皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

一昨日と昨日とで、りょうCaféの新しい試みである「市議会体験ゲーム~今日はあなたも船橋市議会議員~」を開催しました。現在、令和2年船橋市議会第1回定例会が開会中(2月14日~3月25日)です。今議会に実際に上程されている生の議案について、市民の皆さんに議員役を務めていただき、私が執行部役を務め、実際の委員会の形式で議案質疑、討論、採決という流れを経験していただこうという試みです。

 

目的は、参加者の皆さんにとっては、①普段何をしているのかよくわからないというご意見の多い船橋市議会議員がどのようなことをしているのか知っていただく(船橋市議会について知ってもらう)、②船橋市政ではどのようなことが議案になっているのか知っていただく(船橋市政について知ってもらう)ことです。そして、私にとっては、これから定例会で実際に審議する議案に対する市民の皆さんの生の声をうかがうことができるということです。

 

やり方としては、参加者(議員役)の中から一人委員長を選びます。次第書(委員会の進行のための原稿)については、実際の船橋市議会の次第書を使って、私が用意しておきました。委員長役の参加者には、基本的にこの台本を読んで進行していただくのですが、実際の委員会を見たことがある方でないとイメージできないと思うのです。その点は、今回はラッキーでした。初日は、実際の委員会を何度か傍聴された経験をお持ちの参加者が務めてくださったことと、2日目は近隣市の議員さんが来てくださったのでその方にお願いすることができました。あとは、ゲームの説明時に、私から船橋市議会のホームページより、実際の委員会の録画中継をお見せすることでイメージをつかんでいただきました。

 

上記した通り、私が執行部役を務めます。議員役である参加者の質問に基本的には全て答えるように努めますが、最初に断わっておいたことが、本当の執行部(プロ)ではないため、答えられない質問があるかもしれないことと、答弁内容が間違っている可能性があることをご理解頂きたいということです。しかし、わからないことはわからないと正直に申し上げることとし、決して嘘はつかないということをお約束しました。

 

実際の議案書と、議案勉強会の際に使う議案説明資料を用いて、最初に執行部役である私から議案に関する説明をします。その後に、議員役の参加者の皆さんからの質問が始まります。その説明も、実際の執行部のように淡々とするように心がけましたし、質問に対する答弁も、聞かれたことにしか答えない、あえて役人答弁とするように心がけました。(笑)執行部役である私は、議案の内容について理解していなければならないのは当然ですが、その周辺情報や制度などについても理解していなければならず、かなり勉強しました。しかし、それでも答えられない質問が複数出たことは事実です。

 

質問が出尽くしたら、討論と採決を行うという流れです。

 

今回取り上げた議案は3案です。

①議案第18号 船橋市国民健康保険条例の一部を改正する条例

②議案第36号 船橋市少年自然の家条例

③議案第54号 市長等の給与月額の特例に関する条例

 

実際の今議会では、50以上の議案が上程されているのですが、ほとんどが国の法律や省令の変更による条ずれ・項ずれなどに関することなので、こちらは取り上げても盛り上がらないだろうと判断しました。取り上げた3件は、いずれも船橋市による独自の条例案だったために採用することにしました。そのように考えると、独自条例というのは意外と少ないため、今後も定例会毎にこのゲームを実施しようと思っているのですが、このような条例案が無かった場合には困ってしまうなと思いました。

 

この3案のうち、参加者の皆さんの関心が高い議案でゲームをすることにしました。

その結果、初日は①船橋市国民健康保険条例の一部を改正する条例となり、2日目は②船橋市少年自然の家条例となりました。

市長や副市長、そして、教育長などの給与を削減する③の条例に関しては、議案の概要を説明したところ、「ふ~ん、そうなんだ。下げればよいのでは。」というご意見でした。私としては、この条例に関心が高いのかなと予想していたので意外でした。私の感覚は、市民感覚とかけ離れた、いわゆる「議員感覚」になってしまっているのかと危機感すら覚えました。(笑)

 

議会の概要や流れ、そしてゲームの方法などについての一通りの説明を含めて、初日は2時間、2日目は3時間という時間設定で実施したのですが、初日は質疑だけで終了してしまいました。中途半端で終わってしまい、初日の参加者の皆さんにはご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありませんでした。

 

原因は、そもそもの国民健康保険制度自体の内容を理解するための質問に多くの時間を必要としたことです。国保制度は制度自体が複雑で難しく、ここを説明することから始めてしまうと1時間では終わりません。この点、議員は国保制度についての最低限の知識はもっていたり、事前の学習で調べていたりするので、実際の委員会では議案の内容にだけ集中して質問をすることができます。次回からの改善点としては、私からの議案説明の中で、周辺情報や制度の基本情報などは一通り説明するようにした方が良いということです。実際の委員会を忠実に再現しようとして、議案についての最低限の説明だけにしようとしたことが裏目に出てしまったことが反省点です。

 

二日目は、一宮少年自然の家を、これまでの直営から民間委託に切り替えようとする条例案でした。

採決の結果は、なんと不採択でした!

 

民間委託自体に反対というご意見の方もいらっしゃったのですが、以下の施設カルテを見て、そもそもこの施設自体がすでに不要である、売却するべきといったご意見もありました。旅館やホテルといった民間の宿泊施設を使っての校外学習だって十分に可能であると考えるため、わざわざ稼働率の低い(36%)施設を市が所有して管理運営をする必要はないという考え方は、私も実際の議案勉強会で担当課と議論したところでした。この短い審議だけでは結論を出せないというごもっともなご意見もあり、その方々は採決で挙手することができなかったとおっしゃっていたので、このゲーム内での採決結果というのはあくまで参考ということになります。

 

それにしても、私個人の感覚では、採択されるだろうと予想していたので、こちらも驚きでした。採択されるだろうと思いこんでいた私の感覚が、上記しましたが、すでに市民感覚とかけ離れているのかもしれないと再認識しました。

 

執行部役の私の答弁が至らなかったことが原因なのか、ゲームだからこそ参加者の皆さんが気軽に結論を出すことができたのか、はたまた、議員は否決という態度をとることに慎重になり過ぎているのか・・・色々と考えさせていただける結果でした。

 

審議のポイントは、民間に委託して、

①収支はどのように改善するのか、

②自主事業(プログラム)の数が増え、魅力的な内容となるのか、

③稼働率は上がるのか、

などといった点になると思いました。

 

実施してみて、私自身、非常に勉強になりましたし、参加者アンケートでも好意的なご意見が多かったので、これからも実施してまいりたいと思います。今回の反省点を活かして、さらに改良していきたいと思っております。ご関心のある方は是非ご参加ください。お待ちしています!
 
2020年2月23日 船橋市議会議員 石川りょう