第100回の節目を迎えた東京箱根間往復大学駅伝競走。青山学院大学が2年ぶり7度目の制覇で幕を閉じました。
駒澤大学1強だとほとんどの人が考える中、3区で首位に立つと一度もその座を明け渡すことなく大手町へ襷を運んできました。
色々ありすぎて短い時間でじっくり振り返ることが出来ないので、今日は各校かなり簡潔に思ったことを書いていきます。
シード権獲得校
1位 青山学院大学 10:41:25 大会新 往路1位/復路1位
強かった。その一言に尽きる。1区抜擢の荒巻が飛び出した駒大らに臆せず付き、離されて後ろの集団に飲み込まれてからも粘り9位発進。すると2区黒田が駒大以外をすべて抜き去り、その駒大も射程圏内に。そして3区箱根男の太田が殊勝の走り。あの佐藤圭汰を捉えてついには先行!これで完全に流れが青学大に傾いた。4区佐藤が駒大を1分半程突き放してからは独走態勢。若林が区間記録を塗り替えると復路は全区間3位以内。後続を全く寄せ付けずに気づけば6分半以上差をつけて圧勝!まるで初制覇した91回大会の再現のようだった。
2年ぶり7度目の優勝&5区間で区間賞本当におめでとうございます!
2位 駒澤大学 10:48:00 往路2位/復路2位
ほぼ誰もが信じて疑わなかった2年連続3冠。いやしかし駅伝はやってみないとわからないんだね。1区篠原が区間賞を獲得したときはもうもらったと思っていた。しかし2区鈴木が終盤青学大に詰められると、3区佐藤で首位を明け渡すことに。ここからは焦りも生まれたのだろう、4区山川の動きが硬く区間6位と伸び悩み、5区金子も懸命に前を追ったが2分38秒の大差をつけられてしまった。6区に入った帰山が少しでも追い上げればと思ったが、60分近く要する区間12位。ここで実質白旗。7区安原以降は区間4~5位と追い上げることが出来ず、区間を追うごとに青学大の背中は遠くなるばかり。悔しい総合2位に終わった。
3位 城西大学 10:52:26 往路3位/復路12位
大躍進!初の2年連続シードどころか目標通りの表彰台入り!1区野村が昨年から成長を見せ3位発進。すると27分台ランナーの斎藤とキムタイがしっかりその流れを維持・加速。山中も後続の追い上げをかわし、山本唯が2年連続の区間新で2位をも伺う位置へつける。復路は前も後ろもほぼ見えない難しい立ち位置となりながらも7区林が5位、9区平林が10位と要所で好走。偶数区間は区間13位以下となったものの失速はなくまとめあげる。10区中田が終盤東洋大に詰められたものの笑顔で3位フィニッシュ。強豪校への仲間入りを果たした。
4位 東洋大学 10:52:47 往路4位/復路3位
1区15位で襷を受けた梅崎が66分台の走りで8人抜き!3区小林が流れに乗ると、4区に登場した松山が区間2位の走りで4位に浮上!5区緒方が確実に繋いでそのまま往路4位。10位以下は約5分以上離れこの時点で危惧されていたシード権はほぼ確定的に。復路は6区西村が58分台で勢いをつける。7区熊崎が後続に迫られたものの8区村上が区間10位で寄せ付けず、9区吉田が区間2位、そして10区三大駅伝デビューの岸本が歴代6位の素晴らしいタイムで区間賞を獲得!気づけばはるか前にいた3位の背中が眼前に。これぞ東洋。渋く強かな鉄紺の復活だ!
