皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
本日(8月13日)の午前中は、船橋市保健福祉センター3階にある船橋市家庭児童相談室の視察をさせていただきました。
お忙しい中にもかかわらずご対応をいただきました職員の皆さまに心より感謝申し上げます。
 
 
さて、船橋市家庭児童相談室(略して家児相と呼ばれています)ですが、何をしている組織でしょうか?
家児相のパンフレットやホームぺージを拝見すると、「0歳から18歳未満の子どもに関する相談に応じています。子育てで悩んでいること、困っていること、わからないことなど、気軽にご相談ください」と書かれています。
 
要するに、子育てに関することであれば、何でも相談してよいのです。
実際に、平成30年度における相談実績(件数)を見てみると、
 
 
相談種別として、養護、保健相談、育成相談、非行相談、障害相談など、様々な子育てに関する相談を受けていることがわかります。
しかし、中でも多いのが、「養護」に関する相談となっています。
これは、いわゆる虐待に関する相談です。
平成28年度を境に大きく相談件数が増えていることがわかります。
この表にはまだ記載がないのですが、令和元年度の虐待相談件数は701件だったということで、令和30年度と比べて76件も増えています。
目黒区や野田市での事件を受けて、近年では虐待に関する相談が大きく増えています。
 
上の表をご覧いただければわかる通り、中でも、未就学児の虐待相談が半数を占めています。
 
そして、どのようなところから通報(連絡)が多いのかというと、最も多いのが市の福祉事務所から。学校からの通報も多いです。そして、家族や親せきからの通報、そして、近年では近隣や知人からの通報も増えているということでした。
 
現在、船橋市家庭児童相談室では33人の職員(常勤と会計年度任用職員含む)体制により業務に当たっていただいていますが、一人当たり平均45件もの案件を抱えていて、かなりの忙しさになってしまっているようです。
 
家庭児童相談室は、平成17年4月から、それまで児童相談所が対応することとなっていた児童家庭相談を市町村も担うべしとされた「児童福祉法の一部改正」により、船橋市も設置したものです。子育て支援部の中に置かれていて、保健相談や育成相談、そして、虐待相談でも比較的軽微なものを取り扱うことのできる組織です。しかし、立ち入り調査や一時保護、そして、児童福祉施設への入所に関することなどの専門的なことは、引き続き都道府県(児童相談所)が担うような仕組みとなっています。
 
しかし、平成28年度の児童福祉法の改正により、中核市でも児童相談所が設置できることになりました。
船橋市は、先にご覧いただいたような市内における虐待相談件数の伸びや、専門的なケースも取り扱えるようにするため、そして何より、母子保健から施設入所措置、家庭復帰後の支援等に至るまで切れ目なく一貫して支援を迅速に行えるようにするために独自の児童相談所の設置を2025年度までに目指している状況です。
 
 
しかし、令和2年1月22日に、船橋市において新たに開設された子育て相談センターがあります。
それが、「船橋市子育て世代包括支援センター」(略称は「ふなここ」)です。
ふなここのホームページを読むと、「0歳から18歳までのお子さんとその保護者を対象に、妊娠期から子育て期の様々な不安や悩みなどについて相談に応じ、必要な情報提供を行います」と書かれています。
 
家庭児童相談室との違いはいったい何なのだろうか?
というのが私の正直な感想です。
 
子育て世代包括支援センターというのは、「母子保健法」に基づいて市町村が設置するものであり、保健師等の専門スタッフが妊娠・出産・育児に関する様々な相談に応じる機関ということです。なので、基本的には母子保健が専門であり、船橋市では保健所の管轄となっています(対して、家児相は上述した通り、子育て支援部の管轄。根拠法例は児童福祉法)。
 
子育てに関する悩みをいったいどっちに相談すればいいの?
となることと思います。
答えは、「どちらでも構いません」ということになります。
最初の門戸(窓口)はどちらでも大丈夫です。
両者で連携を取って、しっかりと関係機関におつなぎします。
 
▲ふなここは船橋市保健所の2階にあります。
 
厳密にいえば、虐待関係の相談は家庭児童相談室へ。
母子保健や子育て等に関する相談はふなここへ。
ということになります。
しかし、繰り返しになりますが、市民の皆さんにおかれましては、区別することなくどちらにでもご相談ください。
同じ機能があるのであれば、ふなここを新設した意味は?とか、一つに統合すれば?とか、市民の皆さんにわかりづらいのではないか?など考えるべきことは様々あります。それらの疑問については、後日しっかりと検証してまいります。しかし、子どもに関する相談は大切なことです。どちらにでも構いませんので、お悩みのある方は、是非ご相談ください。
 
【船橋市家庭児童相談室】
電話:047-409-3469
FAX:047-409-3589
 
【ふなここ(船橋市子育て世代包括支援センター)】
電話:047-411-8250
 
2020年8月13日 船橋市議会議員 石川りょう