飼われた驢馬が日向ぼっこをしているのを野生の驢馬がみつけ、近づいて行くと、逞(たくま)しい体をして餌に恵まれた幸せ者よ、と言った。その後しかし、そいつが荷物を担ぎ、後から驢馬追いに棍棒で殴られるのを見て言うには、「いやいや、もうお前を果報者とは思わない。ひどい災難と引き換えにたらふく食べている、ということが分かったもの」。

このように、危険や苦難と抱き合わせで得られる儲けは、羨むに当たらない。

 

 

「イソップ寓話集183」