皆さん、おはようございます!
だいぶご無沙汰しておりました。前回のブログ更新から2週間以上も経ってしまいました。

その間に、大学院の入学式が終わり、いよいよ授業も本格的に始まりました!今日は、毎週木曜日に履修しているゼミナール「地域政策演習」内で、江上教授、斎藤さんと私の3人で語り合った授業の内容を書いてみたいと思っています。題して「今の世の中、経済がすべて??」です。


日本では、投票率の低下が叫ばれて、国民の政治への無関心が「危機」として問題になっていますが、これはなにも日本だけに限ったことではないみたいです。途上国では投票率は依然として高いところが多いものの、欧米などの先進国でも投票率が下がっており、全世界的に政治への無関心が広がりつつあるようです。

なんででしょうか?

理由の一つに、一人ひとりの国民(市民)の「諦め」の気持ちがあるのではないでしょうか?「どうせ、自分の一票では何もかわらない。」こういう気持ちが世界的に蔓延しているのではないでしょうか?政治は、一部の政治家やお金持ちの意思しか反映されない。そう思ったことはありませんか?

「政治が経済に隷属している」

世界中のどの為政者の政策も、密接に経済に関わっていますね。安倍総理大臣の目玉政策も「アベノミクス」、米国のオバマ大統領も輸出倍増計画の経済政策、再選を果たしたドイツのメルケル首相も、緊縮財政からいよいよ成長戦略へ・・・。枚挙に暇はありません。政治=経済政策になってきているのです。経済で成功しないと、政権はもたないのです。まさしく経済至上主義。

あまりにも国民の感覚からかけ離れてしまったところ、手を出せないところで「経済を中心に」政治はまわってしまっているように思います。これでは、国民の政治への関心を高めろといっても無理があるのかもしれません。「自分の国をもうかるようにしてくれよ」とか「自分たちの暮らしをよくしてくださいね」というお願い(希望)だけになり、国民の政治参加などとはますますかけ離れ、いっそう「人(政治家や官僚)任せ」の政治になってしまうのかなと思います。

そうなると、政治は、経済成長率を上げて目に見える実績を作ること、GDPの数字を上げることなどに奔走するようになるので、そこにつながりやすい企業への(特に大企業)支援につながる。そのようにして生まれてきた発想が、TPPへの参加、円安導入のための量的緩和、法人減税の引き下げ論議、復興特別法人税の1年前倒しの廃止などなのではないでしょうか。


世界の貧富の格差は、これからますます広がっていくんだろうな~と感じます。

日本には、かつて(かろうじて今でも?)、たくさんの中流階級がいました。国民の大半がミドルクラス(一億総中流)という世界でも稀有な状況を作り出すことができた国だと思います。

しかし、この状態も、近い将来には崩壊し、一部の大金持ちとたくさんのそうでない人たちに差が広がっていくのかな?中流と言われた層が、今よりもっともっと減ってしまうのかな?人生を幸せだと言える人が少なくなってしまうのかな?と思うのです。


ゼミでこの話をしていて、自分が青年海外協力隊のときに感じたことを思い出しました。

大学を卒業したばかりの私は、「世界の不平等を解決するんだ!」と意気込んで、国際協力の世界に飛び出しました。

しかし、ケニアの貧困農村地域で、私が必死で取り組んでいたこと。それは、商品作物の栽培と売買、家畜の販売、淡水魚の養殖と販売、ハンディクラフトの生産と販路開拓、自転車タクシーの操業・・・、全て「お金稼ぎ」につながることだったのです!

これに気付いたときに愕然としたときのことをハッキリと覚えています。
自分は、途上国と先進国の格差をを改善しようと思って国際協力の世界に飛び込んだのに、やっていることはお金稼ぎ。ケニアの農村の人々を資本主義の土俵にのせること。さらに格差を作り出す土壌に加担しているのではないか?自分は資本主義の使徒(急先鋒)ではないか?

その頃の私の頭の中を、現実を知らない「お花畑」だったと揶揄されたこともあります。

しかし、私はやはり、その頃のような「お花畑」の頭も大切にしたい。


私の中では、政治とは「困っている人を助けること」なのです。


もちろん、ただ「甘やかす」ということではありません。「優しさ」と「甘やかし」は大違いです。その中で、困っている人を自立させるためにも、その人たちの、そして日本全国の経済対策が必要になることも必ずあると思います。そして私も、お金はとても大事だと思います。

しかし、経済だけがすべてではない。

経済成長だけが、お金を稼ぐことだけが、「幸せ」ではないこともまた事実であると信じています。

「幸せ」の形は人それぞれですし、定義は難しいです。しかし、私は、「生きがい」とか「人とのつながり」とか、そういった側面も一つの「幸せ」の形だと思うのです。

そういった側面に、政治がどのようにアプローチしていけるか。これが私のミッションだと思っています。

2013年9月27日 石川亮(いしかわりょう)