皆さん、おはようございます。
船橋市議会議員の石川りょうです。

3月18日~24日まで開催されていた船橋市議会予算特別委員会の録画放映が船橋市議会のホームページにアップされました。議会事務局の皆さんの素早いご対応に感謝いたします。

予算特別委員会の開催各日の映像が切れ目なく流されているので、非常に長いですし、どこで私が発言しているのかわからず、探すことが難しいと思います・・・(一応、私の所属する会派の広報委員を通じて、録画放映にキャプチャーやタイトルを設定してほしいという要望を挙げさせていただいておりますがまだ実現しておりません)。

予算特別委員会における一つのヤマとして、最終日の「討論」があります。今回の予算全体に対する会派の意見を述べる場です。私の所属する会派「新成」の意見を、今回は私が作成し、発表させていただきました。その討論の様子を放映した映像がこちらになります。この映像の「1時間4分(1:04:00)」のあたりから私の発言が始まりますので、是非ご覧になってください。

あとは、少々長いのですが、発言内容を以下に掲載させていただきます。ご一読いただければ幸甚です。

船橋市議会平成28年第1回定例会 予算特別委員会 3月24日(4日目) 討論 石川りょう

 原案賛成の立場から討論させていただきますが、主要な費目について意見を述べさせていただきます。

 

まず総務費についてですが、まずは来年度予算案に、空家等対策実態調査業務委託が計上されていることを評価します。今月3日に東京都葛飾区にて、所有者が特定されている空き家への行政代執行が全国に先駆けて行われました。このような動きを皮切りに、今後、全国の自治体で空き家に対する同様の措置がなされていくことと推察されます。本市でも、空き家の対策を総合的かつ計画的に実施するために、実態調査を実施していただき、その後に控える「船橋市空家等対策計画」に適切につなげていっていただきたいと考えます。

次に防災行政に関してですが、来年度予算案において、排水栓活用初期消火機材の貸与や防災士資格取得費補助金、災害救援ボランティア講座受講費補助金といった施策が打たれていることを評価したいと思います。これらの施策は、地域住民の皆さんと共に、市民協働で船橋市の防災を担っていこうという市政の態度の表れであり、まさに、目指すまちの姿にある「災害に強い地域社会づくり」のための一助となるものだと考えています。

市民協働といえば、来年度は市民協働の指針の改定を始める年です。本指針の改定について、当会派は、その内容を注視していく所存でありますことを申し添えておきます。

また、来年度は、平成11310日締結の「東葉高速鉄道の再建に関する確認書」に基づく、株式会社東葉高速鉄道に対する第2次支援の最終年度です。今回の予算特別委員会における執行部からのご答弁の中では、現時点でのさらなる出資は考えていないとのことでしたが、当確認書の中には、平成29年度以降、設備投資が多額となる場合においては、その時点における会社の経営状況を見極めながら、出融資等必要な措置を講ずるとなっておりますので、各関係団体との協議の場がもたれることと思います。それらの経過や、都度都度での本市の考え方など、議会及び委員会に適切にご報告いただけるようお願いをさせていただきます。

 

次に民生費です。まず、子育て施策に関してですが、保育施設への待機児童数が全国ワースト2位となってしまった現状を解決すべく昨年策定された「待機児童解消緊急アクションプラン」に基づいて、市としてこの問題を解決しようと懸命に取り組まれている姿勢は評価いたします。しかし、現時点での待機児童数は、市の基準で2000人を超えてしまっています。本アクションプランは平成27年度28年度の2ヵ年において2,000人の保育枠を確保しようとするものですので、当会派としては、来年度末に向けた経過とその結果を注視しております。

放課後ルームに関してですが、来年度予算においてその定員拡大を図るために増設工事を行うことに関しては評価いたします。しかし、いまだに定員枠が足りず、待機者を出してしまっているルームがあることも念頭においていただき、さらなる定員枠の拡大に向けて一層の努力をお願いいたします。また、例年、ルームへの入所受付の時期になると、その選定方法の公正性を巡って、市民の皆さんからたくさんの声が寄せられることを付言しておきます。現在の制度は、朝晩や夜勤といった多様な働き方をされている子育て世帯の方々にとって入所のハードルが高い入所要件となってしまっていることを指摘させていただきます。船橋市のような都市部では、様々な働き方をされている方が多くいらっしゃいます。それらの方々にとっても不利の無い公正な制度の再検討を強く望みます。

次に高齢者施策ですが、来年度はまさに「地域包括ケアシステム」の確立に向けた大切な年だと考えます。まだまだ地域包括ケアシステムそのものに対する理解は進んでおりません。そのような中にあって、地域包括ケアシステム推進費ということで、同システムの周知・啓発を図るための積極的な施策を実施することを評価いたします。

本システムが目指す「住み慣れた地域で最後まで暮らせるようにする」という理念には大いに共感するところではございますが、現実として、介護施設への入所を選択する方々も大勢いらっしゃいます。船橋市においても特別養護老人ホームの待機者は432人いらっしゃいます。この人数を額面どおり受け止めることが適切でないことも理解いたしますが、老人福祉施設整備費等補助金などを活用して整備される老人福祉施設の定員数の拡大、そして、本当に必要な待機者の方々の人数の推移など、当会派として注視していることを申し添えて起きます。

