▲船橋市法典公園(グラスポ)のテニスコート
 
▲船橋市運動公園のテニスコート
 
皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
10月5日に閉会した令和2年船橋市議会第3回定例会において、船橋市運動公園と法典公園(グラスポ)の駐車場料金に関する陳情が4件提出されました。両公園のテニスコートを利用されているシニアのプレーヤーの方々からの陳情が多数でした。
 
来年1月より両公園には指定管理者制度が導入されること、そして、厳しい財政状況からくる行財政改革により、両公園の駐車場は、これまで無料だったのですが、駐車料金が発生することになります。その値段区分は、
①最初の30分間は無料
②3時間以内は300円
③3時間を超え4時間以内は400円
④4時間を超えた場合は500円
というものです。
 
4件の陳情の共通する含意は、「これでは困る」というものでした。
 
結論から申し上げますと、私は陳情第29号第32号には反対(不採択)。陳情第30号第31号には賛成(採択)いたしました。
その理由を以下に記載いたします。
 
まず、陳情第29号と32号に反対をした理由ですが、
(1)29号は、「駐車場料金の新規設定は反対です」と言い切っていること。そして、無料とできなければ「上記設定料金の減額(定額200円)を次回の市議会で再検討お願いいたします」と言い切ってしまっていることです。
(2)32号も、「駐車料金の新設は絶対反対です」と言い切っていること、そして、「高くても定額で100円/日のご検討をお願いします」と言い切ってしまっていることです。
 
私自身は、船橋市の財政状況がひっ迫していると認識していますし、行革も必要だと考えています。その流れの中で、公共料金の値上げに対しては、必要な部分はするべきだと考えています。その料金の中身(内容)を見直す(再検討する)ということであれば理解できるのですが、それを「絶対反対」と言い切ってしまうこと、さらには、定額100円なり、200円にしてくださいと言い切られてしまうと、こちら側(議会と執行部)には検討する余地がありませんので、賛成することができません。
 
その点、30号と31号に関しましては、
(3)30号は、駐車場の有料化は、「最低限の料金にしていただきたい」ということ。
(4)31号は、「子育て世代、シニア世代、ひとり親世帯についての公共施設付帯駐車料金の割引制度を検討していただきたい」ということ。
この両者の意見(提案)であれば、議会の側にも執行部の側にも検討できる余地があります。
 
実は、両公園の駐車場料金設定に関しては、昨年度の船橋市議会第3回定例会で条例の改正案が上程され、可決されています。私自身も賛成した経緯があります。当時は気が付かなった、気が付けなかったという自身の非を認めなければなりませんが、今回、両公園のテニスコートを使用しているたくさんのプレーヤーの方々から直接お話をうかがったり、多数のお手紙をいただいたりする中で、この設定料金は公共施設という性質を考えると、やはり高額である、(特に、シニアの方々や子育て世帯、ひとり親世帯には)負担が重いと感じました。
 
シニアのプレーヤーの方々は、大体が2コマ(4時間)プレーするようです。体への負担などから考えるとゆっくり時間をかけてプレーするのは当然だと考えます。前後に着替えなどの時間も考慮すると30分はかかろうかと思います。そうなると、それだけで駐車場の利用は4時間半を超え、500円の駐車料金が発生します。1日の利用で500円です。週に2日、ないしは3日プレーする方々もいるようで、そうなると、1週間に駐車場料金だけで1,500円もかかる計算になります。1か月だと6,000円以上です。コート代よりも断然高額になってしまうのです。
 
船橋市民の多くの方はご存知のことと思いますが、運動公園と法典公園(グラスポ)の近くに鉄道の駅はありません。バスはありますが本数も少なく、決して交通の便が良い場所にあるとは言えません。車の利用がメインになっているといっても過言ではないと思います。他の公共交通機関が気軽に利用できるのならばともかく、そうでない場所にある施設ということを考えた時に、果たしてこれでいいのかということは考慮すべき点だと思います。
 
そして、陳情者たちも書かれておりますが、船橋市には「スポーツ健康都市宣言」があります。
【昭和五十八年十月十日】

私たち船橋市民は、地域に根ざしたスポーツ活動を通じて健康で豊かな心とからだを育て、活力ある近代的な都市をめざして、ここにスポーツ健康都市を宣言します。
一 市民一人ひとりがスポーツに親しみ、健康な生活を営もう。
一 みんなでスポーツを楽しむ機会をつくり、こどもを健やかに育てよう。
一 スポーツを通じて、いきいきとした地域の輪を広げよう。
一 スポーツを通じて多くの仲間とふれあい、はずむ心を世界に伸ばそう。

 

この宣言を標榜する市が、市民がスポーツから遠ざかってしまうかもしれない施策をやすやすと打ってしまっていいのかという疑念は拭いきれません。テニスが高齢者プレーヤーの方々の病気の予防、健康の維持に役立っていた側面もあるかもしれません。
 
そして、なにより私が見過ごせなかった点は、駐車場の料金設定について、当事者たちの声を直接聞いていなかったことです。体育協会の偉い人やその他一部の関係者の声は聞いて同意を得たのでしょうが、実際にここでプレーをしている利用者に対しては、公園の掲示板にお知らせを貼り付けるのみで、直接の話し合いの機会を作ることも、意見聴取する場も設定しなかったということには驚きました。
 
いくら昨年の第3回定例会で我々議会が条例案を可決したといっても、条例とは船橋市のルールです。その改廃は船橋市議会の意思で決まります。間違いだったと思うことは正せばいいのです。そのように考えて、陳情第30号と31号には賛成をしました。
 
しかし、結果として、船橋市議会全体の意思としては、4案とも賛成少数で不採択となりました。
船橋市議会の各会派の意思(討論)については、建設委員会の録画中継をご覧ください。
 
2020年10月12日 船橋市議会議員 石川りょう
石川りょう公式ホームページ