皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

今日のタイトルはなんだか政治学の授業のようですし、特定の政党名まだ入っております。

しかし、まず最初にお断りしておかなければなりませんことは、私は完全に無所属の市議会議員です。どの政党にも全く属しておりませんし、これから所属しようとも考えておりません。

 

ただ、政治家の端くれとさせていただいた今、広く政治学や日本の政治について勉強してみようということで、様々な本を読んでおります。今日は、最近読んだ著名な政治学者お二人の本を読んで考えたこと、妄想したことについて書いてみようと思います。

 

「お前はそんな基本的なことも知らなかったのか?」と怒られてしまうかもしれませんし、「これは政治学の授業か?」と退屈に思われてしまうかもしれませんが、自分の備忘録のためにも書いておこうと思います。

 

まずは一人目の著者の本より「自由主義と民主主義」についてです。

 

【1】「自由主義」とは何か?

そもそもは、ヨーロッパにおいて国王と貴族が戦う歴史の中で生まれてきた概念だということです。君主と貴族との間の闘争という、エリートの世界の闘争の中から生まれてきたものが、法の支配という概念であり、権力の規制という概念であり、憲法という概念だったと。つまり、自由主義とは権力を抑制する考え方だということです。なんだかイメージが違いますね。字面だけ読むと、何でも自由にすることのように思えますよね(笑)。真逆ですね。この考え方から生まれてきたものが憲法です。憲法というのは、権力者(政府)を暴走させないために縛るためのものですもんね。

 

【2】それでは「民主主義」とは何か?

簡潔に言うと、普通選挙によって正当性のある権力をつくっていくという考え方だそうです。

 

このような原則に立ち返ると、自由主義と民主主義との間には緊張関係がありますね。

一方(民主主義)は権力をつくるもの。他方(自由主義)は権力を縛るものです。

 

著者によると、現代は、世界的に見て、権力を縛る考え方である自由主義が弱まり、民主主義の考え方である選挙によって選ばれた(作られた)権力が、ポピュリズムの流れなどに乗って暴走するきらいが見えるということでした。つまり、普通選挙によって選ばれた国のトップが、本来権力を縛ったり分立しているはずの裁判所や議会を無力化させていると。アメリカ、ロシア、フィリピン、トルコや東欧諸国で顕在化し、日本もそのような流れの中にあるということが書かれていました。

 

 

それでは次に今日のテーマのもう一つである「保守本流と自民党本流」に移ります。

 

【1】「保守本流」とは?

保守本流の最大の特徴は、戦争に対する反省心が強い、軍部の独裁に対する反省心がうんと強いことだそうです。二度と戦争を起こしてはいけないと。どうして起こしたのかとたどっていくと、結局は言論の自由を封じ込めたからだと。言論の自由を確保するというのは将来のためだと、将来に一番適切な思想というのはまだ発見されていないとしても、将来必要な思想をきちんと備えることができるように言論も思想も自由にしておかなければいけない。「言論の自由は将来のために確保されるのだ」というのは、石橋湛山さんの言葉だそうです。

 

私の中では、何かイメージが違いました。

保守本流の人たちがこういう人たちだとすれば、言論の自由を侵しそうな共謀罪や特定秘密法には反対しそうな感じですよね。

 

これだけだと、革新系の政党と重なる部分がかなりありますね。

しかし、最大の違いは、保守本流の人たちは、自由経済を支持していることだと。経済における自由というものに非常にこだわっている方々だということでした。経済財政政策が非常に特異な勢力であると。

 

保守本流の源流であると言われる石橋湛山さんや鳩山一郎さんなどがご存名であれば、現代の自由経済について是非聞いてみたいです。

ハゲタカファンドなどと呼ばれる投資銀行による経済活動についてはどうお考えになるのか?

アマゾンやグーグルといったIT企業による市場の寡占についてはどうお考えになるのか?

 

【2】「自民党本流」とは何か?

*自民党本流という言葉は著者による造語です。一般的な言葉ではありません。

 

その著者によれば、源流は岸信介だということで、1955年の自由民主党結党の際に書かれた綱領にあると。つまり、自主改憲と反共姿勢が非常に強いことだということでした。安倍首相が憲法改正に触れて、よく結党以来の党是であると言っていますが、まさに安倍首相は岸信介さんのお孫さんであり、自民党本流の流れを組むわけですね。

 

その著者の方によると、現在、自民党の中では自民党本流が強いと。

保守本流が低迷した理由の一つとして、冷戦の終結によりグローバル化が進展した。ヒト・モノ・カネ・情報が国の垣根無く世界中を移動するようになり、保守本流が得意としていた国内での経済政策や財政政策が通用しなくなってきたことだと。そしてもう一つは人脈上の問題だと。ロッキード事件により、保守本流の重鎮だった田中角栄さんが逮捕されたことにより力が弱まっていき、橋本さん、小渕さんで保守本流政権は終わると。その後、加藤の乱で衰退が加速したとなっています。

 

このように考えると、保守本流と自民党本流の違いというのは、憲法に対する考え方や言論の自由に対する考え方の差なのかな?と思いました。

 

一国民として現在の自民党を見ると、安倍首相ら自民党本流が圧倒的に強くて、保守本流(宏池会や平成研究会)がとても弱いように見えます。

 

必要があれば、憲法を時代に合ったものに変えていくという考え方に、私は反対ではありません。しかし同時に、その議論を進めていくにあたっては、保守本流の大切にしている憲法を尊重する、権力を暴走させないようにするという自由主義の概念こそが、今、最も必要とされているのではないでしょうか?

 

保守本流勢力がもっと強くなって、自民党本流と緊張関係を取れるようになると良いのかななどと勝手ながら考えます。

それこそが野党の役割なのかもしれません。今、本当に必要とされている政党って、もしかしたら真の保守本流の政党なのでしょうかね?

 

そう言えば、最近、私の地元の衆議院議員でいらっしゃる前総理大臣の野田佳彦さんが、千葉民主連合という野党結集のための政治団体を設立されました。野田前総理のポリシーには、我が国における健全な二大政党制の確立というものがあるのかな~と勝手ながら推察をしております。そして、野田前総理の考え方などを聞いていますと、まさに「保守本流」なのではないかと。これは本当に私の勝手な妄想ですが、ひょっとしたら、野田前総理のビジョンは、与党内の保守本流勢力と野党の保守本流勢力の合流による保守本流政党の樹立なのではないのかな~と。

 

とにかく、国会議員になる方というのは、政治についても経済についても、世界における我が国を将来どのような方向に導いていくのかといった主張を持った方でないと務まらないと思いました。考え方や主張ではない、ある意味「思想」を持った方ではないといけないと思います。私にはまだそういう思想といったものは無く、お話になりませんということを結論にして、今日のブログを終わります。

 

2018年6月17日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