皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

昨日(3月23日)の午前中は、第2回金杉台中学校に関する地域説明会に参加してきました。

40人くらいの方が参加していたと認識しています。

 

現在、船橋市立金杉台中学校は、「御滝中学校との統合が望ましい」として、船橋市教育委員会には考えられています。教育委員会の考える理由は、生徒数についてです。

 

現在、金杉台中学校の生徒数が全体で59人であり、クラス数は全学年で3クラスです。以下に、教育委員会が推計する来年度以降の生徒数と学級数を掲載します。

 

【2019年度】学級数は3、生徒数は59人

【2020年度】学級数は3、生徒数は59人

【2021年度】学級数は3、生徒数は59人

【2022年度】学級数は3、生徒数は57人

【2023年度】学級数は3、生徒数は58人

【2024年度】学級数は3、生徒数は52人

【2025年度】学級数は3、生徒数は51人

【2026年度】学級数は3、生徒数は47人

【2027年度】学級数は3、生徒数は44人

【2028年度】学級数は3、生徒数は40人

【2029年度】学級数は3、生徒数は35人

【2030年度】学級数は3、生徒数は28人

 

船橋市では、「船橋市市立小・中学校の学校規模・学校配置に関する基本方針」を定めており、学校規模の標準を、小中学校ともに標準規模は12~24学級とするとされています。それ以下、つまり、3~11学級の学校は小規模校と定義づけられ、通学区域の変更、弾力化等も視野に入れ、望ましい対応策について検討を始めるとされており、船橋市教育委員会は一昨年前から、金杉台中学校に関する「望ましい対応策」の検討を始めてきたというわけです。

 

昨年度は、「金杉台中学校の今後を考える会」を立ち上げ、「小中一貫教育、通学区域の変更、存続、統合」の4つの可能性について、3回の開催(2月、7月、8月)を通じて話し合ってきました。その後、昨年11月に、金杉台中学校に関する保護者説明会を開催し、今年の1月には、第1回金杉台中学校に関する地域説明会を開催し、この場で、教育委員会から統合が望ましいと考えると説明があったようです。その場でたくさんの質問や意見が出たそうで、昨日の第2回に繋がっているという流れになります。

 

第1回金杉台中学校に関する地域説明会の中で出されたご意見は大きく分けると、(1)学校規模について、(2)コストについて、(3)通学区域についてになります。

 

(1)学校規模について

【参加者からのご意見】

●少人数・小規模校は良い

●このまま存続するべき

●市が定めた標準規模(12~24学級)は、そもそも適正規模ではない

●統合が子どものためとは思えない

●市内に複数存在するという大規模校の方は適正化しないのか。

 

【それに対する教育委員会の答え】

確かに、小規模校の利点としては、①きめ細かな指導が行いやすい、②発表やリーダーを務める機会が多くなる、③運動場などの学校施設を余裕をもって使えるなどが挙げられるが、標準規模の中学校で期待される効果には、①クラス替え等により多くの仲間と出会える、②より多くの部活動から選択できる、③集団学習や学級間での活動が広がる、④複数の教科担当による組織的な指導がしやすいなどがある。そのため、児童生徒の教育条件の改善の観点を中心にとらえて、学校教育の目的や目標をより良く実現するために、学校規模の適正化を検討したいということでした。

 

(2)コストについて

【参加者からのご意見】

●統合はコスト削減のためなのではないか(仮に統合となれば、どれくらいのコスト削減になるのか)?

 

【教育委員会の答え】

①現在、金杉台中学校にかかっている年間の経費(市の実質負担額)は、約5,346万円

②仮に統合になった場合に削減できる年間の経費は、約4,729万円と試算。

*市の実質負担額というのは、人件費(学校事務・司書・理科実験事務員・用務員など。教員の給与は県からの支払であるためここには入らない)、光熱水費、調理業務委託費(給食費)、ICT関係(電子黒板、デジタル教科書、パソコン、公務支援システムなど)、施設修繕費、消耗品費などです。

 

一定のコスト削減効果はあるものの、それが主目的ではなく、あくまで統合の目的は教育環境の充実であるというのが教育委員会の考えということです。

 

(3)通学区域について

【参加者からのご意見】

●通学区域を広くして生徒数を増やすことはできないか?

