皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
今日は残念な報告になります。
一部の中央省庁や都道府県庁、そして市町村の役所において発覚している障害者雇用率の算定の誤りについて、船橋市役所でも誤りがあったことがわかりました。
「水増し」という言葉には、「明らかに人為的な意図があった」というニュアンスを感じるため使いたくなかったのですが(そうでないと信じたいので)、報道ではこの言葉が使われているため、市民の皆さんに「あの話か!」と認識していただくためにあえて使いました。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、障害者の法定雇用率を定めています。つまり、ある一定の従業員を抱える事業主は、算定基準に基づく人数の障害者を雇用しなければなりません。
一般事業主で2.2%
国・地方公共団体・一定の独立行政法人で2.5%
都道府県教育委員会等で2.4%
という具合です。
ただし、法定雇用率を満たしていなくても罰則規定はありません。
当然、船橋市も地方公共団体ですので、法定雇用率は2.5%です。
これまで、船橋市役所は障害者雇用率が2.5%以上ということになっていたのですが、それが間違っていたというのが今回の事件です。
具体的な事実は以下のようになります。
市長事務部局(平成30年6月1日現在 法定雇用率2.5%)
【誤】 障害者の人数:56人 障害者雇用率:2.56%
【正】 障害者の人数:51人 障害者雇用率:2.37%
教育委員会(平成30年6月1日現在 法定雇用率2.4%)
【誤】 障害者の人数:26人 障害者雇用率:2.44%
【正】 障害者の人数:22人 障害者雇用率:2.04%
病院局(平成30年6月1日現在 法定雇用率2.5%)
【誤】 障害者の人数: 6人 障害者雇用率:1.77%
【正】 障害者の人数: 5人 障害者雇用率:1.50%
要するに、市長事務部局で5人、教育委員会で4人、病院局で1人が障害者であることになっていながら、その10人は実際には障害者ではなかったということです。船橋市は、障害者手帳等を確認することなく、これらの職員からの申告のみを信じて、千葉労働局に申告をしていた結果、法定雇用率を超える障害者雇用率を達成していたというわけです。それが、今回改めて調査をしたことによって、障害者の法定雇用率を下回っていたことがわかったということです。
なぜこのようなことが起こったのか?
上述したように、職員の申告のみを信じて、障害者手帳等の確認をしなかったことが原因です。船橋市役所職員課の説明では、「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認」という厚労省のガイドラインを、船橋市役所が間違って解釈していたということでした。つまり、船橋市役所は、申告した職員のプライバシーに配慮して、手帳等を確認しなかったということです。しかし、これは誤り(ミス
)です。手帳等を確認しなければならなかったのです。
下衆の勘繰りではありますが、船橋市としては、確認した結果、障害者でないことが発覚した場合、雇用率が下がってしまうので、あえて確認しなかったという邪推も成り立ちます。私はそうでないと信じたいですが、報道などではこれを「水増し」と報じています。「水増し」という言葉には明らかな役所の意図を感じさせます。
今回の調査結果を受けて、船橋市役所は、「厚生労働省のガイドラインに定められた方法により、適正な報告を徹底していくとともに、障害者雇用の取り組みを一層進めてまいります」と言っています。適切な方法によって、できるだけ早く法定雇用率を再びクリアできるよう望みます。
2018年8月27日(月) 船橋市議会議員 石川りょう