5位 國學院大學 10:55:27 往路6位/復路5位
大会3週間前、16人中10人がインフルエンザに罹患していたとのことで…。またエース格の山本が故障で出場できない中よく戦い抜きました。1区伊地知は覚悟をもって先頭に食らいつくも後半失速し17位スタート。しかしこれは平林が62分半を切る区間3位ですぐに取り返し、8人抜きでシードラインより前に浮上。そしてここからは全て下級生。3区青木、4区ルーキー辻原も区間4位で5位まで押し上げる。5区上原は苦戦したものの6位で折り返し。復路は1,2年生のみの布陣となったが、全員が区間6~10位の安定感。特に9区に抜擢された1年生吉田の区間7位は大きな収穫。卒業生1名のみ。来季逆襲できるはず。
6位 法政大学 10:56:35 往路9位/復路4位
往路4区までは区間一桁選手はゼロ。とはいえ1区宮岡が62分フラット、2区松永が67分半ばでシードライン付近には食らいつく。3区野田も耐えて、4区小泉が10位へ浮上。すると細迫が3度目の5区にして最高の走り。区間8位で9位に押し上げる。そうなると復路は強かった。武田がついに区間賞を獲得!えこぴょんもしっかり紹介。7~9区は区間一桁にまとめ、特に9区稲毛は6位と好走。アンカー宗像は國學院大に先行を許しわずかに目標の5位へは及ばなかったものの堂々の6位フィニッシュ。ハイレベルでしぶとい法大が大好きなんです(笑)。
7位 早稲田大学 10:56:40 往路5位/復路10位
1月2日に衝撃が走った1校。往路に伊藤大志がいない…。代わりに入ったのは1年時の全日本以来駅伝を走っていなかった辻。しかも往路3区。どうなることかと思われたが心配は無用だった。間瀬田が12位で粘ると2区山口が早大記録の63分31秒で区間4位の8人抜き!辻が3人に抜かれたものの区間7位で流れを守り、4区石塚も苦戦しながらも6位へ浮上。すると山の名探偵こと工藤が(伊藤不在の)5区問題を解決し5位で芦ノ湖へ。復路も北村が走れない誤算があったがおそらく急遽抜擢の栁本が何とか耐えてこの時点で総合8位。諸冨が東海大石原に食らいつくと、終盤区間は昨年と同じメンバーが好走。7位でフィニッシュした。
8位 創価大学 10:57:21 往路7位/復路7位
後方に位置取っていた桑田が冷静な走りを見せ2位スタート。ムチーニも終盤やや苦しみながら2区終了時で総合3位と絶好の位置につけていた。しかしここからが往路はうまくいかず。3区山森が区間19位と苦戦し8位へ後退。4区野沢も順位を上げられず。期待の5区吉田響も苦手だという寒さに苦戦し区間9位。往路一斉スタートの回避がやっとという状況に。しかし復路序盤は好調。6区川上が1年生記録となる58分15秒の快走で一気に5位へ浮上!石丸も流れに乗れた。8区以降は二けた順位が続いたものの失速は免れ8位でフィニッシュ。ただ想定よりも苦戦区間が多かった印象ではある。
9位 帝京大学 10:59:22 往路12位/復路6位
世界一諦めの悪いチームが1年でシード校に返り咲き!福田という主力を欠きながら見事なレースを展開した。1区西脇が全日本の不振を取り返す区間7位の好走。2区山中が7人に抜かれたものの68分10秒と悪くないタイムで耐え、3区柴戸、4区末次が区間9位で取り返して7位へとポジションを戻す。5区尾﨑が苦戦したもののシード権は充分に見える位置。6区大吉でやや引き離されたものの、7区に入ったエース小野が区間2位の素晴らしい走りで追撃。すると8区島田が9位へ浮上し9区小林が区間3位の爆走でシード権を確実なものに。10区日高は少々苦しんだが貯金を生かし9位で大手町へ。来季ががぜん楽しみになってきた。
10位 大東文化大学 11:00:42 往路8位/復路17位
ライトグリーンが9年ぶりにシード権を獲得!しかしその道のりは平たんなものではなかった。とはいえ往路はほぼ想定通り。法大と同じく4区までは全員区間二けた。2区まででシードライン付近に付け、3,4区でややさがったものの、5区菊地が区間4位の好走で6人をごぼう抜き。6区佐竹は区間賞の法大に抜かれたため順位は落としたものの58分24秒の好走でシードラインは突き放した。7区小田も区間6位でシード権は確実…と思われた矢先に落とし穴。自分のペースで走るのが得意なワンジルが8区に登場したもののまさかの区間最下位。一気に11位へ後退。ただ幸いシードラインは大きく離れておらず、大谷が区間9位で食らいつき、最後は佐々木が冷静な走りで歓喜のゴールテープへ。これもある意味真名子マジック!
