皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

2月27日(火)に行われた私の質問の二問目についてです。

「公共の喫煙スペースの設置について」

 

【石川質問①】

 喫煙に関するテーマは、今の時代にあっては、国論を二分する話題であります。私は、先日、駅前に公共の喫煙スペースを設置している浦安市を視察させていただいたのですが、その後、その内容をブログに綴ったところ、ハガキ、手紙、メール、電話、SNSへのコメントなどを含め、約40人の方から反響をいただきました。このうち6割強が公共の喫煙スペースの設置に反対というご意見であり、中には過激な言葉で私をののしる類のものもありました。はっきり申し上げて、私はこれまでの人生で一度もたばこを吸ったことがありません。さらに、副流煙で喘息が悪化し、寝られずに苦しんだ夜もありましたし、お気に入りの服につくたばこの臭いに怒りを感じるタイプの人間でもあります。なぜ、私がこのような目に合わなければならないのだろうという思いを抱きつつ、正直、このテーマを扱うことへの恐怖心はあるのですが、勇気を振り絞って質問させていただきます。

平成16年に、本市は、路上喫煙及びポイ捨て防止条例を施行しており、船橋駅周辺と西船橋駅周辺を重点区域に設定し、ここでの路上喫煙とポイ捨てに対して過料まで設定して禁止しようとしています。私の基本的な立場を申し上げます。行政が路上喫煙とポイ捨てを禁じるのであれば、喫煙スペースを確保するのもまた行政の責務であると考えています。船橋市は、これまでに、船橋駅前の公共の喫煙スペース設置を検討したことがあると聞いていますが、まず、その経緯と結論を伺います。

 

環境部長答弁①】

 平成22年度に、JR船橋駅周辺における設置について検討を行った経緯があります。その際、受動喫煙防止の観点から、個室型、密閉型の喫煙所の設置について検討を行いました。

まず、JR船橋駅南口及び北口のペデストリアンデッキへ設置することを検討しましたが、その際に、設置を想定していた個室型喫煙室の総重量が、南北いずれのペデストリアンデッキにおいても耐荷重を超える構造上の問題などもあり、設置には至りませんでした。

また、同年度におきまして、現在、市のインフォメーションセンターとして利用されている、船橋駅南口再開発事業用地の利用方法について検討を行いましたが、結果として喫煙所の設置には至りませんでした。

 

【石川質問②】  

 2度とも個室型・密閉型の喫煙所の設置を検討したわけですね。確かに、喫煙所を設置するにあたり、個室型・密閉型がベストな選択であることは疑いようがありません。しかし、これが叶わないとなるとベターな選択を考えなければなりません。その一つが、配布資料の①と②にお示ししたようなパーテーション型の喫煙所になります。先ほど述べたように、私はこのパーテーション付きの喫煙所の実態を調査するために浦安市へ伺ったのですが、歩行者から離れたスペースに確保できる場合には、クレームも少なく、喫煙者のマナーの向上にもつながっていて効果的であるという聞き取り結果を得ました。

 船橋駅周辺と西船橋駅周辺の重点区域の道路及び歩道は、そのほとんどが船橋市の管理する道路となっています。公共の喫煙スペースを設置する場合、本市の管理する道路上になると思いますが、市の施策として、パーテーション付きの喫煙所を道路上に設置することは、道路法上可能なのでしょうか?

 

【環境部長回答②】

道路以外に設置する場所がなく、また、広く市民の理解が得られた、公共性の高い施設であれば、道路の交通上、構造上、支障にならない範囲で設置することは、やむを得ないものと考えており、その場合は占用許可の対象となります。

 

【石川質問③】

広く市民の理解を得るというところに課題はありますが、法的には可能だということで理解をいたしました。実際に、浦安市をはじめ、県内でも、松戸市や流山市、成田市、君津市、市原市などがパーテーション付き喫煙所を駅前に設置しています。6月には海浜幕張駅前にも設置されるそうです。東京23区でも、駅前に現在でもどんどん設置しています。あとは船橋市として、やるかやらないかの行政判断に委ねられるのだと思います。

