皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
4月5日に船橋市保健所より報告がありました。
結論から申し上げますと、表題の通り、高齢者施設と障害者施設の全従事者(施設の事務職、清掃員、調理員等含む)への新型コロナウイルス感染症検査を4~6月も引き続き実施するとのことです。
*これらの施設への新規入所者の方々には検査を実施しています。
 
船橋市では、令和3年3月に厚労省の検査要請通知の枠組みを利用して、入所系の高齢者施設と障害者施設の従事者(希望者)に対して、月に2回の検査を実施していました。3月22日に厚労省から再び通知があり、引き続き4~6月にかけても定期的な検査を行うようにという要請があったことを受けて検査を継続するものです。そして、これまでは入所系サービスの従事者だけが対象だったところを通所系サービスの従事者も含めることにしたということです。以下に概要を詳しく述べます。
 
【対象施設】
(1)高齢者施設
①入所系サービス(市内191施設、対象者約6,600人)
介護老人福祉施設、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、認知症対応型共同生活介護、住宅型有料老人ホーム、養護老人ホーム短期入所生活介護など
②通所系サービス(市内196施設、対象者約3,300人)
通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認証対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護
 
(2)障害者施設
①入所系サービス(市内52施設、対象者約1,100人)
障害者支援施設、共同生活援助、短期入所
②通所系サービス(市内113施設 対象者約1,200人)
生活介護、就労継続支援、就労移行支援、就労定着支援、生活訓練
 
【費用負担】
●検査を受ける対象者の自己負担はなし(施設・個人の費用負担は無し)
●検査費用は、国からの補助金が2分の1出るものの、残り2分の1は市負担
 
【検査方法】
4月~6月にかけて1施設月1回実施
●入所系サービスは抗原定性検査
●通所系サービスは唾液PCR検査
 
以上の報告を受けての私(石川りょう)の感想は、少し懸念があるということです。
船橋市ではまだ報告がないとはいえ、関西を中心に変異株による急速な陽性者数の増加があり、第4波の恐れが表面化している状況です。
 
①入所系サービス従事者に対しては、これまでのPCR検査ではなく、抗原定性検査に変更するとのこと。確かに、PCR検査よりも手軽にできるメリットはあると思います。そして、厚労省によると、PCR検査の結果との一致率が高いことが確認されています。しかし、PCRほどの確度があるのかについての不安はぬぐえず、私はPCR検査のままで良かったのではないかと考えます。
 
②対象者が入所系だけから通所系に拡大されることは評価します。しかし、相変わらず訪問系サービスの従事者が対象ではありません。役所の説明では、訪問系サービスでは陽性者がほとんど出なかったエビデンスがあるからという理由*だったのですが、今後もそうである保証はありません。訪問系に携わられる従事者は約5,600人(介護:4,000人、障害:1,600人)いらっしゃるとのことで、検査費用の半分は市が負担しなければならずお金がかかることは理解していますが、私は対象に加えるべきだったのではないかと思います。
*3月に実施した入所系サービス従事者への検査では、9,002人中で4人しか陽性者が出なかった(0.04%)という結果はあります。
 
③検査の頻度が、3月の実施では月に2回、つまり、2週間に1回程度行っていたのに、4月からの検査では、月に1回に減るということになります。私の理解では、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間は1日~14日なので、月に1回の検査では、残りの2週間以上の期間について正確に把握できないことが懸念されます。これでクラスターが防げるのでしょうか?
 
以上の懸念点を保健所に伝えたところ、状況によって柔軟に対応したいということでしたので、状況が変化した際(船橋市でも第4波なり、変異株が確認された場合)には、訪問系にも拡大される可能性もあると思いますし、検査の頻度も2週間に1回に変更してもらえるものと思っています。いずれにせよ、本市の高齢者施設と障害者施設で何も起こらないことを祈念しています。
 
2021年4月5日 船橋市議会議員 石川りょう