手を討てば 鳥は飛び立ち 鯉は寄る 女中茶を持つ 猿沢の池

 

奈良県の法相宗(唯識)の寺、興福寺にある猿沢の池のほとりでの出来事です。

誰かが手を「パーン」と打ちます。すると鳥は鉄砲の音だと思い飛び去ります。

一方、鯉は餌がもらえると思い岸辺に寄ってきます。

さらに、近くの旅館の女中は客が来たものと思って茶を持って来ます。

この様に、同じ一つの出来事・物事であっても、それを受け取る者の立場が違えば、物事のとらえ方が異なるという事を示しています。