皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
令和3年4月1日時点での船橋市における保育所等の待機児童数は、昨年に比べて大幅に減少しました。
4月28日の健康福祉委員会でこの件を取り上げて、執行部(船橋市役所)より報告を受けましたので、その内容について皆さんにもご報告させていただきたいと思います。
 
【▲資料①】
 
資料①を見ていただくとわかる通り、令和3年4月1日における船橋市の待機児童数は12人となり、前年同月の197人と比べて大幅に減少しました。特に、昨年184人と飛びぬけて多かった1歳児の待機児童数が、今年は8人となっていること。そして、昨年の1歳児は2歳児になっているのですが、その待機児童数は3人となっています。
 
【▲資料②】
 
資料②をご覧いただくと、その原因の一つが児童数の減少にあることがおわかりいただけると思います。
出生数は右肩下がりです。唯一増えたのが平成30年度であり、この年に生まれたお子さんが、令和元年度に0歳に、令和2年度に1歳となり、ここに社会増(180人増)も加わって児童数が増加し、たくさんの待機児童が生じてしまいました。
 
しかし、令和3年度には、その世代が2歳児となったのですが、対前年比で9人減、対前年の1歳比でも59人減となっています。つまり、今年度の2歳時の数は昨年度の2歳時の数より9人少なくなったことと、去年の1歳児のうち59人が2歳児になる前に船橋市からいなくなってしまったということです。これが今年度に待機児童数が大きく減少した理由の一つです。
 
【▲資料③】
 
資料③により、保育の需要数と利用率等の推移を見てみると、0~5歳全体(左のグラフ)では、児童数は右肩下がり、需要数(赤の棒グラフ)は微減となっており、利用率(緑の折れ線)の伸びも鈍化していることがわかります。0~5歳全体で見ると、船橋市の保育の定員数は需要数を上回っているのです。
 
しかし、保育需要が高いのは、1歳児と2歳児です。この年代で待機児童が出ます。
資料③の真ん中のグラフで1歳児を見てみると、児童数と利用率が令和2年度に上昇したところで待機児童(184人)が出てしまいましたが、今年度はともに低下しており、8人の待機児童に減っています。
 
資料③の右のグラフで2歳児を見てみると、緩やかになった利用率の上昇が再び大きくなり、需要数が増加し、3人の待機児童を生じさせています。
 
【▲資料④】
 
今年度に待機児童数が減ったもう一つの理由は、令和2年中に受け入れ枠を増やしたことです。
●保育所を3か所、小規模保育を6か所開設したことにより、1歳児85人分、2歳児70人分の定員を増やしました。
●申し込み状況等を私立保育園等へお知らせし、1・2歳児の受け入れについて協力を依頼するとともに、特に待機が見込まれる地域にある施設については個別に相談した。
●公立保育園において、より多くの1・2歳児を受け入れられるように保育士の配置を調整した。
 
以上の対策と、1歳から2歳にかけての需要の伸びが想定よりも小さかったことにより、待機児童は大きく減少しました。
 
【▲資料⑤】
 
【▲資料⑥】
 
今後の見通しについて、資料⑤と⑥から考えられることは、令和2年度の婚姻数も妊娠届出数も出生数も例年より減少することが見込まれていることから、令和4年度についても、1・2歳の待機児童は少ないと考えられます。
 
この傾向が、新型コロナウィルス感染症によるものである場合には、令和3年度以降にその反動で出生数が増加することも考えられるため、引き続き婚姻数や妊娠届出数などを注視し、出生数増減の前兆の把握に努める必要があります。
 
そして、新型コロナウィルス感染症が保育利用率に与える影響も不透明であるため、年度途中の申し込み状況も注視しなければなりません。
 
また、地域ごとの待機の状況等を精査し、適切な保育の受け皿確保と供給量の適正化は、今後もしっかりと図っていかなければなりません。
 
2021年5月7日 船橋市議会議員 石川りょう