皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

本日(2月18日)に健康福祉委員会が開催されました。

議題は、児童相談所事業の進捗状況について、船橋市役所からの報告を受けることです。

 

重要なポイントは以下の3点です。

 

(1)(児相の)設置主体について

児童相談所は、児童福祉法第12条第1項で、都道府県と政令指定都市に設置が義務付けられています。しかし、平成28年の児童福祉法改正により、中核市と特別区への設置促進がなされました。しかし、人材確保や財源確保などの課題から、実際に設置に至っている中核市は、横須賀市と金沢市のみという現状になっています。

 

このような状況下にあっては、船橋市に児相を設置する場合、設置義務のある千葉県が設置をするか、船橋市が独自に設置するか、2つの選択肢があります。

 

現状、船橋市には家庭児童相談室はありますが、児相ということになると、県が設置した市川にある児童相談所に管轄されています。市長の考えは、船橋市にも児相を設置することにより、虐待などの予防から発見、対応、一時保護、自立支援などの流れを一貫してできる、つまり、「切れ目のない」支援を船橋市だけでできるようにすることによって、船橋の子どもたちを守りたいということです。

 

本日の健康福祉委員会で、市長は、船橋市役所は本市における児相を本市独自で設置するという考えを改めて示しました。船橋市議会としては、これまでに様々議論してきたにもかかわらず、市役所がいつこの決定をしたのか全く聞かされていなかったため、議論が噛み合っていませんでした。しかも、今日の市長答弁で明らかになったことは、平成29年に千葉県との協議の中で、県が船橋市に児相を設置する考えはないと聞かされた時に、市が独自に児相を設置することを決意したということでした。もう1年以上も前の話です。私の意見を申し上げさせていただければ、先期(4年前)ではあんなに議論していた児相の議題を、今期は全く取り上げてこなかった健康福祉委員会にも責任の一端はあると思うのですが、それにしても、そのような重要な政策決定を、議会に報告をしなかった市役所にも非はあると思います。

 

今日の健康福祉委員会で、市長は、議会に適切に報告しなかった点について謝罪をしました。

そして、今後は、しっかりと報告して議会と一緒に進めていきたい旨の発言をされました。

 

ちなみにですが、仮に本市が独自に児相を設置した場合、現時点での市の試算によると、

①職員配置は、常勤82人、非常勤43人の125人が想定されています。既存の家庭児童相談室の人員を含むことから、新たに必要となる人数は、常勤66人、非常勤32人の合計98人です。

②財政負担としては、経常的に要する経費として約17億円(うち一般財源は12億5千万円)。児相の整備費としては約16億円が見込まれています。

 

今回の野田市での悲しい事件を受けて、国としても児相の設置の仕方については色々と動きがありそうなので、本市としては、拙速に市独自での設置を決断するのではなく、もう少し国や県などの動向を注視しても良いと考えます。

 

(2)(児相の)開設年限について

市長は、定例記者会見の場で、2025年4月の開所を目指すと発言しました。

今日の委員会でその年限の根拠を尋ねたところ、

①2019・20年度に大学教授や弁護士、医師等にアドバイザーを依頼し、幅広い意見を聴取して基本構想・基本計画を策定

②2021・22年度に設計

③2023・24年度に工事

④2025年4月に開所

という答えでした。

しかし、これはあくまで担当課の案であり、このスケジュール通りに行くかは定かではないということがわかりました。

 

したがって、船橋市民の皆さんには、2025年度の開所はあくまで目標であり、必ず開所されるという意味ではないということをご認識いただきたいと思います。

 

(3)(児相の)設置場所について

本日の健康福祉委員会で、船橋市役所としては、児相の設置場所を、JR南船橋駅南口の市有地を候補として考えているということが正式に表明されました。

 

 

候補地は他にも以下の5つを考えたそうですが、庁内での検討で外されたということでした。

①国家公務員宿舎二和住宅地跡

②市役所本庁舎駐車場及び南側市有地

③総合教育センター駐車場

④金杉台中学校

⑤中央消防署建替え

 

しかし、今日の委員会では、医療センターの跡地を考えてみてはいかがか?という提案などもなされ、市役所の提案通りに話が進むかはわからない状況となりました。

 

*医療センター跡地について、現在、海老川上流地区をメディカルタウンとして開発することを目指す土地区画整理事業が進行中です。東葉高速鉄道の飯山満駅と東海神駅の間に新駅を作ることが計画されているのですが、この駅前に新しい医療センターを建設する予定となっています。そうなった場合、現在の医療センターは移転することになるのですが、既存の病院の建物を利用して児相にしてはどうか?というアイデアです。ちなみに、現医療センターで最も新しいE棟は築10年程しか経っていない新しい建物です。

 

2019年2月18日 船橋市議会議員 石川りょう

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