トヨタ自動車は25日、米国で販売した車のアクセルペダルがフロアマットに引っ掛かり事故を起こす恐れがある問題で、高級車「レクサスES350」や「カムリ」など8車種を対象に、ペダルの改修や、運転席と助手席のフロアマットの交換などの改善措置を無償で実施すると発表した。
対象車は426万台を超え、トヨタとしては米国で過去最大規模の改善措置になる見通し。長年かけて米国市場で築き上げたトヨタ車の信用が低下する恐れもある。
トヨタ側は、強制力を持つリコール(回収・無償修理)ではなく、事故防止のための自主的な措置と説明している。しかし、顧客に対してマットの取り外しなどを促してきた従来の緩やかな対応から、車両改修に踏み込むことを迫られた形だ。
費用は数百億円規模に上るとみられるが、トヨタはリコールに備えた約5000億円の引当金を計上しており、業績への影響はない見通し。
今回の改善措置とは別に、トヨタは、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合にアクセルが緩む新機能を、来年中に米国で販売するほぼ全車種に搭載するなど、安全性向上にも取り組む。