皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

4月21日(土)に、地方議会議員フォーラム2018「議会改革の第二ステージ~議会評価を考える~」に参加してきました。

 

この研究会は、次世代の地方議会について考える勉強会でして、私はこの1年間、大変光栄なことに、可児市議会、会津若松市議会、大津市議会、飯田市議会といった、名だたる先進議会の方々と机を並べて、月に1回のペースで議会評価について勉強させていただいておりました。ああ~、楽しくて夢のような時間だった・・・(笑)。

 

21日のフォーラムは、この1年間の集大成でした。

 

今回のフォーラムに出席して、再認識したことは、北川正恭元三重県知事(私の大学院の恩師)がおっしゃっていた、「議会こそが民意の本当の代表機関である」という自負です。確かに、市長も民意の反映による選挙で選ばれた公人ですが、我々議会の議員も全員、選挙によって市民の皆さんに選ばれた人間です。その集合体である議会こそが、住民意思の反映という役割を果たさなければいけないのです。

 
そして、江藤俊昭山梨学院大学教授がおっしゃっていたことは、
①民主主義とは議論することである。民主主義の学校である議会こそ、言論・議論の府である。
②議会は、公開の場で議論をすることにより、世論を形成する役割と能力がある。
 
船橋市は、公の場における議員同士の議論が活発ではないと日々感じています。
これでは民主主義の使徒としての議員の役割が果たせていないのではないかと考えます。
 
公開の場で議論をすることにより、世論を形成する役割ということも重要で、私は、この視点から、一般質問には価値があると考えています。議会の場で、その中でも最も注目される本会議場で実施することにより、課題を抽出し、市民の目に触れることによって世論を喚起できる機能は軽んじられるべきではないと思います。
 
そして、可児市議会、会津若松市議会、大津市議会、飯田市議会から改めて学んだこと。
それは、議員間討議を活発化させ、①住民代表機能、②意思決定(議決)機能、③行政監視機能、④政策立案機能といった議会の本来の役割を果たすためには、委員会活動が重要であるということです。
 
各定例会における議案審査においては、国政政党や会派の壁に阻まれ、自由な議員間討議はできません。ハッキリ言って、これは難しいです。今までさんざん言ってきましたが、これは半ば諦めました・・・。
 
しかし、議会の閉会中審査において、市の一般事務に関するテーマで、自分たちが自由に定めたものならば、会派や政党に影響されることなく(少しは影響されると思いますが)、議員間で比較的自由に議論することができるはずです。
 
私がこの1年間、研究会で勉強してきて感じたこと。
いわゆる先進的と言われる議会に共通することは、委員会活動を起点にしていること、その中での議員間討議が活発であることが挙げられます。ここから、議会の本来果たすべき、①政策立案(提案)、②行政監視、③意思決定(議決)といった機能が正常に動き出しているという共通点があります。
 
では、どうやって委員会の所管事務調査のテーマを決めていくのか?
ヒントはたくさんあることに気づきました。
たとえば・・・
(1)委員会結成時に、委員会で市民の皆さんとの意見交換会を開く。
意見交換会という名前でなくても良いです。「市民の皆さんの声を聴く会」、「地域課題検討会」、「まちづくり懇談会」など、何でもよい。ただし、テーマは、各常任委員会の所管の範囲になります。ここで出された市民の皆さんからのご意見の中から、委員たちがその後のテーマにしたいものを合意のもとに選んでいく。それを、半年なり、1年なり、2年なりかけて委員会として調査研究し、最後に執行部に対して提言書という形でまとめる。条例という形で上程する。様々な形があると思います。
 
(2)視察に行くというのも一つの手です。
本来ならば、問題意識や調査テーマがあった上で行くことが正しいことだとは思います。しかし、視察に行くことによって得られる新たな知見や新しい課題があることも否定はできません。ただし、視察に行った後が肝心です。必ず、視察後に委員で集まって、その視察で得たものの中から委員会としての調査研究テーマを見つけるのです。ただ感想を述べあうだけではいけません。
 
(3)市内の各種団体(観光協会、漁業組合、商店会など)との意見交換会
このような団体の方が普段抱いている疑問や意見などから見出される委員会としての調査研究テーマはあるはずです。まさに議員間討議により、テーマを抽出するのです。
 
(4)議員による一般質問から得られるヒント
各定例会で、きらりと光る一般質問というのはあるものです。
良い質問が出た時には、そのテーマを、その後、所管の委員会で引き取って研究テーマにするというやり方があります。こういう活かし方ができれば、一般質問もさらに意味のあるものになります。
 
(5)執行部からの報告
執行部から報告される内容で、これは!となったもの。
一番わかりやすいので、これを例に説明します。
 
たとえば、夜間ごみの収集時間について。現状、船橋市は19時までに出さなければならないのですが、共働き世帯には厳しいので、もっと遅くしてほしいという意見が、前回の議会で多くの議員によって取り上げられました。しかし、執行部からは、委託先業者さんの人材確保が困難という理由で難しいという回答。
 
これこそ、市民環境経済委員会の格好の調査テーマになります。
この後、どう動くか?
 
たとえば、市民環境経済委員会にて、
①委託業者さんを参考人招致
本当に人材確保が大変なの?何とかできませんか?などと質問し、委託業者さんの実態を理解する。
②他市視察
夜間収集を実施している自治体では、22時以降までごみ出しを認めている自治体が多いです。これらの自治体へ視察に行き、本市で導入する想定に基づいて質問する。
③公聴会の実施
19時までのごみ出しに賛成の市民もいれば、反対の市民もいらっしゃいます。両者の意見を公平に聞きます(これが一番先かもしれませんね)。
④委員会として調査した結果を、提言書の形、あるいは、本会議における委員長の代表質問という形で、執行部に提示
委員会全体としての結論というのは非常に重みがあるというのが、先進議会の一致した経験です。一人の議員の提案が線香花火だとすれば、委員会全体の提案というのは打ち上げ花火であると(会津若松市議会議長の名言)。これを使わない手はありません。
 
これが委員会活動の理想の形です。
ここから必ず議会活動全体も活性化していくでしょう。
しかし、何が何でも忘れてはならないのが、権力の乱用はいけないということ。
確かに、委員会として、議会全体としてまとまったときには、執行部に対して大きな力になるでしょう。しかし、ここで勘違いしてはいけない、遊んではいけないのです。何のためにこの大きな力を使うのか?それは、あくまで「市民福祉の向上のため」です。この大義のためということを忘れてはいけない。このことのためだけに、我々議会はあるのだと思います。
 
2018年4月25日 船橋市議会議員 石川りょう