2013721日の参議院選挙の投票率は52.61%で、戦後3番目の低さだったそうです…。有権者の半分くらいしか選挙に行っていないということです。なぜ選挙に行かないのでしょうか。せっかくの日曜日だから遊びたい、休みたい。投票しても変わらない。そのような気持もあるのだと思います。民主主義って大丈夫だろうか?これが本当に理想の政治体制なのだろうか?と疑ってしまいそうです。

 

さてさて、今回の選挙での自民党と公明党の圧勝を受けて、現在、野党(主に、民主党、みんなの党、日本維新の会、生活の党)間で再編を画策する動きが広がっているようです。

 

しかし、私は、この動きには何となく違和感を感じるのです。確かに、議院内閣制(与党・野党の形成を制度の必然としている)を採用している我が国において、野党の存在が重要であることは理解します。しかし、ただ巨大になった自公連立政権に対抗するためだけに、似通ったところだけを抽出して無理やりくっつけるという政党の形成の仕方ではダメだと思うのです。

 

みんなの党の渡辺喜美代表などは「単なる数合わせの野党再編は行うべきではない」とおっしゃっていますが、全体的に見ると、野党側は焦っていて、この単なる数合わせの再編が進みつつあるように見えます。

 

本当は、誰かが「私は、こういう日本の進むべき将来像を描いたんだけど、これこれこうやって実現しようと考えているんだ。誰か一緒にやらない?」と言ってビジョンを示し、一緒にやりたい人を募って政党を作るというのがシンプルだし、本来の順序はこうあるべきなのだと思います。

 

しかし現実は、人が集まってからビジョンを考えてしまっている。(自公政権に対抗するために)少しの共通項だけを抽出して無理やり連合しようとしてしまっているように見えるのです。

 

最近、日本維新の会の橋本徹共同代表が、「新たな野党を作ることが政治家の使命だ」とおっしゃっていました。しかし、私は「新たなイデオロギー、または、将来の日本が進むべき方向(ビジョン)を作ることが政治家の使命」だと思うのです。

 

賛成か反対かは別として、橋本徹・日本維新の会共同代表や渡辺喜美・みんなの党代表は、結党する際に、最初にビジョンを示したと思います。そのビジョンが変わらないのであれば、そのまま突進むべきだと思います。共産党も、社民党も、緑の党も、それぞれに明確なビジョン、イデオロギーがあります。そのままいけばいいと思うのです。ビジョンがあれば、そのビジョンに説得力や魅力があれば、人はついてくるものだと思います。ついてこないビジョンであれば、残念ながら取るに足らないものだったということです。あるいは、ビジョンを作った人の人格や評判などに問題がある。この点で迎合する政党であれば、そのビジョンは思い入れの無い張り子であったということです。

第21章(下)に続く。 

2013724日 石川亮(いしかわ りょう)