地域の旧道を歩くと、道の辻や三叉路に自然石で出来た「道祖神」(どうそじん)や「庚申塔」(こうしんとう)と字彫りされた石、また「二十二夜供養塔」を見かけます。今回はこれらの石造物について髙山勇氏調査の「南八幡地区石造文化財調査表」に基づき山名地区を散策しました。なお、現存する石造物は多数あります。記載のものは全体のごく一部です。

 

山名町中央地区

    

   

山名町南地区

  

  

      

山名町西地区

  

  

二十二夜塔 二十二夜待(講)は「二夜様」と呼ばれ、女人講となっています。二十二日の夜に人々が集まり、飲食を共にして月の出を待つ行事です。主尊は如意輪観音を刻んだ塔が多い。

※文字等の道祖神 一般的には自然石や角柱に「道祖神」の文字を彫ったものが多い。「塞神」「岐神」も同じ道祖神です。

※双体道祖神 並んで立つ男女を浮き彫りにしたもので、仲睦まじい姿が微笑ましい。結縁神として、安産、豊作祈願の作神や生産神としても祀られます。

※庚申塔 中国の道教では人体に3匹の虫、三尸(し)が宿っているといいます。この虫は60日ごとに来る庚申の日の夜に、寝入っていた人体を抜け出し、天帝に宿主の罪業を報告します。庚申の日に宿主が寝なければ三尸は人体を抜け出せない。そこで 庚申の晩は当番の家に集まり不眠で過ごすことで三尸の報告を阻止して治病・長寿を得る庚申待ちの行事を行いました。その祈念碑として庚申塔があります。

 

参考資料:南八幡地区石造文化財調査表