11位 東海大学 11:01:52 往路16位/復路9位
全体的には下馬評よりも上で戦えていた。1区兵藤が区間5位で滑りだすと2区花岡が区間13位ではあるものの67分半ばでシードラインは死守。3,4区で区間15,16位と苦戦したものの総合9位にポジションを上げ、山区間へ。ここまでは非常に良い流れだったのだが、5区喜早が区間22位と苦戦し総合16位へ後退。もっともそれは1区からスライドしてきた梶谷が5人抜きで取り返す。そして7区エースの石原でシード権を確実に…と行きたかったのだが体が動いておらず区間15位で総合13位に後退。やはり苦しいかと思いきや8区ルーキー南坂が65分01秒の好タイムで総合10位へ!9区竹割もしっかりつないだものの、10区ロホマンが後半失速しシード権には1分10秒届かず。悔しいが手ごたえも掴めた100回大会となったのでは。
12位 国士舘大学 11:01:52 往路11位/復路15位
今回はよく戦い抜いた!2区終了時点で18位とむしろ近年では下位。厳しいかと思われたがここからが違った。鬼門攻略に燃えていた生駒が3人抜き!4区西田が区間10位で流れを守ると5区山本雷が区間7位と過去最高の走りで4人抜き。シード権までわずか3秒で往路を折り返すことに。復路6区は勝部がやや苦戦したものの平地が粘る粘る。7~9区は区間11~13位でまとめ、9区終了時点でシード権まで34秒。10区鈴木は後半追い上げたもののシード権までは及ばず。それでもここ15年では最高の戦績。これは来季期待できる?
※上記2校は同タイムだが、区間最上位が東海大5位(1区兵藤)、国士大7位(5区山本)のため11位東海大・12位国士大となる
13位 中央大学 11:01:58 往路13位/復路13位
これはまさか…。とはいえ体調不良者が直前に14名も出てしまったなかよく13位で踏みとどまったと言えるのかもしれない。1~3区は昨年と同じ配置だったものの、各選手厳しい走りで3区終了時点で18位。数少ない好調を維持していた湯浅が動揺することなく4区3位の好走を見せ5人抜き。往路はそのまま13位で終えることに。復路出だしは堅調。浦田が出雲のリベンジを果たす58分台で10位に浮上。順位こそ上がらなかったものの、7区吉居駿は区間賞でシードラインを突き放す。しかし8区阿部がまったくの不調で区間22位。総合12位に落とすとそこから這い上がる力はなかった。しかし10区ルーキー柴田が区間9位でまとめ上げ、シード権までは1分少し。来年逆襲と行けるはず。
14位 立教大学 11:03:04 往路17位/復路14位
序盤は流れについていけず、2区終了時点で21位。しかし3区以降は健闘。3区馬場が区間8位で、4区中山が区間10位で立て直すと、5区抜擢の山本で総合17位、シード権まで1分20秒と盛り返す。復路は2区間で区間下位が出たものの、6区原田、8区稲塚が一つずつ順位アップ。そして出場も危ぶまれた関口が10区に登場し序盤突っ込み区間3位の好走!昨年よりステップアップを果たした。
15位 日本大学 11:06:30 往路19位/復路18位
4年ぶりの日大は往路で存在感を示した。まず1区西村が自身でも想定外だった区間4位!2区キップケメイは伸びずに8位へ後退したが、鬼門の3区で安藤が区間4位!なんと往路平塚中継所を4位で通過する健闘ぶり。往路フィニッシュは19位にまで後退したが、シード権内までは僅差。復路は個人順位では下位となることが多かったものの後方での競り合いには加わり、9区までに15位まで順位を上げることに。襷を繋ぎきる目標も達成し、大仲がしっかり大手町に帰ってきた。
16位 日本体育大学 11:06:30 往路21位/復路11位
エース山崎を欠いた往路は苦戦。3区漆畑と5区三好が区間12位で奮闘したものの芦ノ湖フィニッシュは21位。一転復路は順調。6区で富永が踏ん張ると、7区田島が区間9位、そして8区分須が区間2位!3人抜きで一気に19位へ浮上。9区田中は苦戦したものの、10区住原が69分台の区間6位。なんと4人抜きを果たし総合16位にまで浮上させた。昨年同様復路は11位。あとは往路でしっかり戦える選手を揃えることが出来れば…。
17位 順天堂大学 11:06:42 往路10位/復路22位
往路はまずまず。三浦が61分台で滑り出し、2区浅井は終盤何とか盛り返しこの時点で15位。ここからはじわじわ順位を上げ、意表を突く配置となった5区石井がシード権内に戻して芦ノ湖へ。吉岡も区間8位でまとめた。しかし復路は終始苦戦。最高が6区氷見と9区藤原の区間17位では前を追えない。しかも鶴見中継所で84回大会以来の繰り上げスタートも喫することに…。各学年にエース格はいるものの、今後がやや不安になる結果となってしまった。
