皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
今日は、平成30年第2回船橋市地方卸売市場運営協議会を傍聴してまいりました。
主な議題は昨年6月に改正された「卸売市場法」について。
いよいよ来年6月から施行されます。
 
これに伴い船橋市地方卸売市場も大きな変化を迫られる「可能性」があることがわかりました。
もちろん、行政、卸業者、仲卸業者等、全ての関係者を含めた今後の協議で決まっていくことですので、現時点での決定事項は何一つありませんが、可能性の話を解説いたします。
 
今日の話を伺って私が感じた重要な点は以下の2点です。
(1)船橋市の市場を中央卸売市場とするか地方卸売市場のままとするか?
(2)船橋市の市場の開設者を船橋市のままにするか、民間事業者とするか?
それでは以下に解説します。
 
 
(1)船橋市の市場を中央卸売市場とするか地方卸売市場のままとするか?
 
卸売市場法で改正された点のうち重要な1点は、卸売市場の認定についてです。
これまでは、中央卸売市場となるためには、都道府県または人口20万人以上の市である必要があり、国(農林水産省)の認可を受けなければいけませんでした。対して、地方卸売市場は、開設者は法人であること(地方公共団体や民間など)が条件であり、都道府県知事の許可が必要でした。船橋市は平成26年度に中央卸売市場から地方卸売市場に変わった経緯があります。
 
今回の改正によって、中央卸売市場は認定基準を満たせば国の認定を受けられるようになりました。その認定基準とは、卸売場、仲卸売り場及び倉庫(冷凍又は冷蔵を含む)の合計面積が生鮮食料品の区分に応じて次の面積以上であること
①青果・水産物:10,000㎡以上
②肉類。花き・その他の生鮮食料品等:1,500㎡以上
 
ちなみに、地方卸売市場の場合は認定基準はありません。
船橋市は、今回の改正による認定基準を満たしているので、来年6月の法施行以後、再び中央卸売市場になることが理論上は可能になります。
 
その場合のメリットについて船橋市役所の市場関係者に尋ねたところ、市場の施設整備費に対して、国の予算の範囲内で4/10の補助を受けることができる可能性があるとのことでした。船橋市場は、今後、関連店舗棟と冷蔵庫棟の耐震対応が必要になっていますし、1967年に建築した大屋根部分の大規模改修も必要になっています。こういった施設整備費に対して国の補助が出る可能性があることだけでも中央市場化には価値があるのかな?と、現時点で私は考えます。
 
▲船橋市場の大屋根

それに加えて、地方卸売市場よりも中央卸売市場を名乗れた方が、市民や業者の反応も良く、船橋市場が今後も取引量や取引高を伸ばにあたって何かとメリットがあるのかなと思います。
 
船橋市場が今後も地方卸売市場であり続けるのか、それとも再び中央卸売市場へと変貌するのかについては、今日の運営協議会では、引き続き関係者で協議検討していくという結論でした。私としても、どちらにメリットがあるのか、デメリットの方が大きいのかという点について、今後、調査研究してみたいと思っています。
 
 
(2)船橋市の市場の開設者を船橋市のままにするか、民間事業者とするか?
 
そして、今回の法改正で重要な2点目は、市場(地方卸売市場はこれまでも可。中央卸売市場が今後可能になりました)の開設者を民間企業でもできるようになった点です。
 
今日、この法改正について解説くださった本市の運営協議会会長でいらっしゃる東京聖栄大学の藤島教授によると、今回の法改正では開設者の権限が強化されたということでした。具体的には以下の通りです。
●開設者が売買取引の方法を定めることができる
●開設者が代金決済の方法を定めることができる
●開設者が取引参加者に取引ルールを順守させるために必要な体制を有する
●市場の運営協議会や取引委員会を設置してもしなくてもよくなる
 
こういったことによって、仮に民間が市場の開設者となった場合には以下の可能性があることが示されました。
①市場使用料の値上げが起こる可能性があり、その結果、消費者価格が上がる可能性がある。
②開設者企業グループによる寡占化が進展する可能性がある。
③卸売業者と仲卸業者のM&Aが進む可能性がある。
 
船橋市は全ての公共施設を対象に民営化の可能性を探っています。市場についても今後検討課題になると思いますので、私も、今日をきっかけに、これからより深く調査研究していこうと思っています。
 
それにしても、今回の卸売市場法の改正から、今後、国は全国的な市場流通の整備にはあまり関与しない。各地域の市場の生き残りはそれぞれの自己責任であるというメッセージが強く感じられます。
 
2019年1月21日 船橋市議会議員 石川りょう