金持ちに二人の娘がいた。一人が亡くなった時、泣女を雇った。もう一人の娘が母親に向かって、「ああ、情けない、家族を亡くした私たちか泣き方を知らないなんて、親戚でもない女たちが、あんなに激しく胸を叩いて泣いているんですもの」と言うと、母親のこたえるには、「娘や、あの女たちがそんなに嘆くからといった、驚くことはない。お金のためにしているのだから」。

このように、お金欲しさから、他人の不幸を仕事のたねにする人もいるものだ。

 

 

「イソップ寓話集205」