皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

一昨日、速報ということで、Twitterにて、平成30年4月1日現在での、船橋市の保育所等待機児童数をお知らせいたしました。しかし、市基準の待機児童数しか記載しておらず、これでは偏ったお知らせになってしまう可能性を危惧し、国基準も含めた待機児童数をお知らせさせて頂きます。

 

国基準待機児童数 
 平成30年4月1日現在  95人
 平成29年4月1日現在  81人
市基準待機児童数
 平成30年4月1日現在 462人
 平成29年4月1日現在 379人

 
市基準と国基準で、人数に大きな開きがあります。
そもそも市基準と国基準とは一体何なのか?ということがわからないと、この謎は解明できません。私自身も、理解するのに苦労しましたが、私なりに解説させていただきたいと思います。
 
1.まず、待機児童数という言葉の意味は、なんとなくわかりますよね。子どもを保育所等(保育園、認定こども園、家庭的保育、小規模保育等)に入れたい保護者たちが、市に対して「うちの子を入れたい」と申請をするわけです。それに対して、「不認可」という返事が送られてきた家庭の子どもたちの数ですよね。

 

2.でも、この不認可という返事が送られてきた家庭の子どもたち全てを待機児童とすることには不都合があるのです。例えば、

①船橋市の保育所に入りたいけど、住所は市外の児童。この児童をもって、船橋市の待機児童とはしないですよね?

②すでにどこかの保育所には入っているのですが、別の園へ転園したい児童。希望通りではないとはいえ、別の保育所には入れているので、待機とは言えない。

③認証保育所利用者。認可保育所が第1希望だったとしても、認証保育所には入れている人は待機児童とはしない。

*他にも要件はありますが、わかりやすい3つを例示いたしました。

 

「不認可」通知を出さざるを得なかった全ての待機児童から、上記①~③(プラスその他の要件)の児童を引いた数(462人)が、船橋市の定める「市基準の待機児童」になります。自治体によって、この基準は異なるため、他市の「市基準の待機児童数」と船橋の市基準の待機児童数は比較ができません。あくまで、船橋市の基準は船橋市のみの基準です。

 

3.それでは、国基準の待機児童数とは何か?簡潔に述べると、船橋市の基準の待機児童数から、以下の児童数を引いた数になります。

 

①近くに利用可能な保育所等があるのに、特定の保育所等を希望している家庭の児童数。別の保育所には空きがあって入れるのに、特定の保育所だけを希望して、そこがダメだったからといって入らない。これを待機児童とカウントするのは酷だろうというのが国の考えです。

②育児休業中の場合や求職活動中の場合。育休中でも、求職活動中でも、保育所等への申請はできるのです(加点は低くなってしまいますが)。しかし、申請時には、育休終了後に働く意思があったとしても、不認定時に確認したところ、育児休業から復職する意思がない場合や、申請時には求職活動中だった場合でも、不認定時には求職活動をしていない場合などは、自分で子どもを見られる状態にあるわけです。なので、この状態の子どもたちの場合には、待機児童とはカウントしないようにしようというのが国の考えです。

 

 

要するに、国基準の方が、ある意味、シビアに待機児童を判定しているのです。船橋市の待機児童は、国基準だと95人、市基準だと462人。この差異の多くは、3-①で述べた「近くに利用可能な保育所等があるのに、特定の保育所等を希望している家庭の児童数」が多いことを意味していると言えるでしょう。

 
そのあたりをどのように考えるのかは、人それぞれだと思います。
船橋市が市基準を独自に定めているということは、各家庭が希望する保育所になるべく入れてあげることを大きな目標にしているためだと言えるでしょう。しかし、国基準は全国一律ですので、全国の市町村の待機児童数を同じ物差しで比較できるのは、あくまでこちらの基準になります。

 

どちらにせよ、船橋市には、今年も待機児童が出てしまったという事実だけは変わりません。

 

2018年4月13日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