本小学校、峰台小学校、市場小学校
現時点での計画では、令和5年度に市内15中学校区で実施し、令和6年度には市内全校で実施する予定とのことです。
 
私は、以下の理由により、コミュニティスクールの導入に賛成です。
(1)児童生徒や地域の事情をよく知る保護者や住民が、学校運営や教職員の任用に関して意見を述べられるようになることで、児童生徒や地域の実態に即したより良い学校運営ができるようになる可能性があること。
(2)これまでの学校評議員制度が形骸化している例が多かったため、より実質的な役割と権限、そして資格(地位や職業、専門性など)をもった人材に学校運営に携わってもらうことのメリットは大きいと考えること。
(3)その運営方針や人事異動の内情など、これまで地域に開かれているとは言い難かった学校が、地域に開かれる形になる方が良いと考えること。

 

 

ただ、私が申し上げておきたいことは、学校運営協議委員の選定に公平性と透明性を確保していただきたいという点です。
 
これまでの学校評議員制度が形骸化してしまった事例が多いと上述しました。
その理由の一つに、町会・自治会長など、学校や児童生徒の実情をよく知らない人物が、地域の代表だからという理由で、慣習的に選ばれ続けてきたことがあると思います(しかも任期の定めは無い)。私は町会・自治会長を否定するつもりは毛頭ありませんが、学校評議員制度に実質的な役割と権限などが伴っておらず、学校運営協議会制度のように、校長から定期的に学校運営の方針などの報告をしっかりと受ける機会も少なかったため、評議員にとっても気の毒な制度になってしまっていたと思います。
 
今後は、児童生徒のこと、そして、地域のこともよく知る人材が学校運営協議会委員になることが期待され、そこに一定の権限と地位も付与されることになります。したがって、その人選に際しては、公平性と透明性をもってしっかりと行っていただきたいと考えます。この点について、令和4年3月14日の船橋市議会文教委員会で質疑をいたしました。その要旨を以下にまとめました。
 
【石川の質問1】
学校運営協議会委員の選定にどのような公平性と透明性を確保するのか?
【教育委員会答弁】
人選をどのように行うのかがもっと最も大切だと認識している。学校がどのような狙いをもって協議会を組織するのかを明らかにすることで、どの委員に何を期待するかが明らかとなり、委員選出の適切性が判断できるものと考えている。
 
【石川の質問2】
ともすれば、学校側は協議会委員にイエスマンを揃えたがると考えてしまう可能性もあると考えるがいかが?
【教育委員会答弁】
出来るだけ広い視野、多くの視点からご意見をいただくことに意味があるので、イエスマンでは学校運営協議会の設置の目的が達せられない。校長の考え方、意見に全面的に賛同してもらうことよりも、学校運営に関して共通の問題意識を持ち、その解決に向けて尽力してくれる人を選定することが重要だと考えている。
 
【石川の質問3】
機会があれば協議会委員をやってみたいと自主的に考える地域住民もいるかもしれないが、その人たちを委員に採用する考えはあるのか?
【教育委員会答弁】
学校が、家庭や地域社会と具体的な目論見を持って連携と協働を進めようとする場合、おのずと期待される委員像が浮かび上がってくる。「やってみたい」という考えを持っている人が、学校の期待する役割を担える人物像と合致すれば、委員としてお願いすることは考え得る。
 
【石川の質問4】
地域で埋もれている人材を発掘するためにも、協議会委員の一部を公募してみるというのはいかがか?
【教育委員会答弁】
委員の公募については、すでに導入している自治体もあることから、それらの事例を参考にし、研究していく。
 
船橋市教育委員会が学校運営協議会委員の選定について、その公平性や透明性を含めてしっかりと考えていってくれることになりました。
学校運営協議会の設置に際し、各学校が実情に応じてそれぞれに目的(狙い)や求める人材像をしっかりと考え、それをきちんと地域に公表することが表明されました。学校のホームページなどにも掲載し、しっかりと児童生徒や保護者、そして、地域住民が情報を得られるようにしていただきたいと思います。また、地域に埋もれている有為な人材を発掘するために、公募制についても研究するとのことでした。これまで学校に関わりのなかった地域住民の中にも、各校が求める知見や資格などをもった人材はいらっしゃると思います。そのような人材を見つける努力をしてほしいと思います。全ては学校に通う児童生徒のためです。本制度に期待しています。
 
2022年4月6日 船橋市議会議員 石川りょう