猫が雄鶏をつかまえて、もっともらしい理由をつけて食べてやりたいと思った。そこでまず。夜中に時を作り安眠妨害をするから、人間にとって迷惑だ、と難癖をつけた。鶏が、それはいつもの仕事へと起こしてあげているので、人間の役に立っているのだ、と答えると、今度は、「しかしお前は、姉妹やお袋にまで乗りかかるから、自然のおきてに背く不届き者だ」と言った。

これとても飼い主の為を思ってしている、卵がたくさん生まれるための配慮だ、と鶏が弁ずると、言うことがなくなった猫の奴、「お前がいつまでも言い訳に困らないからといって、俺がお前を食わぬとはおもうなよ」。

邪を好む悪しき性分は、たとえもっともらしい口実があっても、あからさまに悪事をなす、ということをこの話は解き明かしている。

 

 

「出典:イソップ寓話集16」