皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
昨日は、平成30年度第6回船橋市行財政改革推進会議を傍聴してきました。
船橋市も、いよいよ本格的に行財政改革に取り組まなければならないという強い危機感の下で開催されているこの会議。毎回、多くの議員の方々が傍聴されているのですが、さすがに昨日は統一地方選挙・千葉県議会議員選挙の告示日なので、完全に無所属の私以外は誰もいないだろうと思っていたのですが、時間ギリギリにお一人の議員の方が現れ、二人での傍聴となりました。
 
まず始めに、下の画像をご覧ください。
昨日の会議で配布された資料です。昨日の会議の議題の一つであった「行革レビュー」に関する資料です。
まだ船橋市のホームページに資料がアップされていないので、写真となってしまい恐縮です。
 
 
 
 
 
 
 
船橋市役所は、来年度から行革レビューを実施するようです。
行革レビューというのは、資料の2ページに書いてありますが、予算要求の全段階で、市の実施する事業の点検と評価を行い、見直しと改善を図ったうえで、外部の視点も活用しながら次年度の予算要求に反映させる一連の取り組みのことです。政府が実施している「行政事業レビュー」、いわゆる「秋のレビュー」、もう少し古い例で言うと、「事業仕分け」のようなイメージのものです。
 
もちろん、これまでも市役所では事業の点検や評価は行っていたのですが、今回のポイントの一つは、「外部の視点も活用しながら」行うという点だと私はとらえました。資料の4ページに書かれている「③市民意見聴取」と「④行財政改革推進会議」の部分です。④に関しては、これまで通り外部の有識者の意見を聞いていくということで継続していただくべきものですが、新しいポイントは、③の市民意見聴取の部分です。行革についても市民の意見を聴くという決断を執行部はしたわけです。私も、絶対に市民の皆さんの意見は聴くべきだと思っています。
 
そのやり方について、資料の6ページでは、①パブリックコメントと②ウェブアンケートを行うとしています。
パブリックコメントは、これまでにも役所が市民の皆さんのご意見をうかがう手段として使われてきた一般的なやり方です。しかし、これまでのブログにも書かせていただいている通り、パブリックコメントに対する市民の皆さんからの反応はとても薄く、ほとんどご意見が届いた試しはありません。なぜなら、1か月という短い期間であり、資料の量が膨大、さらに、船橋市役所のホームページ上のどこにあるのかもさっぱりわからないという有様だからです。よっぽど市政にご関心のある方、または、そのパブリックコメントにかけられたテーマに対して利害関係のある方しか関心を持たないと思います。少々過激な発言になりますが、「パブリックコメントを実施したことで市民の意見は聞いたよ」としたい市役所(執行部)のアリバイ作りのために利用されている印象でした。
 
しかし、今回、執行部の英断だと感じたのは、パブリックコメントのみならず、ウェブアンケートも実施するとした点です。執行部の説明では、これまで市政に関心を持ってこなかったサイレントマジョリティーや若い世代の方々のご意見を聴くためだということでした。私もこれは絶対に実施した方が良いと思います。
 
しかし、今回、私が提言させていただきたいのは、第3の道です。
ブログのタイトルにも書かせていただいた通り、無作為抽出の市民ワークショップ(意見交換会)を開催することです。
 
理由は以下の通りです。
(1)パブリックコメントでは、これまでの実績が示す通り、ほとんど市民の皆さんからの声は寄せられません。
(2)ウェブアンケートはやる価値はあります。しかし、パブリックコメントよりは多くの意見が寄せられるかもしれませんが、やはり、利害関係のある方々や、本当に少数の市政に関心の強い市民からの意見が主となるはずです。そうなると、それは偏りのあるご意見となってしまう恐れがあります。
(3)ウェブや郵送だけの顔の見えない意見聴取よりも、実際に市民の皆さんとひざを突き合わせての意見聴取(交換)も必要だと考えるからです。しかし、自由参加の形式ではいけません。なぜなら、2021年度からの新しい総合計画の策定にあたって、今年の1月と2月に24地区市民会議を開催したのですが、これは参加自由のワークショップでした。その結果は参加人数が少なかったのみならず、議員や町会自治会などの声掛けにより集まった(動員された)市民の方々が主でした。自主的な参加を促す会議やアンケートでは、一部の人、利害関係のある人、団体の人などしか集まらないのです。
 
以上のような過去の反省から、私は「無作為抽出」にこだわるのです。
年齢、性別、お住まいの地域、職業など、無作為に選んだ市民に招待状を送ります。これまでの他の自治体や団体(JCなど)が実施したワークショップの例から考えると、1%は参加してくださいます。2,000人に招待状を送れば20人の参加は見込めます。しかも、属性はその自治体の構成に近い形になるのです。そこに船橋市のミニパブリックスが形成されるわけです。特定の団体や利害関係者だけの集まりではありません。それはつまり、執行部にとっては、市民の現実の声を映したかなり貴重な参考意見になるわけです。
 
繰り返しになりますが、通常、執行部が行う事業の説明会や意見交換会には、主に反対の人が集まります。当然です。言いたいことがあるからです。賛成の人は、「粛々と進めてください」という感じで、特に言いたいことはないので参加しません。結果的に、偏った意見交換会になる現実があるのです。特に、行財政改革に関する意見交換会ということになれば、事業の廃止や縮小の議論になるわけですから、これまで恩恵を受けてきた人たちからの反対意見を言う会になることは目に見えています。無作為抽出であれば、この偏りを是正することができるのです。より客観的で中立公正な会にすることができるのです。ここで出される意見こそが、正確に市民声を反映したものになります。
 
さらに、副次的な効果としては、今まで市政に関心の無かった人たちが、そのようなきっかけから関心を持つようになるのです。市政に関心のある市民を増やすことにもつながります。
 
繰り返しになりますが、私は、ウェブや郵送、FAXだけによる市民の皆さんへの意見聴取では十分ではないと思います。なぜなら、行財政改革とは市民の皆さんに負担を求めるものであり、そこにはしっかりとした説明責任と意見聴取の義務があると考えるからです。その責任を果たす有効な手段として市民の皆さんとの意見交換会やワークショップなどの機会を設けるべきだと思います。しかし、これまで通りの自由参加による会ではいけません。なぜなら、人は集まらないし、集まっても一部の利害関係のある人や団体などの偏りのある会になってしまうからです。①市民の皆さんへのしっかりとした説明責任と意見聴取の機会を作るために、そして、②中立公正な市民の意見を聴くために、無作為抽出による市民の皆さんとの意見交換会、または、ワークショップを開催することを提言します。
 
2019年3月30日 船橋市議会議員 石川りょう