皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
遅くなってしまいましたが、6月4日に行われました私の一般質問についてまとめました。
船橋市議会のホームページ上でも録画放送が公開されましたので、是非ご覧ください⇒こちら
 
今回は、船橋市に美術館は必要か?というテーマで質問をさせていただきました。
 
現在、船橋市は、京成船橋駅の近くに再開発事業で建設予定のビルの中に、2,000平米の広さの美術館を作ることを考えています。
 
そして、その政策判断をしなければならない時期が、早ければあと半年ほどに迫っています。
 
執行部が考える美術館設置の理由は以下の3点です。
(1)船橋ゆかりの画家である椿貞雄氏の研究と作品公開の拠点とすること。
(2)子どもたちに美術鑑賞教育を行う拠点とすること。
(3)市民によるアート活動の拠点とすること。
 
しかし、私の調査では、この美術館設置に係る費用として、
①保留床取得金(ビルの中のスペースを買うこと)に約15億円
②美術館内部の内装工事費に約1億円
③毎年の施設運営管理費等に約1億円
がかかると見積もられています。
つまり、初期投資だけで約16億円、そして、毎年1億円程度かかる可能性があります。
 
私の結論は、現在の計画に則った美術館であれば、作ることに対する市民の皆さんの理解を得られないのではないか(作らないほうが良いのではないか)というものです。
 
なぜか?
それは、船橋市の財政状況が芳しくないからです。
●平成29年度及び30年度と2年連続で、船橋市の一般会計予算の規模は縮小している。
●ピーク時(平成25年度)には約226億円あった財源調整基金(市の貯金)が、想定通りに使うと今年度末には約70億円に減ってしまう。
●このままの財政状況が続けば、平成34年度の予算編成が困難になる可能性がある。
 
このような財政状況の中で、美術館という新しい「ハコモノ」を作ることはできるでしょうか?
私はできないと考えます。
 
もちろん、美術館は作れるのならば作ったほうが良いと思います。
しかし、それができたのは、右肩上がりの成長の時代まで。今は成熟社会です。あれもこれもの時代から、あれかこれかの取捨選択の時代。富の分配の時代から、負担の分配の時代です。
 
幸い、船橋市は東京に近く、美術の鑑賞という点からは、近くに素晴らしい美術館がたくさんあります。そして、本市に美術館を作る目的である(1)椿貞雄氏の研究と作品の公開や(2)鑑賞教育、(3)市民によるアート活動の実践については、すでに市役所文化課や教育委員会をはじめとした関係者の皆さんのご尽力により、市所属作品展、ギャラリートーク、出張美術展、対話型鑑賞教室、アーティストによるワークショップなどを開催していただいております。さらに、最近では、デジタルアーカイブといって、市所蔵の作品をデジタル化してウェブ上で公開しています。美術館が無くてもできるこれらの芸術・美術活動に力を入れ、発展拡充させていくことこそ、まずは考えるべきことではないかというのが私の意見です。
 
皆さんは如何お考えになりますでしょうか?
貴重なご意見を是非お聞かせください。
 
2018年6月12日 船橋市議会議員 石川りょう