8月20日に行われたアフガニスタン大統領選で、国連主導の不服審査委員会(ECC)は19日、不正票の調査結果を選挙管理委員会に提出した。選管がECCの調査結果に基づき不正票を無効とし、決選投票の実施を決定するかどうかが焦点。選管筋は、不正票を無効とした場合の現職カルザイ大統領の得票率は約48%で、勝利に必要な過半数を割るとしている。このため、2位のアブドラ元外相との決選投票になるとの見方が強まっている。
9月16日に発表された暫定結果では、カルザイ氏が得票率54・6%を獲得し、勝利に必要な過半数を制した。アブドラ氏は27・8%だった。ECCは調査結果の中で、210カ所の投票所での全票を無効とし、他の投票所についても一定の票を無効にすべきだと、選管に勧告した。
ECCの調査結果と、選管による最終集計結果は、17日に発表されるとの見通しが強まっていた。だが、調査結果を非公式に知らされたカルザイ氏側が強く反発したという。
このため、先週後半からクリントン米国務長官、ブラウン英首相、潘基文国連事務総長らが相次いでカルザイ氏に電話で、決選投票も視野に調査結果などの受け入れを促し、説得工作が続けられた。カルザイ氏は、国際社会がアフガン国民の選挙プロセスに過剰に関与したと批判している。
ただ、国内の不安定化を招く決選投票を回避しようとする動きも出ている。地元筋によると、アブドラ氏が出馬を辞退し、カルザイ政権の首相級ポストに就任する案などが浮上しているという。しかし、アブドラ氏は受け入れに否定的だという。
不正行為の指摘は、選挙直後から相次ぎ、ECCが調査を進めていた。しかし、その過程では、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)内で、不正票のデータをめぐる対立があったほか、ECCのアフガン人委員1人が外国の介入を批判して委員を辞任するという事態が続いた。