「自分で網戸を張り替えれば材料費だけ」。住まいの補修を自分で行う人が増えている。時間に余裕のある高齢者や、居心地のいい空間にしたい30代が中心だ。初心者でも手軽に使える床や壁の補修用品が数多く売られている。挑戦してみては?(寺田理恵)
◆塗り方実演
「リーマンショック以降、自分で補修する方が増えました。講師によるDIY教室のほか、従業員の実演も人気です」。こう話すのは、ホームセンター「ユニディ千鳥町店」(千葉県市川市)の岩井幸夫店長だ。
同店では暮らしのDIYアドバイザー、油田加寿子さんによる教室を定期的に開く。9月は「ビニール壁紙への塗装」。「汚れると『張り替えなくては』と思いがちですが、壁紙の上から塗れる塗料が売られています。塗るのは簡単」と油田さん。
塗装前、窓枠やドアなど塗料が付くと困る部分をマスキングテープでカバー。際や隅をハケで塗り、広い面積をローラーで。塗料用ローラーバスケットに付属の網の上で転がすと塗料が均一に付く。「作業中のハケはぬれぞうきんで挟んでおくと固まりません」など、道具の使い方も説明する。
油田さんは「欧米では親が直すのを見て覚えます。日本にも家屋の手入れ方法がありましたが、戦後、新建材に変わり、知識の伝達が途切れました」と話す。
◆日本人は手先が器用
「ものを大切にする心」の醸成を掲げるのは、補修用品の輸入・販売「ハウスボックス」(東京都大田区)。
大槻慎二社長は欧州の“リペア文化”を「宝物が『祖父の机』『祖母からもらった化粧台』。家具を大事にする文化がある。家の寿命も長く、300~400年たった方が価格が高い。ドイツでは百貨店で塗料や補修材が売られ、商品も豊富」と説明する。
もともとプロ用を建築業界向けに販売。7~8年前から一般向け商品に力を入れている。フローリングなどの補修用品と家具の手入れ用品をラインアップ。「浸透したのはここ2、3年。住宅着工戸数が減る中、プロ用の市場も伸びている」(大槻社長)。
ただ、需要が多いのは住宅の広い面積を占める床と壁用。家具は「買い替える方が安い」との感覚が一般的だ。大槻社長は「日本人は手先が器用。便利な補修用品の存在を知れば、自分で直そうと思う人は多いのでは」と話している。
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■初心者には簡単グッズも
東急ハンズ渋谷店には、初心者でも使いやすいフローリングや壁紙の補修用品が並ぶ。「住まいのマニキュア」(建築の友)はフローリングの小さな傷を塗って直せる筆ペンタイプ。「キズなおしま専科」(ハウスボックス)は充填(じゅうてん)剤を電熱コテで溶かすタイプで、へこみやえぐれに対応できる。クロスの破れに張るだけの「クロスパッチ」(建築の友)や、ピン穴をうめる「クロスの穴うめ材」(同)も便利。気になる汚れには、「クロスの洗剤ヤニ・手あか用」(同)でふくと、きれいになる場合も。「ちょっとした修理をするのは女性が多い」(販売促進)という。
