クラシック音楽をテーマにした人気ドラマの映画版「のだめカンタービレ 最終楽章」の撮影が、音楽の都、オーストリアのウィーンで行われた。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が本拠地とする「楽友協会」の大ホールなどで大規模ロケ。同ホールでの映画撮影は世界初。“千秋先輩”こと玉木宏(29)が指揮する姿を“のだめ”こと主演の上野樹里(23)は、うっとりと見つめていた。
えんび服姿の“千秋先輩”が、体を上下左右に揺らし「ベートーベン交響曲第7番」を指揮。最後の楽器の音がスーッと消えた瞬間、黄金色に輝く「楽友協会」大ホールを埋めた観客が一斉に立ち上がり「ブラボー!」の大声援。客席中央で聞きほれていた“のだめ”も、子供のようにはしゃぎ、拍手を送った。
客席にはオーストリア人とスロバキア人のエキストラ約800人が参加。楽団もチェコから特別に招いた一行で、武内英樹監督の「カット!」の声がなければ本物のコンサートと間違うほどだ。
由緒ある同ホールで映画が撮影されるのは初めて。公演中継をのぞくと、テレビ撮影でさえこの20年で4回しか行っていないという。製作陣が映画編の目玉にと約半年かけて交渉し、実現にこぎつけた。
館内にはモーツァルト、シューマン、バッハ、ワーグナーと歴代の楽聖の胸像がずらり。偉大な音楽家に囲まれた上野は「申し訳ないことをしないように頑張らなければいけない」と、破天荒さは抑え気味に、音楽家としてののだめを前面に押し出す演技。玉木も「身が引き締まる。とにかく失礼のないようにと思ってタクトを振りました」と話した。
玉木が立った指揮台は故ヘルベルト・フォン・カラヤン氏や、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めている小澤征爾(73)ら名指揮者が立ってきた場所。国内の有名ホールにも立ったが「ここ以上の場所は望めませんね」と満足そうだった。
今回はフランス、スロバキア、チェコ、オーストリアの欧州4カ国を縦断し撮影。同ホールはそのクライマックスで、映画の冒頭に登場する。「町を歩いているだけでベートーベンのお墓があったり、何かを感じました」と上野。クラシックの本場の空気に触れ、新しいのだめ像を作り上げているようだった。映画は前編、後編で、前編は12月19日、後編は来春公開される。