驢馬が蝉の鳴くのを聞いて、その響きに酔い、その声が羨ましくなって、何を食べてそんな声を出すのかと尋ねた。

「露さ」との答えに、驢馬は露ばかりを食べ続けて、飢えて死んでしまった。

このように、柄にもないこしを望む者は、得られぬばかりか、とんでもない不幸に陥るのだ。

 

 

「イソップ寓話集184」