 

【教育委員会の答え】

一時的には金杉台中学校の学級数と生徒数は増えるが、その後は再び全学年単学級に戻ると予想される。

 

*この説明のためには、地図があると良いのですが、現時点で利用できる適切なものが手元にないため、第2回説明会の資料がアップされ次第、再度ご報告いたします。

 

これらの理由により、教育委員会としては、生徒たちの教育環境の充実のために、統合が望ましいと考えるということでした。

教育委員会によるこれらの説明の後には、やはり、参加者の皆さんからたくさんのご意見とご質問がなされました。圧倒的多数が反対の意見だったと記憶しています。私がメモを取った範囲で記載すると、

●存続のために837人の署名が集まった(実際に教育委員会に手渡された)。

●金杉台中学校の3人の生徒からの手紙(存続を求める声)が教育委員会に手渡された。

●当事者である生徒の声を聴くべきである。

●子どもたちが楽しく充実して学校生活を送れているかが一番の判断基準であるべき。自分は保護者だが、子どもの学生生活は充実している。

●統合先の学校の環境が心配である。

●仮に統合が決まるとすればいつになるのか、子育て世代にとって1年という期間はとても貴重。なるべく早く知らせるべき。

●御滝中の関係者は、統合のことをほとんど知らない。ちゃんと周知はしているのか。先方の受け入れ態勢は大丈夫なのか?

●金杉台中学校は少人数の特認校にして存続させるという方法を提案する。

●金杉台中学校の運営に5,000万円以上のコストがかかっているということだが、何もやっていない議会の議員数を減らせば簡単に工面できる額だから心配はない。

●この会の名前が「説明会」となっていること自体、統合について押し付けで説明するための会だ。統合についてまだ決まっていないのであれば意見交換会とするべき。

●教育委員会とは教育者の集まりのはず。ただの役人(事務屋)に成り下がらず、子どものことを考えて欲しい。

●中学生は地域の宝。地域包括ケアシステムの観点からも中学校は必要。

●市内には過大規模校もある。生徒の偏在を是正するための市内全体の学区の再編成を行うべき。

●やはり子どもの意見は聞くべき。子どもに心配させたくないというのが教育委員会の考え方だが、自分は違う考え方だ。地域の課題を一緒に考えるきっかけになる。むしろ「良い教育チャンス」になると思う。

 

本当に様々な意見が出ました。

中には考えさせられるものも多々ありました。

私としても、以下の点については、教育委員会に対して提言していこうと思っています。

(1)金杉台中学校の生徒たちとの意見交換会は開催するべき(生徒の意見を聴くべき、対話をすべき)

(2)統合ありきの説明会ではなく、「意見交換会」として、これからも開催するべき

 

参加者の方々の意見があまりにも多くて、大幅に時間を超過しました。

私がこれまでに参加した、市が主催する説明会や意見交換会の中で、最も激しいものでした。

同時に、議会も、当該地域の皆さんとの意見交換会を開催するべきだと強く感じました。むしろ、こういうことこそ議会の役割ではないでしょうか?地域の声を何も聞いていないで、教育委員会のみによる報告や説明だけを聞いて最終的に議決する。これでは「住民代表機能」を果たすべき議会の役割を放棄しています。文教委員会で、地域住民との意見交換会を開催するべきだと考えます。金杉台中学校の統合についてはまだ決定したわけではないですし、仮に市役所として決定した場合には、条例の改正という議会の議決責任も発生します。もう今期の議会の任期の終わりが間近なので、すぐには難しいと思うのですが、5月以降の来期には実現できるように尽力したいと思います。

 

今回のブログでは、統合に関する私の明確な主張をすることができませんでした。なぜなら、もっとしっかり、ゼロベースで考え直さなければならないと強く感じたからです。そして、このブログに書いた情報は全てを網羅できているわけではありません。詳細に知りたい方は、これまでの住民説明会などの経緯や検討状況が船橋市役所ホームページのこちらのページにまとめられていますので、是非ご覧ください。

 

引き続き、この問題は、私としてもしっかりと注視してまいりますし、今後の動きがあれば、ブログなどでご報告してまいります。

 

2019年3月24日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