最近リサイクル界隈で耳にすることの多くなった「雑がみ」。文字通り雑(ざつ)な紙? まだまだ聞きなれない人も多いと思います。そもそも雑がみって何なのでしょう。

日本は古くはおよそ1000年ほど前の平安時代から再生紙を造っていたほどの、紙リサイクルの先進国。現在国内の古紙リサイクル率は80%を超えるといわれ、国内の紙資源は循環の枠組みが構築され、概ね有効活用されています。

そんな再生紙先進国・日本にあっても再資源化率が低く、今後さらにリサイクルを進めていかなくてはいけないと言われているのが、この「雑がみ」です。

従来我が国では新聞、段ボール、雑誌、紙パックの4種類は自治体の回収や地域の集団回収、スーパーなどでの拠点回収で回収が進められてきましたが、この4種類に該当しないお菓子の箱やティッシュペーパーの箱、デパートの包装紙、紙袋などは、リサイクル可能な素材でできているにも関わらず有効活用されず、長く可燃ごみとして処理されてきました。

そう、この従来の4区分に入らないものの、リサイクル可能な紙類の総称が「雑がみ」なんです。

確かに我が家でも以前は新聞や雑誌はせっせと分別して資源回収に出していましたが、レトルトカレーの外箱やティッシュの箱なんかはよく出るのにまっすぐごみ箱→可燃ごみ行きでした(そしてこれがかさばるんですよ、また)。

雑がみもリサイクルできるって知ってからは、空き箱の類なんかもせっせと集めて、リサイクルに回しています。キッチンペーパーやラップの芯なんかも該当するので、普通に生活しているだけでも結構たまるんですよ、これが。

これまで捨てていたものが資源として再利用されるようになったってだけでも、「地球に優しいことしたなぁ」って気分になれて良いのですが、それだけじゃなく、雑がみをリサイクルに回せば、可燃ごみ減量パワーが結構あります。可燃ごみって基本有料の市町村が多いと思いますので(私の住む函館もそう)、可燃ごみが減れば家計も助かります。

ここでちょっと注意したいのが、雑がみには「禁忌品」、つまりリサイクルに回せないものが結構あること。これが混ざってしまうと製製品の品質に大きな支障があるそうですが、なかなか見分けが難しい。


例えば「石鹸の入っていた紙箱」。これは禁忌品なんです。なぜなら石鹸のにおいがついているから。リサイクルして再生紙に生まれ変わっても、においが残ってしまうそうです。石鹸おそるべし。

レシートなんかの感熱紙もアウト。「感熱」だけあって、再生工程で黒い異物となってしまうから。圧着はがきなんかも圧着部分が異物となってしまいリサイクル工程に支障が出るためダメだそうです。

とまぁちょっと気を付けることはあるのですが、基本的に雑がみを分別してリサイクルに回すことは、環境負荷を下げ、限りある資源を有効活用し、そして家計の節約にもなる活動。可燃ごみ減らしゲームの感覚で、一度やってみてはいかがでしょうか。

▽雑がみやリサイクル禁忌品については、ここに分かりやすく載っています
(公財)古紙再生促進センターのホームページ
http://www.prpc.or.jp/recycle/home/