パーテーション付きの喫煙所の効果ですが、配布資料③と④にお示ししたものはJTによるシミュレーション結果です。屋内での実験にはなるのですが、高さ1.8mのパーテーションに、毎秒0.3mの微風と2.0mの強風を吹きかけて検証した結果、どちらの場合にも、たばこの煙は60cm上に上がり、そこから降りることなく舞い上がっていくという結果が示されています。JR船橋法典駅近くのたばこを売っている文房具屋さんが、民地に設置した灰皿の周りにパーテーションを設置した結果、それまではたくさん寄せられていた苦情が、今では来なくなったという話も聞いております。

 昨年の3定にて先番議員も指摘されていた点ですが、JTさんと協働喫煙所を設置するというスキームがあります。この場合、設置にかかる費用は、船橋駅と西船橋駅であれば、JTさんが全額負担をしてくださるという言説もうかがっています。設置した後の清掃などの管理費用は船橋市の負担になると聞いておりますが、本市が船橋駅前と西船橋駅前もその契約に含んで委託している「駅前等清掃業務」といった現存する委託業務も、別途予算が必要にはなりますが、利用可能だと伺っております。やろうと思えばできるのです。

 話は少し変わりますが、本市は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、インバウンドの誘致にも積極的に取り組むんですよね?欧米では、屋内の喫煙は全面的に禁止されている国が多いのですが、その代わり、屋外には公共の喫煙スペースがいたる所に設置されている国が多いこともまた事実です。このままだと、せっかく船橋に来てくださった外国人観光客も戸惑うのではないでしょうか?現在、市は、問い合わせがあった場合に、駅の近くで民間が設置している喫煙スペースを案内しているそうですが、行政が禁止しておいて、喫煙スペースだけは民間に依存しているというのはいかがなものでしょうか?年々減少傾向とはいえ、平成30年度においても約35億円ものたばこ税をいただいている本市として、このような姿勢でいいのだろうか?というのが私の感想です。

 これまでの議論を通じて、最後に改めてお伺いいたしますが、行政が路上喫煙とポイ捨てを禁じるのであれば、喫煙スペースを確保するのもまた行政の責務と考えますが如何でしょうか?こちらは環境部長にお尋ねします。

 また、これまで縷々述べてきた点ではありますが、たばこの問題には、路上喫煙とポイ捨て防止の観点、喫煙場所の確保の問題、インバウンドの観点、受動喫煙など健康被害に関する問題など、課題は様々な部署にまたがっています。たばこ税の観点からも、これが市の重要財源となっている中で、船橋市全体として、今後、この問題にどのように取り組んでいかれるおつもりなのかを企画財政部長にお伺いいたします。

 

【環境部長回答③】

 「船橋市路上喫煙及びポイ捨て防止条例」におきまして、JR船橋駅周辺とJR西船橋駅周辺の2区域を重点区域と定め、その区域内における路上喫煙を禁止し、その違反者に過料を科すこととしております。また、その他市内全域の公共の場所におきましても喫煙をしないよう努めなければならないと定めております。

条例の制定当初におきましては、喫煙所の設置を想定しておりませんでしたが、喫煙所の設置により喫煙者を誘導することは、路上喫煙及びポイ捨て防止にも有効であると考えられることから、今後、適した場所が確保された場合につきましては、設置について検討を行ってまいりたいと考えております。

 

【企画財政部長答弁④】

 たばこに関して、市が取り組むべき課題は議員ご指摘のとおり、路上喫煙・ポイ捨て対策、受動喫煙による健康被害対策に加え、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けた外国人観光客を呼び込むインバウンドに関する施策など多肢にわたるものでございます。

市たばこ税は、平成30年度予算で35億5400万円となっている大切な一般財源ですが、都市計画税や入湯税のように使途が限定される目的税ではございません。

たばこを購入する喫煙者が税を負担しているということを考慮し、喫煙者・非喫煙者ともに有益な事業が構築され、税が有効活用されるよう各部局からの要望を調整し、税が有効活用されるよう努めてまいります。

 
2018年3月1日 船橋市議会議員 石川りょう