映画「笑う警官」(11月14日公開)の完成試写会が29日、東京・新宿バルト9で行われ、製作・監督・脚本の角川春樹氏(67)が「150万人動員しなかったら映画をやめる」と映画界からの引退を覚悟していることを明らかにした。
春樹氏は応援隊として登場した雑誌「ポップティーン」のカリスマモデルを前に笑顔だったが、次回作でモデルを出演させたいかどうかを聞かれ表情を引き締めた。「次といっても…。この作品をヒットさせるしかない」とキッパリ。もし、動員150万人に届かなければ映画から手を引くことを語った。
北海道警を舞台に、女性警官殺害の真犯人を探す警察官を描いたサスペンス。作家・佐々木譲氏(59)の原作小説にほれ込んだ春樹氏が、「時をかける少女」のリメーク以来、12年ぶりにメガホンを執った。
“背水宣言”は自信の表れだ。主演の大森南朋(37)が「(ほかの監督と比べて)撮るのが速い。気を抜けなかった」と言うと、春樹氏は「ぼくは迷わない。勘も全然鈍っていませんね」と自信たっぷり。
春樹氏が長年、タッグを夢見てきた米歌手ホイットニー・ヒューストン(46)が主題歌を担当。春樹氏は「日本映画では今後もあり得ないことだろう。ベストセラーの原作と音楽と映像。三位一体が実現した」とヒットに向け大きな手応えを口にした。
◆「犬神家―」76年邦画2位 春樹氏は市川崑監督を迎えた「犬神家の一族」が76年の邦画配収2位。81年の薬師丸ひろ子主演「セーラー服と機関銃」、83年の原田知世主演「時をかける少女」をヒットさせ一時代を築いた。93年に麻薬取締法違反などで逮捕。出所後に製作総指揮した05年「男たちの大和/YAMATO」は興収51億円、416万人動員の大ヒット。07年「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」が15億円、120万人、「椿三十郎」が11・5億円、100万人と苦戦している。