皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

今回のブログのタイトルが、たいそうな感じになってしまいましたが、私は、現在、船橋市議会市民環境経済委員会の委員です。この委員会の所管の中には船橋の農業政策も入っているので、最近、少しずつですが、農業の勉強を始めました。

 

勉強した内容をブログでまとめることによって、自分の理解が深まりますので、自分のためにも書いてみようと思っています。

今日は、土地の生産性についてです。

 

以前に、ある国会議員の方が農業について語っている記事を読んだことがあります。そこにはこう書いてありました。

「日本ほど、農業、漁業、林業に向いた国は世界でもあまりありません。農業は土と光と水と温度の産業です。日本ほど土に恵まれ、春夏秋冬、満遍なく雨や雪が降り、日光が適度に降り注ぎ、適度に温暖である国は、世界中そうあるものではない。日本の稲を中国にもっていっても同じ味ができないのは、水が違い、光が違い、土が違うからです。そこが工業製品とは違うところで、日本ほど農業に向いた国は世界でもあまりないということです。」

 

これを初めて目にしたときの私の感想は、「本当に日本って農業に適した国なのかな?農業従事者はどんどん高齢化して減っているし、何より、日本の農業は規模が小さいから競争力がないんじゃないか?」という懐疑的なものでした。

 

私がこのような感想だけを抱いてしまうように、日本の農業は誤解されている部分が大きいのではないかというのが、今回勉強してみて感じたことです。土地の生産性は国によって様々であり、日本は日本の土地の特性を活かせば、かなり競争力のある農業を目指せるのではないかと感じました。

 

農家一戸当たりの経営面積を、日本が1とすると、アメリカは75でオーストラリアは1309もあるそうです。普通に考えてしまうと、日本の平均農家規模はオーストラリアの1309分の1だから、真っ当に競争できないと思ってしまいますよね。

 

しかし、アメリカとオーストラリアを比べた場合、アメリカはオーストラリアの18分の1です。しかし、世界一の農産物輸出国はアメリカです。ここからわかることは、土地というものは全部違うということです。日本の土地と、アメリカの土地と、オーストラリアの土地は全然違う。そして、アメリカの中でも、カリフォルニアの土地とアーカンソーの土地とアラスカの土地では全く異なる。

 

日本の農地は450万ヘクタールくらいしかないそうです。一方でオーストラリアは4億ヘクタールと80倍です。しかし、この4億ヘクタールのうち、穀物や野菜、果物を作れるような土地は5000万ヘクタールしかなく、あとは草地で牛の放牧をしている。アメリカは、最も豊かなコーンベルトといわれる地帯で、トウモロコシと大豆を、家畜のえさにするために作っている。土地の適正、生産性というのは全然違うんですね。

 

たとえば、日本の北海道、東北、関東、九州のうち、農業生産額(生産量ではないですよ)が一番大きいのはどこか?という質問に対して、私などは、土地が大きいから北海道だろうと思ったのですが、実は関東が1位で、九州が2位。3位は東北、4位が北海道なのです。アメリカでも、コーンベルト地帯のアイオワやネブラスカが高そうなイメージですが、ダントツの1位はなんとカリフォルニアのようです。

 

世界第1位の農産物輸出国はアメリカだと上述しましたが、2位はどこだと思いますか?

なんと、九州ぐらいの面積しかないオランダなんです!

土地が広いオーストラリアは何位でしょうか?まさかの16位です。

なぜそうなるのか?

オーストラリアは価格の低い農産物をたくさん作っていて、オランダは、花や野菜、果物など価格の高い農産物を作って輸出しているからです。カリフォルニアもアーモンドやワインの原料になるブドウなど価格の高い農産物を作っているため、米国内で1番の農業生産額なのです。

 

日本もこういう路線を目指していけば、世界に冠たる農業大国になれるのではないだろうかと思うのです。品質の違いによって、まさに「違い」を生み出すことができるからです。ちなみに、香港でのお米の評価は、同じコシヒカリでも、日本産は1キロあたり380円、米国産は1キロ240円と、こんなに違うのです。

 

すごいですね!日本の農業に期待が持てるような気がします。

しかし、現実はなかなかそうなっていない。なぜなのか?次回のブログでは、そのあたりについて書いてみようと思います。

 

 

【余談】

ちなみに、世界最大の農産物輸入国はアメリカです。

アメリカは最大の輸出国であると同時に輸入国でもあるんですね。面白いですね。何でも自分の国で作って賄えると思いきや・・・。適材適所で作ったものを輸出し、これまた適材適所で作られたものを輸入している。これってまさに、貿易ですよね。たとえば、日本のトヨタや日産は車を輸出している。しかしその反面、日本は、ベンツやフォード、フィアットなどの外国車を輸入している。これに似てる。貿易って双方向で行われることが普通ですよね。しかし、日本は農業に関しては偏っている気がします。輸入するばかりで、ほとんど輸出が無い国は珍しいのではないでしょうか。

 

2018年4月27日 船橋市議会議員 石川りょう

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