皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
今日は、「バスケットボール部を作ってほしい」という地域の声をお伝えするために、我が母校である芝山中学校を訪問してきました。
 
私は議員になってからまだ3年3か月ですが、毎年、卒業と入学のシーズンになると、芝山西小学校と芝山東小学校の児童と保護者の方々から、進学する芝山中学校にバスケットボール部を新設してほしいという要望をたくさんいただいていました。
 
議員という立場上、学校教育現場への口出しなどは極力控えようと思っていたのですが、そうも言っていられないほどのお問い合わせや要望をいただくようになっていましたので、まずは現場を見てみようということで、先週、芝山東小学校と芝山西小学校のバスケットボール部を見学させていただきました。
 
▲芝山東小学校のバスケットボール部の様子
 
▲芝山西小学校のバスケットボール部の練習場(体育館)
 
事実関係をおさらいしておきますが、芝山西小学校と東小学校にはバスケットボール部があるのですが、芝山中学校にはバスケットボール部がありません。西小学校と東小学校の指定校は芝山中学校であるため、両校のほとんどの児童は芝山中学校に進学します。
 
両小学校とも、4~6年生で30人以上の部員を誇り、みんな楽しそうに、そして熱心に練習をしていました。土曜日に訪れた東小には、5人以上の保護者の方々も来ていて、児童たちにバスケットボールを教えている姿がとても印象的でした。
 
その際、一部の部員、保護者、顧問の先生にお話を伺ったところ、やはり、芝山中学校にバスケットボール部が欲しいという強い希望を改めて確認しました。
 
聞くところによると、両小学校とも、中学にバスケットボール部がないため、正式な大会への参加を自粛しているということでした。本当は、日ごろの練習による自分たちの力を試してみたいという気持ちはあるようですが、成績を収めることにより、バスケに対する情熱が大きくなりすぎることを避けるためであるという胸が痛くなるような話もありました。
 
さらに、大会に出場していなくてもバスケットボールに対する情熱が大きい複数の児童は、芝山中学校ではなく、バスケ部のある近隣の他の中学校に進学する意向であるとも話していました。事実、芝山中学校が指定校になっているにもかかわらず、バスケ部が無いことを理由に入学先を変更する児童は毎年1人以上います。
 

このような状況であれば、児童や保護者の方々から、進学先の芝山中学校にバスケットボール部を作ってほしいという要望が出てくるのはある意味当たり前のことだと思います。最近では、児童や保護者のみならず、地域住民の方々からも、「子どもたち、少し可哀そうだよね。なんとかならないの?」というお声をいただくようになっていましたので、ある意味、芝山中学校におけるバスケ部創設という希望は、地域の声だということも言えるのです。
 
そういった声を代表する形で、本日、芝山中学校に伺ったのです。
 
しかし、当然ではありますが、学校には学校の事情があります。
部活動の新設というのは、口で言うほど簡単なことではないということがよくわかりました。
これまでには、芝山中学校の校長先生のもとにも、バスケ部を作ってほしいという声は寄せられていたということで、校長先生自身も真剣に考えてくださっていました。
 
しかし、(1)教員の人数の問題と、(2)生徒数の問題などから、なかなか難しいことだということがわかりました。
 
(1)教員の人数の問題
今、世間でも大きな話題になっている、部活動による学校現場のブラック化を防ぐため、校長先生は、1つの部活動に対して2人の先生を配置する方針を採用しています。先生が交互に部活を見るため、先生の休養やプライベートの時間を確保することができるため、私は大いに賛成です。
 
しかし、この方針を採っているがために、新たな部活動を創設するには人員が不足してしまうのです。ましてやバスケ部となれば、男女別々の部活動になります。両部(男子バスケ部と女性バスケ部)に2人ずつ配置したとして4人の教員が必要になります。現在の芝山中学校のキャパシティーではこれは不可能ということになります。
 
(2)生徒数の問題
芝山中学校の生徒数は徐々に減ってきている現状があります。
住宅用地という意味では、近隣がすでに開発されてしまっており、これから開発されるであろう場所が見当たらない現在、今後の生徒数の大幅な増加も見込めません。そうなると、生徒の人数に応じて配置される教員の数も増えませんので、現存する部活動を維持していくことだけで精いっぱいとなります。現状では、野球部には全学年をあわせても9人いないということです。このような状況で新しい部活動の創設は難しいということには頷けます。
 
校長先生とざっくばらんにお話をさせていただいて、私自身、現状のままではバスケ部の新設は難しいと感じました。
 
チャンスがあるとすれば、部活動指導員の制度が船橋市でも採用された時だと考えます。
部活動指導員とは、部活動を専門に指導し、大会などへの引率もできる非常勤職員を学校が雇用できる制度で、昨年4月に文部科学省が制度化しました。船橋市ではまだ本制度のガイドラインができあがっておらず、雇用することができませんが、国がこの方針を強力に進めている以上、近い将来、必ず普及する制度です。ちなみに、昨年の2定で、私は部活動指導員について一般質問で取り上げています。次回の定例会(平成30年3定)でも取り上げて、進捗状況を確認し、早期の制度化を求めなければなりませんね。
 
バスケ部の新設について、今すぐというわけにはいきませんが、この部活動指導員制度が整った暁には、芝山中学校にはいち早く同制度を利用していただき、教員(顧問)の人数の問題を解決していただいて、子どもたちや保護者の皆さんの希望を叶えていただきたい旨、私から校長先生にお伝えをいたしました。校長先生は真摯に受け止めてくださったものと感じております。
 
船橋市は、現在、プロバスケットボールチームの千葉ジェッツふなばしのホームタウンとして積極的に広報するととともに、シビックプライドの醸成、バスケットボールの振興を図っています。子どもたちに夢だけを持たせてしまって、それを実現する手段が無いというのは不幸なことではないでしょうか?
 
何より、芝山東小学校と西小学校の両校にはバスケ部があります。進学してもこれまでの友だちたちと一緒にバスケを続けたいという子どもたちの希望をかなえていただきたいのです。進学の際に、他の部活動を選択することは子どもたちの自由です。しかし、少なくとも選択肢は用意してあげたいというのが地域の声です。
 
学校とは一義的には子どもたちのためにある施設だと理解しています。
子どもたちのことを第一に考えた検討を、芝山中学校にはお願いさせていただきました。
 
*なお、同様の例は、吹奏楽部についても当てはまりますので、同時に検討をお願いしますという旨もお伝えいたしました。
 
2018年7月13日 船橋市議会議員 石川りょう