今回の予算案の中では、三番瀬環境学習館、運動公園内の市民プール、海老川上流地域の開発など、船橋市の魅力を高めるための大きな政策がたくさん出てきておりますが、船橋の魅力を高めるために最も効果的な政策は、子育て政策と高齢者政策だと考えます。保育施設にも介護施設にも待機無く入れる。そのような自治体の魅力は、プールや学習館のある自治体の魅力よりも高いのではないでしょうか。

 

衛生費に関しまして、予算案では、来年度に医療センターの建て替え検討にかかる基本構想を策定するための予算が計上されています。本構想の中で、新しい医療センターの場所も決めていくと聞いております。今次市政執行方針において、医療センターを海老川上流地区に移設し、医療・福祉機能をまちの中核とする「メディカルタウン」をつくるという決意が述べられていますので、おそらく、本構想の中で、新しい移転先の大きな候補として海老川上流地区を検討することになると推察するのですが、その他の地域もしっかりと検討していただくことを要望いたします。海老川上流地区に新しい医療センターができたとしても、公共交通機関はバスしかありません。現在の医療センターの位置についても、多くの市民の皆さんから通院の不便さが訴えられています。今議会において大いに話題となっているこの地区への新駅設置が実現するのであれば話はわかるのですが、それが確定していない段階においては、市民の利便性を考えた他の立地の可能性も検討していただきたいと思います。

次に、公衆浴場確保対策費に関連して意見を述べさせていただきます。本対策費の内容についての意見ではありません。今回の質疑から明らかになったのは、国の大枠の法律があるから、それにしたがってただ粛々と事業を継続しているという市の消極的な姿勢でした。毎年約1,500万円という税金を投入して行っている事業なのですから、「後継者不足で・・・」、「時代の要請が無くて・・・」といった理由で、事業者数の減少という事象を観察するだけでなく、続けるという政策判断をしている以上は、この流れを止めるべく、より積極的に事業を運営して言っていただきたいと思います。きっと、本対策費だけではなく、国の法律があるからという理由だけで、消極的に続けられてしまっている施策はあると思います。これらの事業を洗い出して、継続するのであればより積極的な施策にしていけるような方法を考えて言っていただきたいと思います。

 

土木費に関しまして、来年度「海老川上流地域づくり促進費」が計上され、海老川上流地区について、まちづくりのコンセプト等の検討を行い、土地区画整理事業の概略事業計画を策定するとされています。本市の中心部に位置する好立地にもかかわらず、耕作放棄地が増え、住宅等の無計画なスプロール化が進む同地区に対して、本市が将来のビジョンを明確に提案したことを大いに評価いたします。しかし、当該地区の区画整理事業については長年滞っていた歴史的背景など、難しい要因がたくさんあるものと推察いたします。組合の方々、地権者の方々、地元の方々など様々なステークホルダーを含めて、丁寧に議論をしていただき、土地区画整理事業を含め、他の地域づくりの手法も今後熟慮していただき、円滑にまちづくりを進めていっていただけるようご努力をお願いいたします。

 

教育費に関しましては、図書館の指定管理者制度導入に関してです。率直に申し上げて、今回の執行部からの提案は唐突に過ぎました。図書館という市民に身近な重要施設への指定管理者制度の導入という非常に重大な案件にもかかわらず、議会には非常に限られた時間の中でしか検討する余地がありませんでした。人材配置やレファレンス機能及び選書の充実など、図書館サービス拡充のためにいち早く同制度を導入したいという執行部の考えに対しては理解できる面もあります。しかし、民主主義社会においては、関係者への丁寧な説明や理解を得るための努力といった手続きが非常に重要だと考えます。民主主義には時間がかかるのです。この手続きを端折ってしまった今回の提案に関しましては、議会もそうですが、船橋市民の皆さんにとってもあまりにも唐突な提案となります。29日の採決の日に議会がどのような判断を下すのかはわかりませんが、16日の文教委員会では可決されました。仮に議会がこの流れを受けたとして、本市図書館への指定管理者制度の導入が決定されたとなれば、本件に対する市民の方々の意見表明の機会は無かったことになります。もちろん、無条件で本件に賛成という市民の方々もいらっしゃると思います。しかし同時に、反対という人もいらっしゃる。意見や要望を述べたかったという市民もいらっしゃる。これら様々な市民の皆さんの意見や要望を、市としてしっかりと聞く機会を作る手続きを踏むことがベストだったと考えます。しかし、仮に本件が議会を通ったとした際にベターな手続きとして、市民アンケートや図書館利用者へのアンケートなど、指定管理者選定前にユーザーである市民の皆さんの意見やニーズ、要望などを受け付ける機会を作ることがあると考えます。ここで集まった意見や要望を、指定管理者に求める図書館運営方針の一つの条件にする、あるいは、図書館指定管理者選定委員会が指定管理者を選定する際の一つの基準にする。今回の議案の進め方について非をお認めになるのであれば、せめてそのようにすることで、市民の皆さんの理解及び納得を得る努力をされるべきと考えます。


2016年3月26日 船橋市議会議員 石川りょう
石川りょう公式ホームページ