ペットボトル入りお茶飲料の代表格である伊藤園の「お~いお茶」。1990年に緑茶としては世界初で初めてペットボトル入りのものを発売して以来、ペットボトルのお茶はすっかり私たちの身近な存在になりました。

その「お~いお茶」、ボトルが順次リサイクル原料100%のものに置きかわってきているのを知っていますか。私はつい最近、偶然ほうじ茶を買って知りました(環境系ブログをやっているのにも関わらず)。

伊藤園のニュースリリースによると、同社では2019年より「お~いお茶」ブランドのペットボトルを順次リサイクル原料由来のものへ切り替えを進めており、2025年にはすべての「お~いお茶」がリサイクル原料100%のペットボトルで販売される計画だそう。その名も「エコハピボトル」。エコロジーでハッピー。


食品産業新聞のWeb記事によると、リサイクルペットボトルは新たに石油由来資源を使ってつくられるバージンペットボトルと比較して、約60%の二酸化炭素排出量の削減が期待できるとのこと。

ごみの減量による環境負荷削減だけでなく、限りある資源の有効活用や資源・エネルギーの自給自足体制の確立のためにも、「お~いお茶」だけでなく他の商品への広がりも期待したいところです。

▽食品産業新聞社ニュースWEBの記事
https://www.ssnp.co.jp/beverage/180910/

▽株式会社伊藤園のニュースリリース
https://www.itoen.co.jp/news/article/14654/

 

 

 

 

 

 


 

最近リサイクル界隈で耳にすることの多くなった「雑がみ」。文字通り雑(ざつ)な紙? まだまだ聞きなれない人も多いと思います。そもそも雑がみって何なのでしょう。

日本は古くはおよそ1000年ほど前の平安時代から再生紙を造っていたほどの、紙リサイクルの先進国。現在国内の古紙リサイクル率は80%を超えるといわれ、国内の紙資源は循環の枠組みが構築され、概ね有効活用されています。

そんな再生紙先進国・日本にあっても再資源化率が低く、今後さらにリサイクルを進めていかなくてはいけないと言われているのが、この「雑がみ」です。

従来我が国では新聞、段ボール、雑誌、紙パックの4種類は自治体の回収や地域の集団回収、スーパーなどでの拠点回収で回収が進められてきましたが、この4種類に該当しないお菓子の箱やティッシュペーパーの箱、デパートの包装紙、紙袋などは、リサイクル可能な素材でできているにも関わらず有効活用されず、長く可燃ごみとして処理されてきました。

そう、この従来の4区分に入らないものの、リサイクル可能な紙類の総称が「雑がみ」なんです。

確かに我が家でも以前は新聞や雑誌はせっせと分別して資源回収に出していましたが、レトルトカレーの外箱やティッシュの箱なんかはよく出るのにまっすぐごみ箱→可燃ごみ行きでした(そしてこれがかさばるんですよ、また)。

雑がみもリサイクルできるって知ってからは、空き箱の類なんかもせっせと集めて、リサイクルに回しています。キッチンペーパーやラップの芯なんかも該当するので、普通に生活しているだけでも結構たまるんですよ、これが。

これまで捨てていたものが資源として再利用されるようになったってだけでも、「地球に優しいことしたなぁ」って気分になれて良いのですが、それだけじゃなく、雑がみをリサイクルに回せば、可燃ごみ減量パワーが結構あります。可燃ごみって基本有料の市町村が多いと思いますので(私の住む函館もそう)、可燃ごみが減れば家計も助かります。

ここでちょっと注意したいのが、雑がみには「禁忌品」、つまりリサイクルに回せないものが結構あること。これが混ざってしまうと製製品の品質に大きな支障があるそうですが、なかなか見分けが難しい。


例えば「石鹸の入っていた紙箱」。これは禁忌品なんです。なぜなら石鹸のにおいがついているから。リサイクルして再生紙に生まれ変わっても、においが残ってしまうそうです。石鹸おそるべし。

レシートなんかの感熱紙もアウト。「感熱」だけあって、再生工程で黒い異物となってしまうから。圧着はがきなんかも圧着部分が異物となってしまいリサイクル工程に支障が出るためダメだそうです。

とまぁちょっと気を付けることはあるのですが、基本的に雑がみを分別してリサイクルに回すことは、環境負荷を下げ、限りある資源を有効活用し、そして家計の節約にもなる活動。可燃ごみ減らしゲームの感覚で、一度やってみてはいかがでしょうか。

▽雑がみやリサイクル禁忌品については、ここに分かりやすく載っています
(公財)古紙再生促進センターのホームページ
http://www.prpc.or.jp/recycle/home/

 

 

 

お昼に食べたカップラーメン。よーく見てみると...

 

「サステナブル」!、「森の資源を守る」!

カップラーメンが!?

 

と、気になったので発売元であるCOOP(生協)さんのサイトを覗いてみました。

すると、「森の資源を守る」と書かれた商品は、

「適切に管理された森林から生産された農林産物や再利用された紙資源を主原料としています」

 

との説明書きが。中身が適切に管理された森林由来なのか、それとも紙(入れ物?)がそうなのか、どっちなのか。

 

そこで、よくよくパッケージを見てみると、こんなマークが(左下のやつです)。

 

これ、「RSPO認証」といいまして、持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)という団体が認証した製品につけられるマーク。

 

この団体は持続可能なパーム油(アブラヤシから作られた油)の生産・製造・流通・消費を目的とした非営利組織で、RSPOが定めた8つの原則と43の基準を満たしたパーム油が含まれた製品に対し、マークを付与しているようです。

 

この認証、基準がかなり複雑な様で、賛否両論あるそうなのですが、ざっくり言えば、自然破壊や生態系への悪影響、土壌・水・大気の汚染、栽培する土地に関する先住民族との紛争、農園での劣悪な労働環境といった、パーム油産業が抱える様々な問題に対し、解決を目指しながら生産された(解決した、とは言い切っていないのがミソか)油を使っているものが対象となっている模様。

 

ということでこのカップ麺、中身の製品に使われた植物油(=パーム油)を「環境に配慮して作ってるよ!」と言っている、ということまではなんとなくわかりましたが、RSPO認証のドツボにはまり、なんだか煙に巻かれたような気持にもなった次第。

 

ただ、全く環境に配慮していない商品を買うよりも、地球環境や生産者の労働環境には優しいのかもしれません。パッケージにしても、ウェブサイトにしても、もうちょっと具体的に「環境への良さ」を書いてくれてもいいものですが、ズバっと書けない理由があるのかしら...

 

▽参考にした日本生協連(COOP)のサイト

https://goods.jccu.coop/ethical/sustainable.html

 

▽RSPO認証について、こんなサイトがありました(「SUSTERRA」)

https://goods.jccu.coop/ethical/sustainable.html