皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

130日に船橋市役所より、千葉県と八千代市と共に国土交通省を訪ね、「東葉高速鉄道の経営安定化に向けた支援に係る国への要望をしてきました」という報告をいただきました。この要望の具体的な内容は、簡潔に言うと以下の2点です。

 

(1)東葉高速の自立を支援するための対策を考える組織体(東葉高速自立支援委員会。千葉県、船橋市、八千代市、東京メトロ等によって構成)に国(国交省)ももっと積極的に参加して下さい、東葉高速への支援策をもっと一緒に考えて下さい。

 

(2)東葉高速の借金の利息が重いので補助して下さい、そもそもの借金の返済についても支援して下さい。

 

私は生まれも育ちも船橋芝山。

東葉高速が開通した平成8年度(1996年度)から利用し続けています。

最寄り駅は飯山満駅です。

しかし、運賃の高いのなんの。

飯山満駅からお隣の東海神駅までの運賃は290円。

隣の駅まで290円ですよ!東京メトロ東西線ならば、西船橋駅から早稲田駅(19駅)まで280円ですからね。それよりも高い。

 

先にも言いましたが、私は芝山出身ですので、芝山の住民の方々から、「なぜ東葉高速鉄道の料金はあんなに高いの?」とよくお尋ねをいただきます。

 

なので、今日は改めてその理由をまとめてみたいと思います。

しかし、もうかなり昔のことであるため、船橋市役所でも正式な記録が把握しきれず、伝聞の情報も含まれていることをご承知おきください。

 

東葉高速鉄道の計画は1970年代に構想されたようで、帝都高速度交通営団(現在の東京メトロ)による地下鉄東西線の延伸路線(西船橋-勝田台)として計画されていたようです。

 

しかし、西船橋と勝田台では、帝都高速度交通営団が整備することのできる範囲を超えていた(つまり、東京から離れ過ぎていた)ため、帝都高速度交通営団による整備ができず、新たな法人である第三セクター(東葉高速鉄道株式会社)を設立して整備する方法をとりました。

 

このやり方は民鉄線建設方式といいます。別名はP線方式。

日本鉄道建設公団(現在の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が鉄道事業者である東葉高速鉄道に代わって資金調達から鉄道施設建設までを行い、完成後に鉄道会社(東葉高速鉄道)に譲渡するというやり方です。鉄道事業者である東葉高速鉄道は、譲渡額を開業後に償還することになりました。

 

さて、この東葉高速鉄道の工事なのですが、用地取得が困難を極めたことや建設事故の発生などによって、開業が遅れてしまいました。余談になりますが、私の住む芝山の住民は、東葉高速鉄道ができるからという理由でこの地に引っ越してきた人も多いのですが、計画通りに鉄道が開業されずに苦労をしたのです。開業が遅れるということは、その分、事業費が膨れることを意味します。事業が進まなくても支払い続けなければならない工事の管理費や借りているお金の利息の支払いなどです。さらに、この時期はバブル期だったため、土地の値段が日々高騰しており、用地費の増大がものすごかったといいます。

 

そういった要因が重なったことにより、東葉高速鉄道は、なんと約3,000億円という多額の長期有利子負債(借金)を抱えての開業となってしまったのです。東葉高速鉄道株式会社としては、この借金とその利子を返さなければいけません。そのため、他の路線よりもかなり割高な運賃になってしまっているのです。

 

一応、東葉高速線の1日の平均乗車人員は、沿線人口の増加に伴って、当初の71千人から、現在では154千人にまで倍増しています。加えて、平成9年度から28年度まで、千葉県や船橋市、八千代市、そして東京メトロなどによる出資や利子補給といった施策により、平成22年度から8期連続の黒字を計上し、有利子負債も減少させてきましたが、それでもまだ約2,600億円の長期債務が残っているのです。

 

沿線住民の方々からの声や議会の声を受けて、今回、千葉県と船橋市、八千代市の3自治体が共同で国土交通省に対して、上述のような要望を出したということになります。

 

国(国交省)の動きがあるといいのですが・・・。

 

201924日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