腹をすかせた黒丸烏がイチジクの木に止まったが、それは冬イチジクでまだ熟れていないのに、イチジクの実がなるのを待っていた。いつまでもそうしているのを狐が見つけ、その訳を聞き知って言うには、「夢は見させるが、腹の足しにはならぬ希望に身をまかすなんて、烏滸(おこ)の沙汰だぞ」。

 

 

「イソップ寓話集126」