皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
今日は、図書館総合研究所の主催する自治体政策研究会による研修を受講しました。
タイトルは、「自治体DX推進への起点」ということで、北海道大学法学研究科・公共政策大学院の宮脇淳教授の講義でした。
 
私自身、議会の場ではもちろん、りょうCaféなどの場でも、頻繁にDX(Digital Transformation)という言葉を使っていましたが、デジタル化やICT化という漠然とした意味で使っていたなと反省しました。
 
宮脇教授の言葉をお借りすれば、自治体DXとは、単なる自動化やデータ化ではなく、行政機関での職員行動、そして、組織の権限・責任の変革自体を促すもの」ということでした。
 
つまり、デジタル化とICT化を踏まえた上で、役所内の業務の能率化と効率化を図り、働き方改革につながり、政策決定や意思決定の質を上げ、最終的には行政サービスの質を上げるという一連のプロセスのことを言うのだと理解しました。
 
(1)デジタル化:①「手書文書」を「ワード文書」へ、②「手紙」を「インターネットメール」へ、③「ファイル綴じ」を「パソコン保存」へ
(2)ICT化:①「電話・FAX 」から「インターネット」へ、②「文書ファイリング」から「クラウド」へ
(1)(2)によって、情報の伝達と蓄積の方法を変えるということですね。
 
(3)業務の能率化:一定時間内に従来と同じ価値を生み出す作業量を拡大させること。従来のプロセスを基本的に踏襲しつつ機械化や自動化を進める。具体的に言うと、自動受付やパソコンへの音声や画像での入力、自動仕分け、自動印刷、自動翻訳等です。船橋市役所でもRPAやOCRという形で導入され始めています。
(4)業務の効率化:単に一定時間内の作業量を増やすだけでなく、そこから生み出される質や価値(付加価値)を高めること。従来のプロセス自体を見直し、提供するサービスのグレードを高めることです。
(3)(4)によって、市役所職員の業務の能率だけではなく、組織や職域体系のあり方も見直しの課題となります。
 
(5)働き方改革:業務が能率化・効率化されることにより、無駄な仕事を減らし、残業の削減、有給休暇や産休・育休の取得を促し、ライフワークバランスの取れたより働きやすい職場環境に変える。
(6)政策決定の質の向上:定型業務やルーティンワークが自動化されることにより、市役所職員は政策決定や意思決定など、より質の高い業務に専念することができる。
これらの積み重ねが、引いては住民サービスの質の向上につながっていく。
この一連のプロセスのことを自治体DXというのだと理解しました。
 
じゃあ、それをどうやって実現するの?
ということで、宮脇教授からご示唆をいただいたのは、まずは役所全体の業務の整理と棚卸をすること。
そして、それらの業務を、定型、非定型、ルーティン・非ルーティン型に分類する。
全ての業務がDXできるわけではありません。特に、定型とルーティン型の業務を中心に、標準化、機械化、自動化の導入を検討していく。
 
船橋市役所も、昨年、総務部を中心に全ての業務の棚卸をしたと聞いています。
来年度からの新しい総合計画の基本構想の中にも「行政のデジタル化に取り組みます」という一文が入っています。
本市も間違いなく、これからDXを進めていくわけです。
しかし、今気が付きましたが、総合計画では「デジタル化」だけしか言及されていない?
DXに取り組まないと、最終的な市民サービスの質の向上にまで繋がらないと思いますので、その点は提言していこうと思います。
自治体DXの意味がしっかりと理解できたので、これから本腰を入れて、船橋市役所のDXのための研究にも本腰を入れていきたいと思います。
 
2021年5月12日 船橋市議会議員 石川りょう