高崎市栗崎町字宮原の「諏訪神社」の祭神は、建御名方神(たけみなかたのかみ)です。「古事記」に大国主神(出雲大社の主祭神)の御子神として登場します。「国譲り」神話の中で、父の大国主神が高天原の最高指令神の天照大御神から「地上の国の統治権を禅譲しなさい」と迫られた時に、最後まで抵抗したのが建御名方神でした。この神様は武勇の守護神、雨・風の守り神、水の守護神で五穀豊穣の神様です。また、この社の地は、飯玉山古墳(綜覧番号岩鼻第25号)という前方後円墳でしたが、墳形は大きく改変されています。横穴式石室(?)の主体部から刀、金環、勾玉等が出土しています。明治40年飯玉社から諏訪神社に改称されています。

 

諏訪神社

 

 

境内には多くの石造物があり、「馬頭観世音」は、文政4(1821)年の建立で「高井藤原守」と刻まれています。牛馬の無病息災や、長寿・安産などを願い奉納したものと思われます。種子道陸神(しゅしどうろくじん)の「種子」は、民間信仰における梵字の一つで、仏像を表したものです。「道陸神」は道祖神の別称です。大地土公神の「土公神」は陰陽道における「カマドの神」の一群に含まれます。百庚申は、一つの塔に「庚申」と百字を刻んだ「一石百庚申」です。

 

馬頭観音

種子道陸神

百庚申      大地土公神

参考資料:岩鼻「歴史マップ」