18位 駿河台大学 11:06:58 往路14位/復路21位
2年ぶりの出場となった今回も沸かせてくれた。1区には留学生レマイヤン。独走はできなかったものの区間6位で踏みとどまる。2,3区は苦しく総合21位にまで降下したが新山・古橋それぞれが粘り前が見える位置。4区東泉が区間14位で二つ順位を上げると5区倉島が爆走!区間5位の5人抜きで14位に進出。シード権内まで34秒と迫った。復路はさすがに跳ね返され繰り上げスタートも味わったが、8区岡崎が区間12位、さらに10区に抜擢されたルーキーの久保が区間13位。ただでは終わらない駿台駅伝を見せつけた。
19位 中央学院大学 11:07:26 往路18位/復路20位
1区稲見が中盤から後退し62分台では走り切ったものの20位。2区吉田も本領発揮とはならず。3区伊藤も苦戦したが、4区黒岩がお父さんの給水を受け奮闘。区間6位で17位へ進出する見せ場を作った。ただ往路は18位。シードへは2分を切っていたため一縷の望みはあったが復路で攻めきれず。7区では14位まで順位を上げたものの、9区でアクシデント気味の失速。襷を最後までつなぐことが出来なかった。
20位 明治大学 11:07:28 往路23位/復路8位
どう振り返ったらいいのかわからないや。卒業生としても辛い結果に。往路で区間21位以下が3区間出るとは夢にも思わなかった。復路は健闘し、9区終了時点で17位にまで上げたものの10区で再び区間22位と失速。史上最低の20位という結果に沈んでしまった。一方で1区の大湊が明大記録を更新する61分38秒の好タイムで区間8位、8区で綾が1年生歴代3位となる64分44秒をマークして区間3位と希望の光に。6区堀も昨年より1分近くタイムを縮め、9区鈴木は鬼門区間を8年ぶりに一桁順位(区間8位)で駆け抜けた。古豪復活を信じて応援を続けます。
21位 神奈川大学 11:07:37 往路22位/復路16位
往路は1区から流れに全くついていけず。3区宇津野の区間10位を除き下位に低迷。仕切り直しの復路は6区大岩が58分台の区間6位で順調なスタート。しかし7区8区と再び下位順位となり総合でも最下位に転落。9区佐々木がなんとか悪い流れを断ち切り最下位を脱出すると、アンカー酒井が大東大と競り合い区間8位!来季は経験者がごっそり抜け厳しいと思われるが一筋の光が差したのではないだろうか・
22位 東京農業大学 11:09:16 往路20位/復路19位
前田が往路を回避した時点ですでに厳しい状況は見て取れた。それでも1区高槻、2区並木のダブルエースが奮戦。2区終了時点で総合6位と見せ場は作った。何より1年生のころからチームを引っ張り続けてきた両選手が襷を繋いだのが感慨深かった。その後は厳しく往路は20位。復路は全員が2年生以下。7区に登場した前田はやはり本調子からは程遠く区間13位。8区終了時点では総合22位。しかし9区で再び見せ場。深堀が区間4位の好走で4人抜きの18位へ進出!10区栗本はまだ実力不足だったか再び22位に後退したが、10年ぶり箱根路を1本の襷でつなぎきることができた。Wエースが抜ける来季、しっかり勝負の場に戻ってきてほしい。
23位 山梨学院大学 11:11:11 往路15位/復路23位
これは非常に厳しい結果に…。往路は粘った。北村が16位で滑り出し、故障を抱えていたというキピエゴが区間9位で12位へ浮上。3区髙木が苦戦したが、4区ルーキーの和田が区間17位と粘る。そして期待の弓削も区間11位で総合15位へ。シード権までは48秒とした。復路は暗転。6区昨年好走の髙田が区間21位と出遅れると、あとはほとんど抵抗できず。なんと戸塚中継所で繰り上げスタートとなってしまった。
とりあえず全校振り返りが終わりました。
ちなみに順位予想を当てたのはなんと23位の山梨学院大学のみ。シード校は8校(中大・明大が外れ、代わりに東洋大と帝京大が入りました)。 温情入れなければ提供を10位予想にしてたんだけどなあ~~(小声)
1つずれのニアピンは駒大(1→2位)、法大(7→6位)、日大(16→15位)、駿河台大(19→18位)の4校。個人的にはそれほど評判が高くなかった法大をほぼ当てたのが嬉しかった(実はプチ法政ファン)。反対に最もずれたのは中大(3→13位)と国士大(22→12位)。国士舘大学は特にごめんなさい。強かったです!
予想以上の結果で終えた学校、実力が発揮できず悔しい思いをした学校さまざまかと思いますが、全チームが無事に最後まで完走できたことが何より。選手の皆さん、関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした!