皆さん、ご無沙汰しております。先週からパソコンの調子が悪く、更新が滞ってしまっていました。代わりにiPadで書こうとチャレンジしたのですが、なぜかiPadではアメーバブログ、書けなくないですか?タイトルまでは書けるのに、本文が書けないのです。本文の枠内をタッチしても、キーパッドが起動しない…。これは一体???という感じでした。

 

それはさておき、今日は、一昨日の朝日新聞「限界にっぽん 第3部 超国家企業と雇用8 グローバル化は、現地化」を読んだ上での、日本の人口減少と今後の日本人像について考えてみました。まだ具体的に練れていない箇所は多々ありますが(そんなに簡単に解決策や具体的な方針がわかれば誰も苦労しないですもんね…)、ご意見やご感想があればご教示いただければ幸甚です。「あなたのブログは長い」という貴重なご意見をいただきましたので、なるべく適正な(?)長さに分けてお伝えしたいと思いますので、今回の記事は(上)と(下)に分けてアップさせていただきます。(下)は明後日アップします。

 

今回の「限界にっぽん」では、一言で言いますと、日本の大企業とそれを取り巻く中小企業も集団で海外(アジア)に移転する脱日本が加速化しており、このままでは日本国内は根こそぎ空洞化する心配があるという趣旨が論じられています。その例としてパナソニックは、これまで国内外の工場で使う部品や材料を事業部ごとにばらばらに仕入れていたところを、シンガポールを拠点とした「グローバル調達本部」が一括して調達管理する方法を取り入れたことにより、現在では約5割という海外調達比率を今後さらに引き上げていくといいます。パナソニックの担当者の発言として「国内の下請けメーカーの仕事は減るが、そうしないとパナソニック自体が海外のライバル企業との競争に生き残れない」ということです。日産の例では、生産現場の大規模な海外移転が進行している状況を報告しています。タイの広大な現地工場では、すでに人気車種「マーチ」につかう部品の9割以上は現地企業から仕入れており、すでにタイから日本をはじめとした他のアジア諸国に輸出しているとのことです。タイ日産の副社長の話として、「生産のグローバル化を徹底するには結局、ローカル化。いずれ日本からもらう部品は無くなる」とのことです。中小企業の例では、これまたタイを例に挙げていますが、同国に進出する日本企業約7千社の多くが下請け企業であり、工場で働く労働者の9割以上はタイ人ということです。

 

この流れはもはや止めようがないというのが私の意見です。止めようがないというのは正確な言い方ではなく、「自然の理(ことわり)」とでも言いましょうか。新技術の生産方法が確立(マニュアル化)されさえすれば、あとは労働力が豊富で生産コストの安い国や地域に移っていくものです。そうでなければ会社は競争力を失いますし、稼げません。かつて(戦後)の日本もそうだったのです。製造業を中心に高度経済成長を成し遂げましたが、それは地方から都会への人口の大移動による豊富な労働力と、安い賃金によって可能だったのです。そして、時代の要請(工場でたくさんの労働力が必要)に適合する形でベビーブームが起こり、日本の人口は急増したのです。

 

しかし、もはや日本はそんな時代ではありません。製造業の拠点はすでに、日本から中国、そして東南アジアにまで移行しています。東南アジアの後にはまた新しいフロンティアが出現するでしょう。すでにインド、パキスタン、バングラデッシュ等の南アジアが台頭する気配もあります。その後は中南米、アフリカだと思います。過去(の製造業)を念頭に置いた「ものづくり大国 日本」の復活という幻想であれば脱却したほうがいいと私は考えます。製造業はたくさんの労働人口を雇用できる産業です。その産業の製造拠点が時代の流れにより国外に移り、さらには、電子化・機械化・マニュアル化等の技術革新により一層効率化され、さらに人手は要らなくなる。雇用が減るのですから、それに応じて日本の人口は減り続けると思います。

 

日本の人口が減り続けることは問題なのでしょうか?私はそうは思いません。今、日本は人口減少、少子高齢化の危機が叫ばれています。確かに、短期的に見れば大問題です。なぜなら、年金問題や医療、社会福祉等の問題があるからです。人口が多かった時代の人々がリタイアされ、年金生活に入っていく。それを人口が少なくなっていく世代の人々が少人数で支えなければいけなくなっている。医療も社会福祉も同様です。これは確かに大問題です。現在の第1次ベビーブーマーの方々と、現在37~40歳の第2次ベビーブーマーの方々を支える時代は大変です(右を解決するためには近い将来、現状の年金制度や社会福祉制度を抜本的に変更しなければならないと考えますが、この話はまた別の機会に)。しかし、ある意味、現在の日本は、将来の適正人口規模にアジャスト(適合)されていく過渡期にあるのだと思います。現在及び将来の日本の産業構造、そして、経済・社会的に世帯が子どもを育てられる人数等の要素を考慮すると、現在の日本の総人口である1億2,779万人(平成23年10月1日現在 統計局)は多すぎるのだと思います。どれくらいの人数が適正規模なのかはわかりませんが、この人数ならば育てていける、日本の産業が雇用できるという規模の人数に適合されていくのだと考えます。したがって、「人口が減っているのだからまた増やさないと!」と短絡的に考えるのは時代の要請とはかけ離れているものと思います。もちろん、子どもが欲しいと思っている世帯には支援をするべきですし、私個人的には、日本の人口はなるべく多くあってほしいと希望していますので、少子化対策や不妊治療支援等には積極的に取り組みたいと思っています。ただ、生まれてくる子どもたちを満足に養うことができない、その雇用の受け皿も無いのに、無責任に「産めよ増やせよ」という政策には反対です。

 

課題は、「適正規模になった日本人をどうしていくのか?どういう人材にしていくのか?国民は100年後どうやって食べていくのか?」を考えていくことです。これを考えて実現していくのが政治家の役割であり、国民の責務でもあると考えるのです。私は「教育」が非常に重要になってくると考えます。これまでの、製造業の労働者を念頭に置いた「全員を世界の平均以上の学力に上げていくという均一的な指導要綱に基づいた教育」だけでは通用しないと思います。

次回(下)は、また明後日です。よろしくお願いします。

2013年6月19日(水)石川亮(いしかわ りょう)