皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

昨日、平成30年船橋市議会第4回定例会における市民環境経済委員会が開催され、委員として出席しました。

 

審議された議案は1件。

「船橋市墓地等の経営の許可等に関する条例」です。

 

条例を制定する目的を簡潔に述べると、

近年、船橋市内における民間墓地等の無秩序な立地や乱立が心配されているため(現に、市内の開発計画にも影響を及ぼし始めています)、民間墓地等の新規開設や拡張をするときの基準を厳しく設定することです。

 

本条例の内容のポイントを以下に列挙します。

●民間墓地等を新規に建設または拡張しようとする事業者は、事前に地域住民にその計画を周知して説明会をしなければならない。

●事業者は説明会の結果や住民意見を市役所に報告し、市役所は必要に応じて事業者に助言や指導を行う。

●基本的に市内に事務所のある宗教法人しか新しい墓地等の建設はできない。

●墓地等を建設する場合は、住宅等(学校や病院含む)から150m以上、河川等から20m以上離れていなければならず、浸水想定区域と保存樹林地等には作れない。

●墓地等の経営者は、その経営状況を市役所にしっかり報告する。

●市役所は事業者に対して立ち入り検査ができること。決まりに違反した場合に市役所は、事業者に対して勧告、命令、氏名の公表、許可の取り消しができる。

 

私はこの条例制定に賛成しました。

理由は以下の通りです(昨日の討論です)。

 

賛成の立場から討論いたします。

 

まず、条例改正の背景で述べられている「市営霊園による供給には限界があり、市営霊園の補完や代替として、民間墓地等による供給が期待できる一面があります」という点に関しては、まさに市営である馬込霊園の供給が市民の皆さんの需要を満たせていない現状があります。船橋市はその補完や代替を民間墓地に期待し、市営霊園に入れない市民の皆さんを民間墓地へ誘導することを考えています。本条例はまさにその役割の一端を担うべきものであると考えています。市民の皆さんが民間墓地よりも市営霊園を希望する理由には経営状況や永続性といった信用性などの要因が考えられます。今回全部改正する条例では、第19条にて良好な経営状況を担保するための組織や責任体制を明確にする経営者の責任が明示されておりますし、第20条、21条、22条では細目にわたり市が民間墓地の状況をチェックする体制を整えています。市がこれだけチェックしている、ある意味厳しい市のチェックをしっかりとクリアしているなら大丈夫だろうなどということにより、市民の皆さんの民間墓地に対する信用性は格段に向上すると思いますので、市営霊園の補完や代替としての民間墓地の利用を促すことにつながると思います。先ほどの質疑の中で明らかになりましたが、船橋市内の民間墓地32,156基中、使われているのが23,321基であり、約30%が使われていない状況にあります。さらに申し上げれば、このうち船橋市民の使用率は54%ということです。本条例が施行された際には、市民の皆さんに広く周知し、まずは本市にすでに存在する民間墓地等の利用を促すべきだと考えます。

 

次に、条例改正の背景の2点目に挙げられていた「民間墓地等の無秩序な立地や乱立などによる影響が懸念されており、新規または拡張に際しての立地基準、環境基準、申請定続き等の規定を見直す必要がある」という点に関しては、実際に市内の開発事業への影響が懸念されている民間墓地が存在すること、また、今年の8月に実施された市民の皆さんへのアンケート結果から、墓地の立地でトラブルが起こらないことを望んでいる傾向があることなどを考慮すると、規定の見直しは必要なことであると認識しています。今回の条例改正では、立地基準、環境基準、そして申請手続き等がかなり詳しく規定されているため、懸念される民間墓地等の無秩序な立地や乱立が今後は防げるものと確信しています。近隣他市が同様の基準を持つ条例をすでに制定している中にあって、本市が民間墓地の無秩序な立地の集中するメッカになってはなりません。この機会に本条例を制定していくことは時宜を得ていることだと考えます。

 

ただ、少々懸念されることは、本条例が施行された場合、全ての環境基準と立地基準、そして施設基準を満たした上で墓地の立地が可能な場所となると、実質的に本市の北部地域と南部の埋め立て地といった一部の地域しかなくなってしまい、墓地が特定の地域に偏ってしまう可能性が高いということです。そうなると、該当地域の住民感情や生活環境の問題が生じる可能性がありますし、多くの市民の皆さんが墓地に求めている交通の便に関しても難しい面が生じる可能性があります。このあたりには条例の運用面での適切な配慮を求めます。運用という言葉を使いましたが、実際の細目にわたる運用について規定するはずの規則が、条例の本文中に多用されているにもかかわらず、まだ策定されていないということで、この点に関しては不安が残ります。本条例をすっきりと通すためには、規則の制定が条例とセットで行われていた方がベターだったと思います。本条例の施行が来年41日ですので、規則の方は今年度中にできあがることと推察します。出来上がった際には、本委員会への適切な報告を求めます。

 

2018年12月11日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